新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、外出時にはマスクを着用することが当たり前になった。
それは、葬式や法要、法事などの葬祭においてはどうなのか。9月1日には「黒マスク着用」がネット上で話題を集め、Twitterのトレンド入りした。
葬祭では「黒色」というイメージもあるが、「黒マスク」を着用すべきなのか。BuzzFeed Newsは、大手葬儀社である2社に聞いた。

結論から言えば、「マスクであればなんでもいい」という。
首都圏や近畿圏で葬祭事業を展開する「公益社」の広報担当者は「黒マスクであるべきというのはマナーはありません。マスクであれば何でも大丈夫です」とBuzzFeed Newsに話した。
そもそも2月後半ごろには「マスクの着用が失礼に当たらないのか」という声が、喪主や参列者から寄せられていたという。
そのため、「マスクをつけていただき、ご参列いただいて構いません」などと呼びかけるポスターを制作し、会場に張り出した。この時からマスクの指定をしたことはないという。

全国展開している「家族葬のファミーユ」の広報担当者も「どんなマスクでも大丈夫です。黒色のマスクが良いという情報は、業界内で聞いたことがないです」と話す。
「むしろ黒色のマスクはカジュアルな印象を与えることもあるため、白色の方が好ましいと思います。ですが、入手できないなどそれぞれの事情もあるため、あくまで白色が好ましいということであって、柄物のマスクがNGというわけではありません」
以前は、マスクの着用に否定的な意見を持つ人もおり、参列者がマスクを着用している場合、受付での挨拶や焼香の時にマスクを外すのがマナーと考えられていたという。
ただ、コロナ禍で認識は変わり、同社ではどんな人にもマスク着用をお願いするようになった、としている。
両社の感染防止対策、スタッフが着用している色は

一方、コロナ禍となり、いずれの社も感染防止対策に力を入れている。
着席や焼香の際にはソーシャルディスタンスを保つために間隔を空けてもらったり、供養の席での食事にあたっては、例えば寿司を桶に入れるのをやめ、あらかじめ個別の皿に取り分けるなどしている。
家族葬のファミーユでは、「対面での食事を避けたい」との要望があれば、エリアによっては参列者にグルメカタログを渡し、その中からギフトを選んでもらうというサービスも提供しているという。
「本当は喪主や参列者が集まり、故人様の思い出話などをされたほうがいいと思いますが、こういうご時世で、対面で食事をされるのは難しい部分もあると思いますので、対応しています」(同社の担当者)
なお、公益社の現場スタッフは、会社が支給する白色の使い捨てマスクを着けており、家族葬のファミーユのスタッフも基本的に白色のマスクを着用して業務にあたっているという。