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理不尽な校則をなくしてほしい。6万人を超える子どもや大人の願いが文科省に託された。

6万人を超える署名が、文部科学省に提出された。

児童・生徒に身体的、精神的な苦痛を与える理不尽な校則やルールを学校からなくしてほしい。

そんな思いに共感した6万人を超える署名が8月23日、文部科学省に提出された。

ブラック校則をなくそう!プロジェクト

文部科学省への署名提出時の様子

署名と要望書を提出したのは、『ブラック校則をなくそう!プロジェクト』。2017年にNPO法人の代表ら有志が発足した。

きっかけは同年、生まれつき茶色い髪の毛を持つ女子高校生が、裁判を起こしたからだ。

彼女は教員から黒染めをするよう強要されたことで、身体的・精神的苦痛を受けて不登校になったと訴えていた。

Kensuke Seya / BuzzFeed

プロジェクトでは、髪の毛の黒染め強要以外にも不適切・不合理な校則があるという視点で活動。

実態調査、署名活動、子どもたちにふさわしい校則やルールの提案をすることを主な活動内容としてきた。

その一つの署名活動は、2017年12月からネット上で始め、19年8月22日までに6万334人分の署名を集めた。

また、4000人を対象に、校則に関する独自調査を行った。特設したサイトには300件を超える事例が集まり、記者会見などを通じて紹介し、問題を提起してきた。

要望書で何を求めたのか

Kensuke Seya / BuzzFeed

文科省に提出した署名と要望書は、柴山昌彦文科相に渡されるという。

要望書では、以下の3点を求めた。

⑴生徒の心身を傷つける「ブラック校則」をなくし、いきいきと過ごせる学校にしてほしい。

⑵「校則」と「校則に伴う指導」に関して改めて実態調査をしてほしい。

⑶「ブラック校則」についての問題を認識し、各都道府県、各教育委員会、各学校に対して、校則を改めて見直し、子どもたちの声を反映した改善を行って、適切な運用がされるように通知を出して周知徹底してほしい。

Kensuke Seya / BuzzFeed

プロジェクト発起人の渡辺由美子さん

そして、次のように提言した。

  • 学校現場における「黒染め指導」をやめること。
  • セクハラにつながる指導をやめること。
  • セクシュアルマイノリティに対する差別や偏見を強化するような校則を見直すこと。
  • 知的障害や身体障害、宗教や出身国、貧困家庭などの様々な状況や属性によって社会的な排除を受けやすい当事者がいる。そのため「差別を生む校則」をなくすこと。
  • 校則の見直しにあたって、異議申し立てや変更を求める子どもたちの要望を頭ごなしにつぶすことのないよう、周知徹底すること。
  • 校則などの違反に対する過重な指導をやめること。
  • 学校で明文化された校則以外の指導やルールについても見直すこと。


子どもたちを取り巻く実態とは

Kensuke Seya / BuzzFeed

プロジェクト発起人の須永祐慈さん

プロジェクトメンバーは、署名と要望書を提出後、文科省内で記者会見を開いた。

このプロジェクト発起人の渡辺由美子さんは、文科省の職員から「非常に重要と考えている」との言葉を受けたと報告。こう話した。

「社会情勢や子どもたちの変化に合わせて校則を変える必要がある。文科省として改善に向けて力をいれていきたいと話されていました」

Kensuke Seya / BuzzFeed

評論家の荻上チキさん

プロジェクトのスーパーバイザーで、評論家の荻上チキさんは、プロジェクトの独自調査によって「さまざまな校則が強化され、どんどん悪化していると明らかになった」としたうえで、こう活動を振り返った。

「校則や指導が厳しくなっている実態を社会に共有したい。果たしてこれで良いのだろうか、と問題提起したかった」

たとえば髪の毛の黒染め強要は、生まれ持った身体的特徴に対する差別にあたり、黒染めにかかる費用は自己負担であるがために、家庭に経済的な負担を強いることにもなるとする。

また、男性教諭によって女子生徒のスカートや下着をチェックするセクハラにあたる指導などもあると指摘した。

Mofles / Getty Images

そうした校則や指導に対しては、一部に擁護する声もある。

子どもたちが学校を卒業して社会に出た後、会社などでは理不尽なルールがある。それに耐えられるよう、今のうちに慣れておいた方が良い、といった意見だ。

これに対して、荻上さんは反論する。

「子どもたちは理不尽さに慣れる力をつけるのではなく、理不尽さを変える力をつけなくてはいけない。そして、学校がより安全な場になるよう、校則を逆に有効活用してほしいと思っています」

10max / Getty Images

荻上さんは、校則や指導が不適切・不合理に悪化している「真の原因はわからない」と言う。ただし、こう力強く述べた。

「これからが改善するのは、可能だと確信している。改善に向けて、まず先生たちの余裕を確保し、応援するのも重要です」

プロジェクトとしては、校則を全体的に見直すべきだとするが、校則そのものを全否定する考えはない。

今後は、校則問題の改善を目指し、政党などにデータを提供するなどして国会の場での議論も促したいという。

バズフィード・ジャパン ニュース記者

Contact Kensuke Seya at kensuke.seya@buzzfeed.com.

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