「なぜ群馬?」高3の英語力、首位に立った理由 県教委と文科省に聞いた

    意外?と言っては失礼だが…

    文部科学省が公立学校を対象に実施した2015年度の「英語教育実施状況調査」で、高校3年生は「群馬県」が都道府県別で最も優れた結果を残した。中学3年生は「千葉県」がトップだった。

    「群馬の高校生はそんなに英語が得意なの?」県教育委員会と文科省に疑問をぶつけてみた。

    群馬県教委はBuzzFeed Newsの取材に対し、「授業を英語で進めていること」や「県内の教育課程研究指定校での研修を通して、教員の意識が高まっていること」などが結果につながっていると説明した。

    また群馬県は早期教育にも力を入れている。前橋市や高崎市など県内5箇所を拠点として小中高の一貫教育や、専門家による県独自の授業カリキュラムを採用。こうした施策も貢献したとみられる。

    なお群馬県の人口に占める、外国人住民数は全体の2.2%を占める4万4798人。そのうち、英語が母国語でないブラジルや中国の国籍が中心。決して英語を話す外国人が多いわけではない。

    「群馬、なんだかすごすぎない?」の問いに対して文科省の担当者は、「CAN-DOリスト」を実践している自治体は、群馬県に限らず、英語力が高い傾向にあると説明した。

    CAN-DOリストとは、英語力をつけるために、学習到達目標を設定する制度。教員が各単元の目標や学年ごとの目標達成の状況を把握して,指導や評価の改善に生かす。生徒の「聞く」「話す」「読む」「書く」の4技能を総合的に育て、英語力水準の向上を図る。群馬県ではすべての学校で採用している。

    CAN-DOリストが学力向上の大きな要因なのか。群馬県教委に文科省の見解について尋ねると、「全国的にまだ課題が多く、これから改善していかなければならない。CAN-DOリストの成果が今回の結果に表れたかは、我々にはわからない」とし、明言は避けた。