空気を入れすぎたベビーカーのタイヤが破裂したーー。
そんな事故報告が製品評価技術基盤機構(NITE)に寄せられています。
タイヤの破片は猛烈なスピードで飛び散るため、乗っている乳幼児だけでなく、通行人にけがをさせてしまう可能性があるといいます。
夏休みでお出かけする機会が増えるこのシーズン。
NITEの実験動画でわかった危険性や、ベビーカーや抱っこひこもを適切に使用するためのポイントをまとめました。
破裂を防ぐために

NITEに寄せられた事故報告は、「今年4月にベビーカーのタイヤが破裂して子どもが軽傷を負った」というものです。
なぜ破裂したのでしょうか。
答えは、「指定された空気圧を超えた空気を入れてしまった」ことにあります。
タイヤは、適正空気圧が指定されています。
空気圧計がついている空気入れを使用することが推奨されていますが、空気圧計がない場合は「手で押してタイヤが少しへこむ程度まで空気を入れる」を意識する必要があります。
そのために、少しずつ空気を入れることが求められます。
通行人に当たると失明の恐れも
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製品評価技術基盤機構(NITE)のYouTubeから
一方、ベビーカーのタイヤが破裂すると、破片が広範囲に飛び散り、通行人に当たってしまう危険性があります。
NITEの実験動画では、空気を入れすぎたタイヤが突然破裂し、大きな衝撃音とともに破片が猛スピードで飛び散っている様子が確認できました。
飛び散った破片の飛距離は23.3メートル。
NITEの担当者は「もし破片が目に当たってしまうと、子どもや通行人が失明してしまう恐れがあります」と注意を呼びかけています。
NITEが注意呼びかけ

ベビーカーを巡っては、ほかに次のような事故報告がNITEに寄せられています。
(新潟県、0歳7ヶ月、重傷)
ストッパーのロックをかけずに階段上に停止させていたところ、ベビーカーが階段から落ちた。
(徳島県、1歳、重傷)
子どもがベビーカーの折りたたみ部に手をかけていることに気づかず、ベビーカーを開いて子どもの指を挟んでしまった。
NITEはベビーカーの使用方法について、次のような注意を呼びかけています。
「タイヤに空気を入れすぎないことや、不安定な場所にベビーカーを置かないこと、停止時はストッパーをかけるなどが大切です。保護者は取扱説明書をよく読み、誤った使用方法による危険性を認識しましょう」
サムネイル:製品評価技術基盤機構(NITE)