立憲民主党は4月2日、今夏の参院選比例区から公認候補として立候補する予定だった弁護士の落合洋司氏(55)の公認取り消しを発表した。本人から出馬辞退の申し出があり、受理したという。
落合氏は、Twitter上で「韓国のようなごろつき、三等国家」などと発言を繰り返していた。これを目にしたユーザーから批判があがり、本人は投稿を削除し、1日に謝罪していた。
同党は「一連の投稿はヘイトスピーチであり、党として到底容認できない」とコメントした。差別的な発言をしていた神奈川県議選の公認候補予定者の公認を取り消したばかりだ。
落合氏は元東京地検検事。立憲民主党の参議院比例第19総支部長となっていた。
2017年秋の衆院選では、広島4区から無所属で立候補したが、落選した。朝日新聞によると、当時、自民党に公認を要請していたが、叶わなかった。
そして、19年2月、立憲民主党から公認を得て、7月に予定される参院選で比例区から出馬すると表明していた。
落合氏による発言の一部
Twitterの投稿を自動的に記録するサービス「Twilog」などによると、落合氏は過去に以下の発言をしていた。
「韓国のようなごろつき、三等国家の大使館が、港区の中心部にあるのは目障りだし迷惑。国交を断ち、民間交流のための連絡所を、邪魔にならないところにひっそりと儲ければ十分だろう」(2019年2月10日、現在は削除)
「国家間の約束も守れないことを棚に上げ、日本を敵視しかできない、ごろつき、三等国家韓国とは、国交断絶も視野に入れるべきだろう」(2019年2月9日)
落合氏は、これらへの批判を受け、投稿を削除し、「私の過去のツイートの発言内容で皆様にご不快な思いをさせてしまい、お詫び申し上げます。誠に申し訳ございませんでした」とTwitter上で謝罪した。
そのうえで、「私は、これまで一切の差別に反対する立場で、それは今後も変わりません」と釈明した。
「また、私のこれまでのツイッターの政治関係の過去ツイートには私自身の信条とはかけ離れた評論家的な発言もあり、他国の政治姿勢への批判が行き過ぎたものがございました」
「誤解やご不快な思いをさせてしまった不適切なツイートについては削除させていただきます。今後は、さらに慎重に発信して参ります」
7日前にも公認取り消し
同党は3月26日にも、神奈川県議選の候補者の公認を取り消している。
横浜市戸塚区選挙区で立候補を予定していた飯田強氏だ。過去にTwitterやブログなどで、在日韓国・朝鮮人や中国人などに対する差別的なコメントを発信していた。
そのわずか7日後に同様の問題から落合氏の公認も取り消したことに、同党の候補者の選定プロセスに対して疑問の声が上がっている。
党本部の見解は
党本部は4月1日午前、「事実関係を調査する」とBuzzFeed Newsの取材に答え、一夜明けた2日、公認取り消しを発表した。
枝野幸男・党代表は、自身のTwitterで「ヘイトスピーチは許されません」と投稿し、謝罪した。
「落合氏を一旦は公認していたことについて、ヘイト対象とされた方、当該投稿を見た方、党にご期待をいただいている方、すべての皆さんにお詫び申し上げます」
「ご指摘を真摯に受け止め、今後このようなことのないよう、さらに細心の注意を払ってまいります」