新海誠監督「あまりにも酷すぎる事件です」 京アニ火災に対してつづった思い

    「表現することに怯んでもいけないし、楽しんでほしいと心から思います。ただ、あまりにも酷すぎる事件です」

    7月18日午前、京都アニメーションの第1スタジオ(京都市伏見区)で発生した爆発的な火災。消防当局によると、少なくとも死者は20人に。戦後最悪レベルの放火事件となった

    発生直後から、Twitterなどではアニメーターや声優をはじめ、アニメ業界の関係者が心配の声を寄せていた。映画「君の名は。」などで知られる新海誠監督も、その一人だ。

    新海監督は午後12時過ぎ、「京都アニメーションの皆さま、どうかどうかご無事で」とツイートしていた。

    京都アニメーションの皆さま、どうかどうかご無事で。

    時間が経過するに連れて、火災による犠牲者の数は増えていった。

    京都市消防局の発表(午後7時半現在)によると、死者は20人。そのほか心肺停止の人が10名弱いるとしている。

    日本屈指のアニメ制作会社が標的となった火災は、戦後最悪レベルの放火事件となった。

    新海監督がつづった「願い」と「思い」

    僕たちは、世界がすこしでも豊かに、わずかでも良くなることを願ってアニメを作っています。僕は今は映画のプロモーション期間であり、今夜0時からこの3年間の成果をようやくご覧いただけます。表現することに怯んでもいけないし、楽しんでほしいと心から思います。ただ、あまりにも酷すぎる事件です。

    新海監督は午後8時前にツイートを更新。アニメーションを作る際に込める願いについて綴った。

    「僕たちは、世界がすこしでも豊かに、わずかでも良くなることを願ってアニメを作っています」

    新海監督にとって、7月18日は「君の名は。」以来、3年ぶりとなる新作「天気の子」の公開前日にあたる。

    「僕は今は映画のプロモーション期間であり、今夜0時からこの3年間の成果をようやくご覧いただけます」

    「表現することに怯んでもいけないし、楽しんでほしいと心から思います。ただ、あまりにも酷すぎる事件です」

    私たち観客は、アニメーションに携わる人たちが魂を削り、懸命に、精一杯に紡いだ物語に胸を打たれてきた。アニメは時に人を救い、希望、そして夢を与えてくれる。

    作り手の「願い」「思い」を込められた作品が生み出される場所。それがアニメーションスタジオであり、京都アニメーションもその一つだ。

    アニメーションを愛する全ての人たちにとって、かけがえのない場所。そこを脅かされた怒りが、新海監督のツイートから伝わってくる。