6月から続く香港の民主派市民のデモに対して、中国政府が圧力を強めている。
中国本土への容疑者引き渡しを可能にする「逃亡犯条例」に反対する民主派団体は、この週末にデモを計画。17日に続き、18日にも大規模なデモ行進を呼びかけている。
香港警察は18日のデモ行進を認めておらず、デモ隊と警察が衝突する可能性が懸念されている。
2014年、民主派の大規模デモ「雨傘運動」で中心的役割を担った黄之鋒(ジョシュア・ウォン)氏は、香港政府への反対の意思を示してほしいと綴るとともに、「明日、ビクトリアパークで会おう」とデモへの参加を呼びかけた。
香港政府は、事態収拾のために有効な手段を講じることができていない。林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官の指導力低下は明らかだ。
デモ参加者たちは、治安部隊による催涙ガス弾の発射や、警棒で参加者を鎮圧する様子をSNSで世界に発信。
香港当局側はデモ隊を「暴力」的だとしているが、市民側は暴力的な手段を講じているのは、当の香港政府だという認識を強めている。
一方、香港に隣接する中国広東省・深圳(しんせん)には、中国軍隷下の暴動鎮圧部隊「人民武装警察(武警)」が集結。デモを牽制する狙いがあると見られている。
中国共産党の機関紙「人民日報」の公式Twitterは、香港のデモに批判的な投稿を続けている。
同アカウントは17日夜、香港市民が香港旗と中国国旗を眺めつつ、国歌(義勇軍行進曲)を歌う宣伝映像を投稿。
映像には、映画俳優で親中派の姿勢を示すジャッキー・チェン氏も登場している。
一方、デモを支持する人々は、人民日報にリプライとして「義勇軍行進曲」の最初の一節「起来!不愿做奴隶的人们!(立て!奴隷になることを望まぬ人々よ!)」を投稿。中国当局を皮肉る意味を込めているようだ。
香港をめぐる緊張はなおも続いている。