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CG・合成一切なし。無重力ミュージックビデオの裏側を本人に聞いたよ!

「今回のMVは10年近く温めつづけてきたアイディアなんだよね」


こちらのミュージックビデオ、ワイヤーや合成は一切無し。

YouTubeでこの動画を見る

OKGoVEVO / Via Facebook: video.php

2007年には「Here It Goes Again」でグラミー賞「最優秀短編ミュージック・ビデオ賞」を受賞するなど、毎回、奇想天外なMVで驚かせてくれることで有名なアメリカのロックバンドOK Go(オーケー・ゴー)。2014年には日本でドローンを使って撮影されたマスゲーム風のMVを公開し、YouTubeにアップロードされてからわずか2週間で1200万回再生されるなど、話題になりました。

今回、そんなOK Goがガガーリン宇宙飛行士訓練センターの協力のもと、無重力空間で撮影したのがこの「Upside Down & Inside Out」。FAQページによると、無重力と重力が交互にやってくる撮影はやはり過酷だったらしく、合計58回もスタッフが吐いたとのこと。


無重力、ガガーリン(って誰だっけ)……ロマンや! 取材したい!!

問い合わせ先がわからなかったので、Facebookの公式ページにあるメディア向けの問い合わせ窓口にメールしてみました。

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なんと、1時間も経たないうちにメディア対応の担当者から返事が!

質問を送ったら、OK Goのボーカルのダミアンさん(MVの中では青い服を着ています)が答えてくれるというので、興奮しながら色々と聞いてみました。

「僕たちは日本のファンが大好きなんだ。日本は第二の故郷だよ。またすぐに戻りたいね!」

日本のファンへの配慮も欠かさないダミアンさん。できる男とはこのこと。以下が、質問と答えです。

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ーーこのアイディアはどのようにして思いついたんですか?

「数年前、民間の企業が宇宙に進出しはじめたんだ。ヴァージン・ギャラクティックとか、スペースXとか」

ヴァージン・ギャラクティックは、宇宙旅行ビジネスをしている会社。そして、スペースXは、イーロン・マスクによって設立された宇宙輸送をしている会社です。

「それで、急に宇宙が身近に感じられるようになったんだよね。そのとき、もうすぐ宇宙で誰かがアート作品を制作するんじゃないかって思ったんだ。すごい興奮したよ。それから宇宙飛行士訓練やパラボリックフライト(放物線飛行)について調べはじめたんだ。だから、今回のMVは10年近く温めつづけてきたアイディアなんだよね」

こうして、10年の構想を経てようやく完成したのがこのMV。やっぱりロマンや。

ダミアンさんが送ってくれた資料によると、今回の撮影で合計21回も飛行したとのこと。しかも、1回の飛行で重力・無重力を8回繰り返すというハードっぷり。

ちなみに、このシーンと、

このシーンでは、

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2倍の重力を感じていたんだそう。よくわかんないけど、2倍はやばい。

また、チェーンや、

ペイントバルーンなど、

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ビデオの中にはさまざまな道具が登場しますが、このアイディアにたどり着くまでにはかなりの試行錯誤があったようです。

ーー他にも何か試したアイディアがあったのですか?

「たくさんあったよ。ほとんど上手くいかなかったけどね。無重力空間が不規則すぎたんだ」

「例えば、歯磨き粉でワイヤーフレームの立体物をつくったり、トランプや本、雑誌などで何か形をつくろうと試してみたよ。でも、テスト飛行で学んだのは、一回一回の飛行がまったく異なるということ。毎回、機体が前後・左右・上下に動いてしまうんだ。しかも、機体が動くたびに僕たちはその逆の方向に動いているような錯覚に陥る。宙に浮いてるからね。例えば機体が上昇すると、床が迫ってくるから僕たちは下に向かっているような感覚になるんだ」

「それで落ち着いたのがチェーンで円をつくるというアイディアさ」

「あとは、いろいろな液体も試してみたね。本編ではまったく使われなかったけど。液体の種類によって、何か違いがあるかもしれないって思ったんだ。例えば、缶ジュースやスープは、水とは違う『感覚』を喚起するんじゃないか? とかね」

「咳止めシロップみたいなどろどろした液体と、マウスウォッシュみたいなさらさらした液体を比較したりもしたな。他に、麺類や豆も試してみたよ。それから、液体を空中に放つ方法もいろいろ試してみたんだ。メンバーみんなで化粧品店まで行って、それぞれが使いたいアイテムを買ってね。買ったのは、スプレーボトルに、ジェルポンプ、それからチューブとエアゾール缶」

↓エアゾール缶

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「卵を割ってみたり、スプレーチーズも試したよ。スプレーチーズって日本にもあるのかどうかわからないけど。アメリカの気持ち悪い製品だよ」

↓スプレーチーズ

「でも、最終的にはシンプルなペイントバルーンがベストだって結論に至ったんだ!」

それで、出来上がったのが最後のこのシーン。

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こんなにシンプルなアイディアの裏にも度重なる試行錯誤があったんですね……。その本気ぶりに胸が熱くなります。

先述した資料によると、MVは1ヶ月かけて計画され、実際の撮影には3週間かかったんだそう。1週目でいろいろなアイディアを試し、2週目で気に入ったアイディアを構成に落とし込み、3週目で最終盤を撮影したんだとか。

また、撮影は一発でしたが、飛行中に重力・無重力が繰り返されるため、重力がかかっている部分の映像はカットしているらしいです(ちなみに重力が戻る瞬間は0:46、1:06、1:27、1:48、2:09、2:30、2:50で確認することができます)。それでも、重力がかかっている間のポーズを、次の無重力のタイミングまでなんと5分間も維持しなければならなかったため、撮影は相当キツかったとのこと。

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さらに詳しく制作過程を知りたいという方には、メイキング動画も公開されてますよ! また、最終日の様子はこちらから見ることができます。

いつも、斬新なアイディアのMVで楽しませてくれるOK Go。次の作品も楽しみですね!


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「日本のみなさんには、いつも感謝しています!」 by ダミアンさん(写真左から2番目)

訂正

初出時は「人類初、無重力ミュージックビデオ」としていましたが、過去にm-floが無重力状態で撮影したMVを公開(JAXAプレスリリースの記述)していたため、見出しを訂正しました。

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