北海道の釣具屋にバットが売られている。何に使うか店員に聞いたところ、「釣ったシャケをこれで殴って殺す」と教えてもらったというツイートが話題です。
サケ釣りでこのバットを使うのは一般的なの?
BuzzFeed Newsは、札幌市にある「釣り具センター 西岡店」の葛西誠さんに聞きました。
サケ漁の必需品「サーモンバット」
葛西さんによれば、このバットは一般的に「サーモンバット」と呼ばれているそう。サケが釣れる北海道ならではの釣り具のようです。
「釣り上げたサケ(アキアジ)を〆(しめ)るためのものです。暴れるサケの脳天を殴って、おとなしくさせるために使います」
「刺身にする魚は、生臭さを消すために、釣り上げた後にエラに刃物を入れて血を出します。サケの場合は刺身にするケースが少ないため、殴っておとなしくさせて、そのまま持ち帰るのが一般的です」
サーモンバットにはどういった種類があるのでしょうか。
葛西さんによれば、全長50cmほどの木製の硬いものが多く、木の中に鉛を入れて重くしている場合もあるそうです。8〜12月のサケ漁シーズンに限り、よく売れるとのこと。
さらに、こんな情報も。
「今年、金属製のサーモンバット(冒頭写真のバット)も発売されました。かなり重みがあります」
金属サーモンバット、なぜ発売?
「木製のサーモンバットを作ってほしい、というご要望をいただいていたのですが、今さら木製を出してもなあ……という思いがあり……」
BuzzFeed Newsにそう語るのは、金属製サーモンバットを製造した釣具メーカー「ナカジマ」の吉田さん。
木製サーモンバットの製造に取り掛かる前に、ちょうどいいサイズの金属バットを見て、サーモンバットに転用することを思いついたといいます。
今シーズンは約1000本を卸したそう。お店での評判も上々だそうです。
「今年始めた商品なのでまだなんとも言えないのですが、珍しくて面白いものなので、すんなり受け入れてもらえたみたいです」と吉田さんは笑いました。
「今のところ、うちだけだと思いますが、来年以降は出てくるかもしれませんね」
これも一応聞いておいたよ
サーモンバットは野球でも使えるのか——釣り具センターの葛西さんは、こう教えてくれました。
「使えるとは思いますが、使っているのを見たことはないです。サイズ的に、幼い子ども向けのバットによさそうですが、サケを〆るための鈍器のようなものなので、あまりオススメはしません」
サーモンバットは用法を守って正しく使いましょう。