乳幼児が一番多い、電車にまつわる事故。何か、ご存じですか?
0〜5歳の乳幼児が列車のドアにはさまれたり、戸袋に引き込まれたりする事故が起きています。
東京消防庁のまとめによると、2017年からの5年間で、救急搬送者の4割を乳幼児が占めました。
関係機関が注意を呼びかけています。
乳幼児は成人と比べ……

戸袋とは、開いたドアを収納する場所。東京消防庁によると、2017年〜21年の5年間では、287人がドアや戸袋にはさまれてけがをし、救急搬送されました。
そのうち、105人を0〜5歳の乳幼児が占めており、最多に。次に多かった40歳代の26人の約4倍となりました。
105人の内訳は、2歳が30人と最も多く、1歳が22人、5歳が17人、3歳が16人、4歳が15人、0歳が5人と続きました。
さらに、乳幼児と子どもは成人と比べ、車両ドアより戸袋にはさまれるケースが多いことも判明。
戸袋にはさまれたのは、乳幼児では105人のうち99人。6〜12歳も救急搬送された24人のうち22人となりました。
一方、20〜80歳代では車両ドアによる事故が戸袋より多く、40歳代は26人のうち20人が車両ドアでけがをしていました。
抱っこでも、ベビーカーでも

東京消防庁や国民生活センターによると、乳幼児と子どもは次のような事故が発生しています。
親に抱かれて乗車中、ドアが開いた際に戸袋に手をはさまれた。(2歳)
親と一緒に電車のドア付近に乗車していたところ、ドアが開いた際に、腕が戸袋に巻き込まれ、けがをした。(5歳)
電車のドアが開いた際に、戸袋に腕を引き込まれた。(6歳)
電車のドアが開いた際に、ベビーカーに乗っていた子どもの足が戸袋に引き込まれてけがをした。(2歳)
事故発生の時間帯は

もちろん、乳幼児や子どもだけでなく、成人も注意が必要です。
駆け込み乗車をした際、ドアに足をはさまれてけがをし、歩行困難になった。(60歳代)
ドアの戸袋に足がはさまり、勢いで顔面をドアにぶつけた(50歳代)
なお、全年代では救急搬送された287人のうち、169人(58.9%)が戸袋にはさまれていました。車両ドアは118人(41.1%)でした。
けがの程度は、262人(91.3%)が軽症でしたが、入院を要する中等症も25人(8.7%)いました。
負傷した部位は「手指」が半分以上を占め、「腕、肩」、「足」、「頭、顔、首」なども多くなっています。
事故が発生する時間帯は、「午後4〜7時」が93人と最も多く、次が「午前8〜11時」の87人。通勤時間や帰宅時間に多く発生しているようです。
気をつけたい3つのポイント
【電車のドア、戸袋へのはさまれに注意】 こんな事故が起きています→親に抱かれて電車に乗車中、ドアが開いた際に戸袋に手をはさまれた(2歳) ドアが開く際には手足がドアに触れないようにしましょう! 詳しくは→https://t.co/toSEbYPZPT #東京消防庁 #電車 #こどもスマイルムーブメント
東京消防庁もTwitterで注意を呼びかけている。
関係機関は主に3つの点について注意を呼びかけています。
- 電車のドアが開く際が要注意。子どもの手や腕がドアに触れないようにする。
- 抱っこやベビーカーに乗せている際も事故が発生。ドア付近に立たない。
- ドア付近に立たないように子どもにも教える。
このほかにも、乳幼児や子どもと電車に乗車する際は、駅構内のホームやエスカレーター、階段など様々な場所に危険が潜んでいます。
一方、無事に乗車しても赤ちゃんが泣かないように気を配るなど保護者のやることはたくさん。疲れで注意散漫になることもあると思います。
乗り降り時など、保護者が焦らないように周囲の人も気を配りたいですね。