八村塁が山里・徳井と語る「テラスハウス愛」

「ハワイ編は5回見てます」

    八村塁が山里・徳井と語る「テラスハウス愛」

    「ハワイ編は5回見てます」

    「台本は一切ございません」

    そんなナレーションからはじまる『テラスハウス』は、男女6人がひとつ屋根の下で生活する様子を記録したリアリティ番組だ。2012年にはじまって以来、若者を中心に人気を博してきた。

    Netflixで配信されてからは、米TIME誌の「2018年ベスト番組10」に選出されるなど、世界中でも大旋風を巻き起こしている。

    著名人にも「テラハ」ファンを公言している人は多く、2019年のNBAドラフト一巡目で指名を受けたバスケットボールの八村塁選手もその一人だ。

    世界中をひきつけるテラスハウスの魅力とは?ーー 今回、番組のスペシャルゲストとして呼ばれた八村選手がMCの山里亮太・徳井義実と共に「テラハ愛」を語ってくれた。


    「他のテレビ出演を全部やめてテラスハウスに出ることにしました」

    ーー今回どういう経緯で番組に出演されることになったのでしょうか。

    八村:いやもう、昔からずっとテラスハウスのファンで。

    山里:やっててよかったなあ。

    八村:特にお二人(山里・徳井)のズバリ言ってくれるところが好きで。いつも副音声で見てました。

    山里:あーそっちの闇属性の楽しみ方なんですね。「素敵な恋がしたい!」とかじゃないんですね。

    八村:そうそう。それで、僕の代理人に大学が終わってからずっとテラスハウスに出たいと言っていて。他のテレビ出演を全部やめてテラスハウスに出ることにしました。

    徳井:えーまじで!

    山里:「え、その番組も出ないの?」っていう名だたる番組を断ってここだけっていう。代理人も相当困ったでしょうね。

    徳井:ほんま、代理人さんからしたら「テラハなんやねん!」って。

    山里:「テラスハウス応募しようかな」みたいなこともつぶやいてましたもんね。

    次のテラスハウス応募しようかなぁ🤔😂 @TH6TV

    八村:それは、そんなに本気じゃなかったんですけど。

    山里:よかった、本気じゃなくて。

    徳井:レベルがちゃうから、もう。

    八村:どっちかというとスタジオの方に出たいなと思っていて。

    山里:ああよかったー! 試合会場の客席に聖南(※)がいたりしたら見てらんないもん。試合終わったときに、彼女面して「塁ー」なんて言ってさ。とりあえず、大きな声で「今、トラベリングじゃない?」とか言ってさ。しかも、サングラスつけて見てるんですよ。

    徳井:ルールもわからんのに。

    八村:ははは。やばいですね。

    山里:でも、冗談とはいえ、そう言ってくれるくらい愛してくれてびっくり。

    「僕、共同生活があんまり好きじゃないんですよ」

    ーーもし、本当にテラスハウスに住むことがあったらどんなことをしてみたいですか?

    八村:でも、僕忙しいんでね。夜、家に帰ってくるくらいですよね。朝「おはよー」って。なので、本当におもしろくないと思いますよ。

    山里:あの黒板(※)にずーっと「練習行ってきます」って。

    八村:はははははは。

    山里:「また練習行ってるよ」って。で、家帰ったら、酔っ払ったなんも仕事してねえやつがいてさ。ストレスしかたまんないよね?

    八村:そう。それに、僕、共同生活があんまり好きじゃないんですよ。

    徳井・山里:はははははは。

    八村:一人の時間が好きなんですよ。

    山里:よく応募しようと思ったね、一瞬。

    徳井:ほんまやな。チームスポーツやってるのに。ま、でも、八村くん入ったら試合を見るっていうくだりが見れるよね。

    八村:あー。

    山里:たしかに、それはうれしいけどなあ。でも、ほんとにさ、栄養価ゼロみたいな飯とか食わせることになるからね。

    八村:なんでしたっけ、流佳(るか)くん(※)でしたっけ? ひひひひひひ。

    山里:流佳の地獄飯食うことになるからね。試合に響くわ、そんなもんは。衝撃のカルボナーラの事件(※)があるんですよ。

    八村:あれはちょっと、とんでもないですよね。ひひひひひひ。

    「前田さん(前田健太)には僕がすすめました」

    ーー八村さんは、周りの人にもテラスハウスをすすめているそうですが。

    八村:それこそ、前田さん(前田健太)(※)いるじゃないですか。僕がすすめたんです。この前、(番組に)こられたじゃないですか。そのとき、オフの日で、朝に見てたんですよ。そしたら、スペシャルゲストで前田さんがいて。「あーっ」て思ったんです。そしたら、なんか、「僕、テラスハウスが好きで前から見てます」みたいなこと言ってたんで、すぐ電話して(笑)。

    山里:ちょっとマエケンさんがね、パイオニア感だしちゃったのよ(笑)。

    八村:そうですよね。僕が教えた感じでもなかったですよね。別に僕じゃなくていいんですけど、誰かから教えてもらった感じじゃなかったんで。そういう感じを出してもらえれば、僕もなんも言わなかったんですけど。

    徳井・山里:ははははは。

    八村:本当になんか自分で見つけたって感じだったんで。

    山里:そうそう。

    八村:そこは、言わなきゃと思って。

    「ハワイ編は5回見てます」

    ーーそもそもテラスハウスを見始めたきっかけはなんでしょうか。

    八村:高校のとき、バスケ部のチームメイトとかがけっこう見ていたんです。すごいテラスハウスが盛り上がってるときだったから、僕もちょっと見てたんですけど、そのときはあんまりで。で、ゴンザガ大学に入ってすぐのころに、同じ大学に通う日本人の女の子に出会って。その子がすごいテラスハウス好きで、僕にいつもすすめてきたんですけど「そんな時間ない」って断ってました。でも、ちょっとしつこかったんで。それで、一回見るっていって見たらもうハマっちゃって。

    山里:その子においしい羊羹を贈りたいですね。がんばった。ようすすめたわ。

    八村:本当、感謝ですね。

    山里:うれしいけど、練習時間を削ってしまってるんじゃないかっていう心配があるね。

    八村:いやいや、そこは大丈夫です。ちゃんと夜見てるんで。あと、オフの日に。

    山里:けっこうまとめて見るときあるの?

    八村:ありますね。オフの日はずっとテラスハウスだけとか。自慢でもないですけど、もうハワイ編は5回見てますし。

    徳井:えーまじで!?

    八村:以前の東京編3回と、軽井沢は2回ですね(笑)。

    徳井:すごー。

    八村:副音声で見たり、普通ので見たりって交互にしてやってるんです。

    山里:これがね、ほんっとに好きな人の楽しみ方なの。

    八村:もう、ほんと。最高です。

    山里:シュートの精度落ちてない!?

    八村:ははは。いや、上がってます上がってます。

    ーー2回目ともなると、もう話はわかっていますよね?

    八村:副音声だと、ちょっと音が聞こえにくいじゃないですか。だから、最初ちょっとストーリーがわかってから、副音声にしてます。

    徳井:それこそ、やらせじゃなくて筋書きを書いていないというか。ドラマや映画やと見せたいポイントって決まってるじゃないですか。でも、あれ(テラスハウス)はほんと普通の生活やから。彼ら普通に動いているだけやから、わりと何回見ても見るポイントがいっぱいあるというか。「ああ、このとき、実は、こいつこんな表情してたんや」とか。

    山里:いい顔撮ってるとき、あるんですよ。ほんとに。

    やらせでは醸し出せない生々しさ

    ーー「やらせじゃない」とおっしゃっていましたが、「結局やらせじゃないの?」という意見も多いですよね。

    徳井:そうか。これをもって毛嫌いする人もいるでしょうね。

    八村:正直言って、僕はそれが最初テラスハウスに興味をもてなかった理由の一つでした。噂とかいろいろあったじゃないですか。それで「そんなんだったら見ない」って感じだったんですけど。でも、見たら、ああこれ(やらせとは)違うでしょって。

    山里:やらせだとしたらあんなこと言わせねえよっていうセリフばっかり。「私を巷の女と一緒と思わないでね」なんていうセリフとか。そんな脚本書いたやつは才能なくてすぐクビですよ。本当にあの子たちってそうなんですよね。

    徳井:そう、ほんまに。多分、あんな芝居やれっつってもできないしねぇ。

    山里:できない。(出演者の中には)役者を目指してるやつとかもいるんですけど、逆に芝居のシーンを見たらめちゃめちゃ下手くそっていう。こんなやつらがテラスハウスの中だけあんなナチュラルな芝居できるかっていうとできないですよ。下手くそでしょうがないんだから。

    徳井:それは多分見てもらったらわかると思う。あと、芸能やってる子もいるけど、ほんまに素人の子もいるし。このご時勢、その子らにやらせをさせたら、すぐバレます。

    山里:そう、SNSとかで。あと、TVの見栄え上は初々しいカップル風に見せて、TVに映ってないところで実はイチャイチャしてたやつらがいたんですよ。それをバラす回があったんです。それを見たときに「あーガチだ」って。絶対見せちゃいけないシーンだったんですよ。それを見せることをもうなんのためらいもなくやってるんで。

    ーーそういうところを見ていただけたら、と。

    山里:そうそう。人間の嫌な部分。いやらしいところを見せてもらってるから。

    リアリティショーの皮を被った「人間ドラマ」

    ーー『テラスハウス』の見所は恋愛だけじゃないんですね。「恋愛の話ばっかりで興味がもてない」みたいな人もいると思うんですけど。

    徳井:まぁ、でも、思うやろね。それはね。

    山里:人間がどうやって揉めていくかとか、そういうのを包み隠さず出してるんで、人間関係のどろっとしたところも楽しく見られると思いますけどね。

    徳井:なんなら、恋愛よりそっちの方が多いですよね。人間のあさましさとか、小狡さとか、なんかスベってる感じとか。『ウォーキング・デッド』もあれゾンビものかと思いきや人間ドラマじゃないですか。

    ーーたしかに。

    徳井:それです。

    山里:恋愛リアリティショーかと思いきや人間ドラマ。人がどうやって関係がこじれていくのかっていうのがすごいわかる。昔、徳井さんがおっしゃってたのが、ぴったりで。カバンの中にイヤホンを入れておくといつの間にかごっちゃごっちゃに絡まってるときあるじゃないですか。そのカバンをすべて透明にしてる状態で、絡まっていく様子が見えるっていう。

    八村:おー。

    徳井:本当、それね。

    山里:「このすれ違い方で人って嫌いになっていくんだ」って。で、「これ、めちゃくちゃ揉めるぞ」って見ていたときに、本当に揉めたときの気持ちよさが半端ない。「ざまぁみろ!」っつって。

    ーー八村さんはどう思います?

    八村:そうっすね。アメリカの話ばっかになるんですけど、リアリティショーとか、あっちだと、だいたい恋ばっかりじゃないですか。こっちだとなんか夢に向かってる人とか、そういうのもあるんで、恋愛ばっかりではないと思います。

    ーー八村さん的にはそういう夢に向かっている人に注目して見ているということですか?

    八村:僕はそうじゃなくて、どっちかというと、お二人(山里・徳井)の見方に近いというか……(笑)。

    山里:俺、八村選手に悪いメガネをかけさせてしまったんじゃないかと(笑)。申し訳ない……。

    テラスハウスは「反面教師の広辞苑」

    ーー「他人の生活を見るだけ時間の無駄」という声もあります。

    徳井:まあ基本的には、無駄やなって思う人は見なくてもいいんじゃないかなと思いますけど(笑)。

    山里:そう。

    徳井:でも、得るものはたまにあんのよ。さっきも言うてたけど「あの一言、あれが分岐点やったな」とかいうのがちょっと見えて。普通やったら見えへんけども、テラスハウスってガラス張りの生活をさせてるからこそ、見えてくるところもあったり。不倫のはじまり方がわかったりとか。

    山里:そうそう。「こうやって不倫がはじまるんだなー」っていうシーンありましたね。

    徳井:そう。揉めてる二人の両方の視点で見ることもできるから、人間関係の勉強になるかなあ。

    山里:俺は反面教師の広辞苑だと思ってるんです。「これやったらダメだな。人として終わってんな」っつって。

    ーーそれが効率よく見れるということですね。

    山里:だから、時間の無駄じゃないですよ。神の目線で見れますから。「愚かな者たちよ」と。ああ愚か者はこうやってまた愚行を続けるんだなって。僕なんか家で見るときそれですもん、2回目。

    ーー山里さんも2回目見るんですね!

    山里:見る見る(笑)。「わー、こんなんなりたくねー!」つってゲラゲラ言いながら見てますよ。

    パリピが嫌いな人は副音声で

    ーー「『テラスハウス』はパリピばかり出てきて共感できなさそう」という人もいますが、山里さんみたいな見方だったら楽しめそうですね。

    山里:そうそう。みなさんが思い描く嫌悪感をいだくようなパリピのポイントに関しては、私が代弁者としてことごとく全部否定しているんで。だから、パリピばっかで楽しめなさそうだなっていう人は、副音声にしていただければ私がパリピをバカにできる方法をナビゲートします。僕のナビについてきてくれてれば、もれなく全員のこと嫌いになれますんで。でも、パリピばっかりじゃないです、本当に。普通にまじめにがんばってる子の恋愛とか夢のこととかありますもん。

    徳井:まあ、パリピもいるけどパリピばかりじゃないですよね。もしそうやったら、僕らみたいなおっさんとかも、やっぱり見てられへん感じになるやろうし。

    八村:僕はアメリカにいたんで別にパリピには見えないですよね。あっちにもリアリティショーみたいなのあるんですけど、どう考えてもあっちの方が本当のパリピですね。

    山里:あっちのパリピは半端ないですもんね。

    八村:いやもう本当に半端ないんで。

    山里:おだやかな方ですよ。

    「もうずっと好きです、ほんとうに」

    ーーテラスハウスがこれだけ世界でも話題になり、影響を感じることはありますか。

    山里:ロンドンにテラスハウスのファンクラブができたことです。ロンドンからきた人から「山ちゃん、今ロンドンで単独ライブやったらお客さん入るよ」って言われました。

    徳井:けっこう世界中からくるよね。ヨーロッパとか、インドとか。この間、銀座の「すしざんまい」の中で南米のチリの人から声かけられたりとか。

    山里:僕もアラビア語で説教されたときありますもんね。Google翻訳見たら「人の心のわからぬ鬼は神に裁かれろ」って。

    徳井:アッラーに。

    山里:ええ、びっくりしました。

    徳井:でも、俺助かったことがあって。プライベートでハワイに旅行行ったんですよ。そのときに、オアフ島からハワイ島に移動したんですけど、乗り継ぎ便がよくわからんかったんですよ。「うわどうしよどうしよ」って。時間がもう迫ってきてて、もうこれ乗り過ごしたなーっていうときに、空港のおっちゃんが「お前テラスハウス出てるだろ!」ってなって。「ああそうそう」っつって。「なにしてんだ!」ってなって。いや、こうこうこうですって言ったら「俺が全部教えたる!」っつって。そのおっさんが、疾風の如く手続きを全部やってくれて、助かったっていう。

    山里:なにより、取材で八村選手がこの単語を言ってくれたってこともありがたいよね。

    八村:この単語っていうのは?

    山里:『テラスハウス』。

    八村:いやいやいや。

    山里:ありがたいよ。

    八村:もうずっと好きです、ほんとうに。


    TERRACE HOUSE TOKYO 2019-2020

    Netflixにて毎週火曜に新エピソードを先行配信中(4週に1回配信休止)。

    他、FOD・地上波でも放送中。

    http://www.terrace-house.jp/tokyo2019-2020/