12月1日午前8時30分ごろ、静岡県富士市厚原の荒川化学工業の富士工場で発生した爆発事故。午後2時半現在、鎮火に向けて消火活動が続いている。火がこれ以上広がる恐れはない。
富士市消防本部によると、午後1時半現在、64歳の男性従業員1人が死亡し、3人が重傷、8人がけがを負った。計12人の死傷者はいずれも従業員で男性。
工場は、製紙用の化学薬品や印刷インキ用の樹脂を製造。爆発が起きた当時、操業中だった。
有害物質が出る恐れがあるため、富士市は午前9時半すぎに工場から半径100メートルの範囲に避難指示を発令した。対象は22世帯48人に上る。
富士市消防本部の担当者は、BuzzFeed Newsに「消火のほうに全力を尽くしており、有害物質についてはまだ詳細をつかめていない」と語った。
避難所は、午前10時前に市内にある小中学校の計5校に開設された。計7人が身を寄せている。さらに、市内の公会堂には15人が自主避難しているという。
目撃者の証言「地震かと」
22歳の目撃者が、 BuzzFeed Newsに事故発生時の様子を語った。
当時、現場から約100メートル離れた場所にいた。すると突然、「ズドン」と大きな音とともに、建物とシャッターが揺れた。
「地震が来たかと思いました」
工場からは黒煙が上がり、火災が発生していた。その後、サイレンが鳴り響き、現実だ、と実感した。
爆発当時は朝だったためか、現場近くに集まる人は多くなかった。警察官が現場から離れるよう呼びかけていたという。
体調は悪くないが、大きな爆発音を聞いた後に「キーン」と耳鳴りがし、今も違和感がある。
「大変なことが起きてしまった」。そう現在の心境を語った。