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天皇陛下「生前退位のお気持ち」どう受け止める? 有識者会議5つのポイント

世論は9割が「生前退位」に賛成

天皇陛下の生前退位について検討する「天皇の公務の負担軽減等に関する有識者会議」が10月17日、初会合を開いた。これまでの経緯と、議論のポイントをまとめる。

会合のきっかけは8月、天皇陛下が国民に向けて、生前退位に向けたお気持ちを発表されたことだった。

テレビ放映されたメッセージで、天皇陛下は「戦後70年という大きな節目を過ぎ、2年後には、平成30年を迎えます。私も80を越え、体力の面などから様々な制約を覚えることもあり、ここ数年、天皇としての自らの歩みを振り返るとともに、この先の自分の在り方や務めにつき、思いを致すようになりました」とされた。

朝日新聞が9月に実施した世論調査によると、国民の9割が、天皇陛下の生前退位に「賛成」している。

産経新聞は「『生前退位』来年中に法整備へ」「政府は、天皇陛下から皇太子さまへの皇位継承に伴う重要な儀礼である『大嘗祭(だいじょうさい)』を平成30年11月に執り行う方向で検討に入った」と報じている。

皇位継承のルールを決めた法律「皇室典範」では、生前退位についての決まりがない。そのため、仮に天皇陛下が生前退位をする場合、新たなルールを作る必要がある。

ポイント1. 生前退位 or 負担軽減?

有識者会議の最大のポイントは、天皇陛下が生前退位するためのルールを作るのか、それとも天皇陛下の負担を軽減する方向でいくのか、という点だ。

負担軽減策としては、憲法に「国事行為の委任」や、「摂政」などの代理制度があり、これらの活用も議論される。

ポイント2. 特例 or 制度化?

生前退位のルールを作る場合、今回に限って生前退位を認める「特例法」を作るのか、あるいは「皇室典範」を変えて制度化するのか、がポイントとなる。

今回だけの特例にした方が、議論に必要な時間は減る。しかし、そのような特例法を作っていいのか、前例を認めていいのか、という指摘がある。また、今後も同様の状況になった際にどうするか、という課題は残る。

ポイント3. 生前退位の条件は?

一方で制度を作るとなると、どんな状況にも対応できるよう、様々なケースを想定して、ルールを詰めて考えなければならない。

生前退位をめぐる混乱を避けるためには、天皇陛下の年齢や健康状態、意思など、どういう条件で生前退位を認めるのかを、しっかりと決めておく必要がある。

ポイント4. 生前退位の「後」は?

生前退位された後の天皇陛下の呼び名をどうするのか、お住まいや生活をどうするのか、宮内庁の枠組みをどうするのか、といった議題もある。

ポイント5. 皇太子が不在に?

仮に皇室典範を変えずに生前退位が実現し、皇太子が即位された場合、新たな皇太子が不在になるという論点もある。

来春に提言

有識者会議のメンバーは、今井敬・経団連名誉会長、御厨貴・東京大学名誉教授、清家篤・慶應義塾長、山内昌之・東京大学名誉教授、小幡純子・上智大学法科大学院教授、宮崎緑・千葉商科大学教授の6人。

有識者会議は今後、11月中に3回に分けて、十数人の専門家から話を聞きとる。会議の議論をまとめた「提言」は、来春に出す予定。

バズフィード・ジャパン ニュース記者

Kazuki Watanabeに連絡する メールアドレス:Kazuki.Watanabe@buzzfeed.com.

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