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下着の色を指定するブラック校則、国会で話題に 林文科相は「大変驚いている」

「児童生徒や保護者が何らかの形で参加した上で決定するのが望ましい」と明言した。

行き過ぎた校則(ルール)の見直しを求める動きが全国的に強まるなか、林芳正文科相が3月29日、校則の見直しには「児童生徒や保護者が何らかの形で参加した上で決定するのが望ましい」と明言した。

参議院の文教科学委員会で、日本共産党の吉良佳子議員の質問に答弁した。

吉良氏は質疑で、文科省が発行した生徒指導の基本書「生徒指導提要」にある項目「校則の見直し」を取り上げ、「絶えず積極的に見直さなければならない」との表記が間違っていないかどうかを尋ねた。

学校を取り巻く社会環境や児童生徒の状況は変化するため、校則の内容は、児童生徒の実情、保護者の考え方、地域の状況、社会の常識、時代の進展などを踏まえたものになっているか、絶えず積極的に見直さなければなりません。

林氏はこの項目を復唱する形で、間違っていないと確認したうえで、見直しについて次のように語った。

「最終的には校長の権限により適切に判断されるべき事柄でありますが、児童生徒が話し合う機会を設けたり、保護者の意見を徴収するなど、児童生徒や保護者が何らかの形で参加した上で決定するのが望ましいと考えています」

生徒指導提要では「望ましい」とは記されておらず、一歩踏み込んだかたちの発言となった。

「児童生徒の自尊感情の低下を招かないように」

一方で、生徒らが校則を変えてほしいと提案しても、教員に取り合ってもらえなかった事例があるとの吉良氏の指摘に対し、林氏は「校則の提案があったときに、児童生徒の自尊感情の低下を招かないようにするのは大事なことだ」と返した。

林氏は、指導にあたって体罰や不適切な言動が許されないのは当然だと強調。児童生徒の特性や発達の段階を十分に考慮せずに厳しい指導をすれば、「自尊感情の低下を招き、精神的に追い詰めかねない」と危惧した。

吉良氏は、下着の色が定められている学校の例を挙げ、「セクハラであり、パワハラであり、人権侵害だ」と訴えた。

林氏は「大変驚いている」とする一方で、「どういう理由で、どういうプロセスでしたのかわからないので、一概に申し上げるのは差し控えたい」と避け、今後の方針についてはこう語った。

「生徒指導にあたっては、生徒の持つ特徴や傾向をよく理解し、個々の児童生徒の特性や発達の段階に応じた指導を行う必要があると思っております。引き続きこの点については周知徹底して参りたいと思います」

行き過ぎた校則を巡っては、2017年秋に、生まれつき茶色い髪の毛を持つ女子生徒が裁判を起こしたのを皮切りに、注目が集まった。

その後、有志団体「“ブラック校則“をなくそう!プロジェクト」が発足。実態調査や署名活動などを続けている。

プロジェクトは、ブラック校則を「一般社会から見れば明らかにおかしい校則や生徒心得、学校独自のルールなどの総称」だと定義し、頭髪指導に関わらず、行き過ぎた内容の校則を社会全体で見直そうと訴えている。

活動の趣旨に賛同する約3万人の署名とともに林氏に提出する方針だ。

吉良氏がこの動きを取り上げ、「ブラック校則を見直すことを強く訴えたい」と述べると、林氏は、そうした動きは報道などで知っている、と答えた。

BuzzFeed JapanNews