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10年で「67人」が死亡した火災。これからの時期、寝る時に「絶対にやってはいけない」こと

寒い時期になり、火災の予防が一層求められます。東京消防庁は「小さな焦げ跡でも119番通報してほしい」と呼びかけています。

空気の乾燥で火災が増えるシーズンになった。

東京消防庁の管内では特に、電気ストーブや配線などの「電気設備」から出火した火災の割合が増えており、昨年は約1400件と過去10年で最多になった。

同庁は「小さな焦げ跡でも確認したら必ず119番通報してほしい。大きな火災になっていた可能性がある」としている。

人命にかかわる大きな火災に

【あなたのそばにある電気火災の危険】 小さなこげ跡を見つけたら必ず119番通報してください! ほこりの溜まった電源プラグや断線したコードなどは #電気火災 の危険があります。 詳細編では電気火災について解説しています。ぜひこちらもご覧ください。 https://t.co/dNBmBtkVIU #東京消防庁 #白石聖

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東京消防庁のツイッター

同庁の「火災の実態」によると、電気ストーブや配線など「電気設備機器」から出火した火災は昨年、1399件(前年比236件増)に上った。

火災自体は減少しているが、電気設備機器の火災は増加傾向にあり、昨年は全火災(3939件)の35%を占めた。

大半はぼやだが、全焼16件、半焼31件と大きな火災となったケースもあり、死者も18人(前年比4人増)出ている。

電気設備機器のなかでも特に注意が必要なのは、これから使用が増える「電気ストーブ」だ。

電気ストーブによる火災は過去10年間(2012〜21年)で897件発生。死者67人、負傷者379人を出しており、「人命にかかわる大きな火災」となっている。

では、電気ストーブがなぜ火災の原因となるのか。

897件のうち552件(61.5%)が「可燃物が接触する」だった。

内訳は、「布団・座布団・毛布・敷布・枕」が369件と最も多い。

ストーブの近くで就寝中に寝返りしたり、周辺に衣類を置いたりしたことなどで着火するケースが目立っている。

3月に起きた火災では、居住者が就寝時に布団の近くで電気ストーブを使用していたため、放射熱で布団から出火したという。

布団から炎が上がり、居住者は水をかけて初期消化したが、建物のぼや火災となった。

同庁は次のように注意を呼びかけている。

  1. 周囲に燃えやすいものを置かない
  2. 外出時や就寝時は必ず電気を切る
  3. ストーブ上で洗濯物を干さない
  4. 使わない時は電気プラグをコンセントからを抜く
  5. 電気プラグやコードが傷んでいたら使わない


配線にも注意

次は配線器具類の火災だ。

昨年は451件(前年比74件増)発生しており、近年では初めて400件を超えた。

過去10年(2012〜21年)では計3486件発生。死者は66人だ。

特に、コードが家具の下敷きになって損傷し、短絡(ショート)したことで出火する「電線が短絡する」が1165件(33.4%)と最も多い。

そのほか、コンセント接続部の緩みで発火する「金属の接続部が加熱する」(1085件)、ほこりがコンセントとプラグの間にたまり、そこに湿気が加わることで発火する「トラッキング」(569件)などがある。

コードが冷蔵庫に踏みつけられ

7月には電線が短絡したことによる死亡火災も発生している。

火災は午後7時頃に共同住宅の8階居室で発生。冷蔵庫の電気コードが冷蔵庫自体に踏みつけられており、コードの絶縁が劣化・短絡して出火したという。

配線器具類から出火に対する対策は以下の8つだ。

  1. 差込みプラグを抜くときはコード部分を持って引っ張らない
  2. 差込みプラグはコンセントと緩みがないか確認する
  3. コードが家具などの下敷きになったり、壁に押しつけられたりしていないか注意
    する。
  4. コードは束ねたり、ねじれたたりしたままの状態で使用しない
  5. コードが加熱されるような場所での使用は避ける。
  6. コードをホチキスなどでとめない
  7. 記載された電力量を守って使用する
  8. コード同士を直接繋げて使用しない


東京消防庁は「小さな焦げ跡でも迷わずに119番して欲しい」と呼びかけている。