SNSを通じて知り合った女性とのデート。仲を深め、相手の職場に行ってみると、高額なネックレスを勧誘される事態に...。すると、「キミならどうする!?!?」と3つの選択を求められる。
国民生活センターは3月7日、特に若者に被害が多い「デート商法」を理解してもらうために、「恋愛シミュレーションゲーム風動画」を制作し、配信した。
ゲーム風の動画による啓発は初の試みで、自らが被害に遭っているかのような体験ができる。
女の子と仲良くなると…
動画の主人公は、20歳の男子大学生の「太郎くん」。SNSで知り合ったばかりの女の子「ミチルちゃん」と会う約束をした。
デートを通じて仲良くなると、2人はミチルちゃんの職場に一緒に行くことに。
ミチルちゃんがアクセサリーのデザインの仕事をしていることが、そこで初めて明かされる。
そして、自分がデザインしたという「40万円」のネックレスを見せると、太郎くんに「買ってくれないかな?」と勧誘を始める。
ここで提示されるのが、3つの選択肢だ。
「ミチルちゃんのためなら買う」「お金がないので断る」「いらない、ときっぱり断る」
そして、「キミならどうする!?1?」とのメッセージで、動画は終わる。
HPには続きが
国民生活センターのHPでは、3つのいずれかを選択した後の続きをそれぞれ動画で紹介している。
「ミチルちゃんのためなら買う」はもちろんだが、「お金がないので断る」と選んだとしても40万円借金をし、ネックレスを買う結末になる。
「いらない、ときっぱり断る」ケースでは、突然、上司の男性が現れる。そして、「責任は取ってもらうからな」などと脅され、2人から勧誘が続く羽目に。ただし、最後には解放される。
そして、すべての動画で、このような事例を「デート商法」だとし、こう解説する。
「恋愛感情を利用し、それにつけ込んで、アクセサリーなどの高額な商品を買わせる悪質商法です。特に10代〜20代の若い方が多く被害にあっています」
最後は、怪しいと思ったら、すぐに契約せず、きっぱり断ること。万が一にもトラブルにあった場合は、すぐに消費生活センターに相談してもらうよう促し、締められる。
デート商法のワナを知ってほしい
成人年齢を20歳から18歳に引き下げる改正民法が2022年4月に施行される。
成人になると、契約時に親の同意を得る必要がなくなり、自分の意思で自由に契約できるようになる。それに伴い、悪質な業者が、成人になったばかりの18〜19歳の若者を狙う恐れがある、と危惧されている。
これが、国民生活センターが今回、動画を制作した理由の一つだ。
困った時には、一人で悩まず、まずは相談することが寛容だ。消費者ホットライン「188(いやや)」に電話すれば、最寄りのセンターにつながると呼びかけている。