野球の「ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)」は3月22日、米マイアミで決勝戦が行われ、日本代表「侍ジャパン」がアメリカ代表を3-2で破った。
侍ジャパンの優勝は、2009年以来で14年ぶり。
そして、この試合の前、円陣を組んだチームに「声出し」として言葉をかけ、「さあ行こう!」と叫んで奮い立たせたのは、大谷翔平選手だった。
大谷は、決戦に臨む侍ジャパンにどんな言葉を投げかけたのか。

決勝戦で先制したのは、アメリカだった。
2回表、好調のターナーが今大会5本目となるソロホームランを放った。
このまま流れはアメリカに行きそうになったが、侍ジャパンはその裏の攻撃で逆転した。
徐々に調子を上げてきた村上宗隆選手が同点のソロ本塁打を放ち同点。さらに岡本和真選手らの単打などで勝ち越し。4回に岡本選手のソロ本塁打で突き放した。
アメリカは8回にシュワーバー選手のソロホームランで追い上げたが、後続を断ち切ったのは9回にマウンドに上がった大谷翔平選手だった。
先頭打者に四球を出したが、アメリカの切り込み隊長・ベッツ選手を併殺打に打ち取り、エンゼルスのチームメイトでもあるトラウト選手と向き合った。
トラウト選手を打ち取れば世界一となる対戦に、球場内の歓声はさらに大きくなった。フルカウントまでもつれたが、最後はスライダーで三振を奪った。
2023 WORLD BASEBALL CLASSIC™ 決勝・アメリカ戦の円陣声出しは #大谷翔平 選手! ▼侍ジャパン試合速報 https://t.co/PnCFO1PH8P #侍ジャパン #WorldBaseballClassic
2009年以来、14年ぶりの優勝を果たした侍ジャパン。
試合の直前、円陣を組んだ選手らに声をかけて奮い立たせたのは、大谷選手だった。大谷選手は、こう語った。
「僕からは1個だけ。憧れるのをやめましょう。ファーストにゴールドシュミットがいたりとか、センター見たらマイク・トラウトがいるし、外野にムーキー・ベッツがいたりとか、野球やっていたら誰しもが聞いたことあるような選手たちがいると思うんですけど」
「今日1日だけは、やっぱり憧れてしまったらね、超えられないんで。僕らは今日超えるために、トップになるために来たんで、今日1日だけは、彼らへの憧れを捨てて、勝つことだけを考えていきましょう。さあいこう!」
侍ジャパンには、大谷選手やダルビッシュ選手のように、メジャーリーグでプレーを続け、アメリカ代表の選手を同僚や友人、ライバルとして肌で知る選手と、「いつかはメジャーへ」という思いを胸に日本でプレーを続ける選手がいる。
敵に「憧れて」はいけない。今日は憧れを捨てよう。超えよう。そして勝とう。
メジャーでも投打二刀流で前代未聞の活躍を続ける大谷選手だからこそ、強烈な説得力を持つ言葉だった。
この様子は侍ジャパン公式がTwitterで発信。午後1時現在、3.9万リツイート、16.5万いいねと大きく拡散している。
リプライ欄には、「本当に頼もしい」や「メッセージの威力すごい」といった歓声のほか、「みんなが憧れるのはあなたです」という声もあった。