千葉の被災者とボランティア。「早くしてくれ」との声に応えづらい"もどかしさ"

    いま、どんな支援が求められるのか。参加したい人は事前にどう準備しておくべきなのか。

    台風15号で、いまなお被害の爪痕が残る千葉県には、全国からボランティアが集まっている。

    9月21日からの週末からは3連休となり、多くの参加者が被災地で活動することが見込まれる。

    いま、どんな支援が求められるのか。参加したい人は事前にどう準備しておくべきなのか。

    災害ボランティアの受付を始めている富津市。県内外から人員を募集しており、BuzzFeed Newsが現地入りした9月19日にも受付をしている人たちが目立った。

    中には学生の姿も。埼玉県の専門学校に通う26人は、クラスを担当する教員の呼びかけでボランティア参加を決意したという。

    1年生の八重樫優輔さん(18)は「県外からも人を募集していると知って、富津市を選びました。災害時は助け合いですから」と語った。

    いずれも警察官や消防士、自衛隊員を志す若者たち。女性も5人いた。将来も見据えて、実際に被災地で経験を積みたいとの思いもあったという。

    「困っている人をなんとか助けたいです」と話すと、受付に向かった。

    求められる「人材」

    被災地では「家屋の屋根へのブルーシート張り」を求める被災者が多いのが実態だ。

    今回の台風では、多くの家屋で風により屋根の瓦が吹き飛ばされるなどした。雨漏りしてしまうため、早急な対策を必要としているのだ。

    事実、ボランティア募集要項に「高所での作業経験がある方、作業 に必要な資機材(はしご・脚立等)を 持参できる方」「屋根・外壁の仮設養生ができる人(屋根職、鳶職、左官職等の経験者)については県内外を問わず募集」と記す自治体もある。

    ただし、作業の際には屋根に登る必要があるため、命の危険が伴う。

    東京新聞によれば、千葉県内で家屋の修理のために屋根などから転落した事故が相次ぎ、少なくとも3人が死亡、101人が重軽傷を負ったという。

    危険がある以上、先ほどの若い学生たちのように一般のボランティアに、その作業を依頼していないという。

    富津市秘書広報課の鹿嶋和博課長は「一般のボランティアの方には張らせられないです。二次災害が怖いんです」とBuzzFeed Newsに語る。

    被災者からの「早くしてくれ」との声は把握している。しかし、「ニーズがあっても、安全面を考えなくてはいけません」

    「電線を巻き込んだ倒木もたくさんあります。技術を持たない方ができないことも多い。そういったもどかしさもあります」

    一般のボランティアも必要

    こういった現状のため、自衛隊、消防、NPO、そして専門的なスキルを持つボランティアたちが、各地で作業を進めているという。

    だが、「ブルーシート張り」のニーズが高いといっても、一般のボランティアを求めていないわけではない。

    屋内の片付け、瓦や割れた窓ガラスの撤去、災害ごみの運び出しなどを求める被災者も多いのだ。

    そのため、鹿嶋課長は「県外からブルーシートを張れる方もそうですが、一般の人もたくさん来てほしいです」と話した。

    事前に知っておくべきこと

    千葉県社会福祉協議会によれば、県内のボランティア受付人数は、9月14日から19日までに計5527人(速報値)となった。

    被災した市町村内の居住者に限定して募集している自治体もあるため、それぞれの人数はまばらだ。

    この6日間で、計1336人(鋸南町)と突出して多い自治体もあれば、高所での作業経験者で屋根にブルーシートでの養生ができるボランティアのみを募集している九十九里町(計10人)のように少ないところもある。

    この週末、各自治体では多くのボランティア参加希望者が訪れることが予想される。では、ボランティアはどんな事前準備が必要か。

    内閣府は2018年の西日本豪雨の際、災害ボランティア活動支援プロジェクト会議らとともに作成した情報を発表した。以下にまとめる。

    <事前によく情報収集をすること>

    ①被災地の状況を十分に確かめる

    ②災害ボランティアセンターの開設情報を確かめる

    被災した自治体は、ボランティアの受け入れ体制を整え、「災害ボランティアセンター」を開設している。

    被災した市町村内の居住者に限定してボランティアを募っている場合がある。

    また、災害ボランティアセンターに行っても、早い時間に受付を終了したり、受付後であっても活動ができたりしないこともある。

    詳細は、全国社会福祉協議会のホームページや、災害ボランティアセンターが発信するSNSで確認できる。

    <事前準備をしっかりすること>

    ①安全管理のために装備を徹底すること

    停電の復旧により、営業を再開している現地のホームセンターなどはあるが、そこで装備品や資機材を調達するのは好ましくない。

    ヘルメットやマスク、ゴーグル、ゴム手袋、⾧ぐつなどを今住んでいる地域で買ってから出発してほしい。

    掃除をするときは、基本的に肌の露出を避けること。水害時のボランティアの作業マニュアルを示した前のイラストを参考にしたい。

    また、被災地では熱中症にも気をつける。さらに、滞在中に必要な水・食料を用意してから向かうべきだ。

    ②宿泊場所、移動手段を事前に確保すること

    自身で宿泊場所と移動手段を事前に確保しなければならない。募集要項に「日帰りができる方」と限定している自治体もある。

    そのため、各自治体のニーズを把握したうえで、県外で宿泊場所を確保することも考えてほしい。

    ③事前にボランティア活動保険に加入すること

    ボランティア活動保険は、インターネットからでも申し込めるようになった。必ず加入し、被災地では加入者証(=受付完了メール)を持参して、現地に向かってほしい。


    ※BuzzFeed Newsは9月19日、千葉県富津市、鋸南町、館山市で被災者のニーズを調査したNPO法人ジャパンプラットフォーム(JPF)に一部の行程で同行し、取材した。