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Updated 14 時間前. Posted on 2020年2月15日

中国・武漢市民による市封鎖までの「移動した痕跡を元にマップ化」は誤り 新型コロナめぐり拡散

新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、中国の武漢市民がウイルス発生後から市の封鎖までの間に「移動した痕跡を元にマップ化」としたとする画像を添付した投稿が拡散している。しかし、「移動した痕跡を元にマップ化」とするのは誤りだ。

新型コロナウイルス発生から武漢市の封鎖までの間に、同市民が「移動した痕跡を元にマップ化」したとする画像を添付したTwitterの投稿が拡散している。 

「もうダメかも」「時間の問題」などと不安が広がっているが、このマップは世界中の旅客機の航路を示したイメージ画像で、「移動した痕跡を元にマップ化」とするのは誤りだ。BuzzFeed Newsはファクトチェックを実施した。

Twitterより

画像は以下のような文言とともに、2月12日に投稿された。

アウトブレイク後に武漢市民が移動した痕跡を元にマップ化。

>コロナウイルス発生後から市の閉鎖までの間に、世界を移動したおよそ60,000人に上る武漢市民のフライトデータや所有する携帯電話のトラッキングデータを元に、サウサンプトン大学の調査チームが作成したマップ

マップからは、中国の湖北省武漢市が封鎖された1月23日までの間、市民が中国国内をはじめ、アメリカやヨーロッパ、日本など世界各国に移動したように見える。

もともと、この画像はイギリスのサウサンプトン大学による「WorldPopProject」が投稿した。

「2020年1月から4月までの中国内外における武漢の新型コロナウイルスの拡散リスクの評価」などと記し、この画像とともに論文のURLを2月5日にツイートしていた。

この画像は、世界中に広がった。英紙「サン」は「この新しいマップは、致命的なコロナウイルスが、防ぎきれないほど世界中に広がっていることを示しています」と報じた。

また、同じく英紙「デイリー・メール」も画像を引用し、「武漢を離れた6万人余りの人々が、どのように世界を行き来したかを示しています」などと記した。

論文に載っていないマップ

Twitterより

しかし、先述の通り、このマップを「移動した痕跡を元にマップ化」とするのは「誤り」だ。

そもそも、この画像は、サウサンプトン大学の研究者らによる論文には載っていない。

論文は「新型コロナウイルスの潜在的なリスクと地理的範囲を推定」したもので、封鎖される前に武漢から500万人以上が市外に出て、うち約6万人の航空旅客が、封鎖までの2週間で、中国本土以外の数百都市に旅行したと「推定される」としている。

つまり、市外に出たとされる全員の航空経路を全て公表しているわけではない。

「WorldPopProject」のツイートに載せられたものは、あくまで移動ルートの可能性を示し、「世界中の旅客機の航路を示したイメージ画像」だったわけだが、誤解が広がったとみられる。

このツイートには「投稿を削除するべき」などの批判も集まった。その後、投稿は削除され、こう追記された。

「単にグローバルな航空ネットワークを示すイラスト画像にしたつもりでした」

一般の人にできること

AFP=時事

厚労省は、2月15日時点で、日本において「流行が認められている状況ではない」との考えを示している。

とはいえ、感染は日本でも拡大しており、予断は許さない状況だ。こうした事態のときは、誤った情報や、真偽不明な情報が出回りやすいため、注意が必要だ。

一般の人たちができることは、あくまで風邪やインフルエンザ対策と同様に、咳エチケットや手洗いなどだ。厚労省は、その重要性を呼びかけ、「人混みの多いところは避ける」などの対策に努めてほしいとしている。

厚生労働省のQ&Aサイトはこちらから。世界中で広がる「あやしい情報」のファクトチェック一覧はNPO法人「ファクト・チェック・イニシアチブ」(FIJ)の特設サイトで見ることができる。


BuzzFeed JapanはNPO法人「ファクトチェック・イニシアティブ」(FIJ)のメディアパートナーとして、2019年7月からそのガイドラインに基づき、対象言説のレーティング(以下の通り)を実施しています。

ファクトチェック記事には、以下のレーティングを必ず記載します。ガイドラインはこちらからご覧ください。なお、今回の対象言説は、FIJの共有システム「Claim Monitor」で覚知しました。

また、これまでBuzzFeed Japanが実施したファクトチェックや、関連記事はこちらからご覧ください。

  • 正確 事実の誤りはなく、重要な要素が欠けていない。
  • ほぼ正確 一部は不正確だが、主要な部分・根幹に誤りはない。
  • ミスリード 一見事実と異なることは言っていないが、釣り見出しや重要な事実の欠落などにより、誤解の余地が大きい。
  • 不正確 正確な部分と不正確な部分が混じっていて、全体として正確性が欠如している。
  • 根拠不明 誤りと証明できないが、証拠・根拠がないか非常に乏しい。
  • 誤り 全て、もしくは根幹部分に事実の誤りがある。
  • 虚偽 全て、もしくは根幹部分に事実の誤りがあり、事実でないと知りながら伝えた疑いが濃厚である。
  • 判定留保 真偽を証明することが困難。誤りの可能性が強くはないが、否定もできない。
  • 検証対象外 意見や主観的な認識・評価に関することであり、真偽を証明・解明できる事柄ではない。

更新

当初はマップが「誤り」としていましたが、「移動した痕跡を元にマップ化」とするのが「誤り」でした。表現を修正しました。


バズフィード・ジャパン ニュース記者

Contact Kensuke Seya at kensuke.seya@buzzfeed.com.

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