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ネットのデマにどう立ち向かえばいいの? 読んでおくべき3冊+α

マニア向け古典も。

岩波書店 / Keigo Isashi / BuzzFeed

熊本地震、都内停電、津波警報、企業不正……。2016年も、災害や事件・事故が起こるたび、数多くのデマ・流言がインターネットに広がりました。

誰かの冗談がいつの間にか「事実」として伝わっていたり、加工された画像がデマの根拠として使われていたり。

BuzzFeed Newsではこうした情報を訂正するよう努めてきましたが、中には巧妙な嘘に塗り固められていて騙されそうなものもありました。

ネットにデマが溢れていたのは、おそらくずっと前からでしょう。

それが際立つようになったのは、2011年3月11日の東日本大震災がきっかけだと考えます。これ以降、Twitterが災害時の情報収集・交換ツールとして定着したからです。

東日本大震災時に目立ったネット上のデマはその後分析され、次のような書籍にまとめられました。

こうした分析・考察本の多くに、次の「デマの強さに関する公式」が引用で紹介されています。

R~i×a

「デマの流布量」(Rumor)は、当事者にとっての「問題の重要さ」(importance)と、その論題についての「証拠のあいまいさ」(ambiguity)との積に比例することを示しています。

かけ合わせたものであるため、重要さ、あいまいさの一方がゼロならば、デマにはならないということです。

そして、この公式の出典が『デマの心理学』(岩波現代叢書)。

カバー付き
岩波書店 / Keigo Isashi / BuzzFeed

カバー付き

1946年(日本語翻訳版1952年)発売の古い本ですが、(当然ながら)インターネットに触れていないことを除けば、現代でも十分参考になる内容。

先述3冊の方が現状に即しており、わかりやすく実用的ではありますが、こちらも一度目を通してみれば勉強になるはずです。

専門的な内容も多いけれど

デマの主要な現象をまとめた、基礎的な教科書にすることを目的として出版された本書。

「戦時のデマ」「社会におけるデマ」の事例や、デマが広がる仕組みや傾向、実験とその結果、分析の手引きなどを紹介しています。

付録には、当時のマサチューセッツ公安委員会が定めた「戦時デマの予防ならびに抑制を行う機関についての規約」(以下、旧字体を新字体に変更)を収録。

デマ潰し組織をどう立ち上げて、どのように仕事をすればいいか、といった内容です。興味深い。

デマ潰しマニアには垂涎もの
岩波書店 / Keigo Isashi / BuzzFeed

デマ潰しマニアには垂涎もの

専門的な内容も多いですが、全体を見てざっくりと感想を述べると「デマに関しては、今も昔もあまり変わらないんだな……」。

デマはどういう時に広がるか。著者のG.W.オルポートとL.ポストマンは、次のように説明しています。

デマは、事件が、各個人の生活にとって重大な場合に広がり、また、その事件についてのニューズが、欠乏しているか、または、あいまいである場合に、広く流れるのである。あいまいさは、ニューズが、はっきり報道されない場合、あるいは、いろいろ矛盾する報道が伝えられる場合、または、各人がニューズを、理解できない場合に、起ってくる。

これは「戦時のデマ」の章に書かれた文章です。しかし、冒頭に述べた通り、いま平時にも同様のことが起きていると感じます。

猫がデマに踊らされる、なんだかいい感じの作風の漫画も
岩波書店 / Keigo Isashi / BuzzFeed

猫がデマに踊らされる、なんだかいい感じの作風の漫画も

『デマの心理学』。新品を手に入れるのは難しそうですが、中古品はネット通販に出品されており、安ければ300円ほどで入手できます。興味があれば、ぜひ読んでみてください。

最後に、やっぱりこれが大事だよな……と思わされる一節を。

われわれがデマを有効に防ぎうるただ一つの手段は、いかなる聞き伝えの報告についても疑うという態度をもつことである。

Keigo Isashiに連絡する メールアドレス:keigo.isashi@buzzfeed.com.

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