人気アウトドアメーカー「モンベル」「ロゴスコーポレーション」(いずれも大阪市)2社の公式通販サイトを模した偽サイトに消費者庁が注意を呼びかけている。
商品やロゴ画像を盗用しており、公式サイトと見間違える可能性があるが、代金を支払っても商品は届かず、キャンセルもできないという。
モンベル、ロゴスの両社も公式サイト上で、偽サイトへの注意を呼びかけている。
筆者(相本)もネット上でロゴスコーポレーションの偽サイトを確認。被害に遭わないための6ポイントをまとめた。
最大9割引?
消費者庁によると、InstagramやFacebookなどのSNSやネット上に2社の安売り広告が出ており、それにアクセスすると偽サイトに誘導される。
偽サイトには「割引前」と「割引後」の価格が併記されており、最大9割引きで商品が購入できるかのように表示されている。
その商品を購入しようとすると、クレジットカード番号の入力を求められるが、決済後も商品は届かず、キャンセルできなくなる。
会社概要欄ページもあるが、無関係や架空の会社名、住所などが記載されている。
21万円のテントが1万1900円に
筆者が実際にネット上を検索したところ、ロゴスコーポレーションを装った偽通販サイトを発見した。
価格が不自然に割引されており、9万9000円と書かれたテントが1万1800円、21万円のものが1万1900円などとなっていた。
しかし、同社の公式サイトと比較すると、所々作りが違うことがわかる。
例えば、偽サイトで21万円から1万1900円に割引されていたテント。これは公式サイトでも21万円で販売されており、商品名と商品画像も一緒だった。
だが、このテントはそもそも割引対象ではないほか、公式サイトに「製品番号」と記載されている部分が「商品番号」となっていたり、「ショッピングガイド」が記載されていなかったりした。
また、偽サイトの会社概要ページもでたらめだった。
会社名として記載されていた「LOGOSフレスコ」を登記情報提供サービスで検索したところ、「会社・法人等の記録はありません」と表示された。
会社名は架空のもので、住所もロゴスコーポレーションと関係がない別会社の所在地となっていた。
URLも公式の「logos.ne.jp」とは違うもので、消費者庁もこの偽サイトについて把握しているという。
注意したい6ポイント
消費者庁によると、昨年10月以降、全国の消費生活センターには「購入した商品が届かない」や「偽サイトで商品を注文してしまった」といった相談が243件寄せられている。
確認できた被害は36件約45万円。偽サイトは20件確認され、そのうち数件は今も稼働した状態になっている。
被害に遭わないためには次の点への注意が必要という。
- 公式サイトのURLか確認する
- サイトの会社概要欄に記載された会社名や住所、電話番号を確認する
- 「SNSに表示されている広告だから」と安易に信用しない
- 「期間限定セール」などとうたって販売価格が極端に安い場合
- 支払い方法が個人名義の銀行口座への振り込みとなっている
- 他の決済方法があるかのように表示しておきながらクレジットカード決済しか選択できない
同庁が偽サイトのIPアドレスを追ったところ、アメリカまでたどることができたが、それ以降は分からなかった。
担当者は「クレジットカードの番号だけでなく、名前や住所を入力すると個人情報の流出につながる。もし騙されてしまった場合は、すぐにクレジットカード会社に連絡し、被害を最小限にしてほしい」と話した。
被害に遭った場合の相談先は、消費者ホットライン「188」(いやや!)や、警察相談専用電話「#9110」など。
偽サイトに関しては、「モンベル」「ロゴスコーポレーション」も公式サイトで注意を呼びかけている。