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「体罰は効果的ではない」 遺族は訴えた 大阪・桜宮高校体罰自殺

遺族が大阪市を訴えた訴訟、東京地裁は損害賠償の支払いを命じた

体罰が自殺の原因と認める

大阪市立桜宮高校バスケットボール部の主将を務めていた男子生徒が自殺した問題で、2月24日、東京地裁は元顧問による体罰が自殺の原因だったと認め、大阪市に損害賠償約7496万円の支払いを命じた。遺族は判決後、会見に臨み「体罰は効果的ではない」と訴えた。

生徒父「体罰は効果的ではない」

生徒が自殺したのは2012年12月23日未明のことだった。

部活動という場で起きた体罰は許されるのか。全国的な議論が起きた。元顧問の恒常的な体罰を非難する声が上がった一方で、保護者やOBの中には「元顧問から教えられたバスケを通じて、成長できた」「熱意を感じていた」などと擁護する声もあった。実際、現役部員を含む約1000人の嘆願書が大阪市教委に提出されている(2013年2月14日毎日新聞朝刊)。

裁判所で判決を聞いた後、濃色のスーツ、ネクタイ姿で会見に臨んだ生徒の父親は、会見でこう強調した。「裁判所は、暴力・暴言と自殺との因果関係を認めてくれた。体罰は、今の時代のやり方にマッチしていない。若い世代は、僕らの世代に比べて考え方が柔軟だ。そういう子たちに指導していく上で、体罰は効果的ではないことが明らかだと思う」。

元顧問は殴打を繰り返し「叩かれてやるのは動物と一緒や」と責めた

生徒は自殺の直前まで苦悩していた。

自殺直前の練習試合後、元顧問は生徒を呼びつけ、こう叱責した。

「何でお前ルーズボール取りに行けへんねん」「キャプテンやったら誰よりも体を張れ」「キャプテン辞めろ」。怒鳴りつけて、頭、頰を平手で6回ないし8回ほど殴り、生徒の顔にボールを投げつけた。

別の練習試合では、体育館全体に響き渡るような音で殴打を繰り返した上でさらに畳み掛けた。「叩かれてやるのは動物園やサーカスで調教されている動物と一緒や。(生徒名)は動物か」

生前、生徒が書いた手紙を両親は公開した。生徒は手紙を元顧問に渡すために書いたが、手渡すことはできず、思いは届くことはなかった。

僕は先生に言われたことをしようとは思っています。考えようと努力もしています。でも、なかなかできないです。リーダーの本も読んだのですが、それがすべてできるとも思っていないです。先生は僕に完璧な人間になれと言っているようにしか僕はきこえないです。

僕だけがあんなにシバき回されなければならないのですか?

(元顧問は)ポケットに手を突っ込む奴がいるから止めろといいました。でも、次週の朝礼の帰りに、先生はポケットに手を突っ込んでいました。言っている人は言ったことを守るべきではないですか?と僕は思います。

もう僕はこの学校に行きたくないです。それが僕の意志です。


遺族は問う 「言い聞かせるだけ、押し付けるだけの教育は通用しない」

裁判所は遺族の訴えのうち、体罰と自殺の因果関係を認めた。判決後、弁護士とともに遺族は会見に臨んだ。

父親は「息子が追い込まれていった背景の一番の原因は、元顧問による暴力と暴言によって、精神的にも身体的にも追い込められたことだと思っています。指導者は体罰が効果的でないことを十分認識して、いろんなタイプの子達とコミュニケーションをとって、最適な指導を模索していく時期がすでにきている」と提起する。

母親も続ける。「自分の思い込みで、生徒とはこういうものだと考えて、まとめて同じ指導をするという考え方ではなくて、一人一人違うんだよということを認めて、生徒と向き合って指導していただけたらいいなと思っている」。


父親は振り絞るように言った。​

「言い聞かせるだけ、押し付けるだけの教育は通用しない。変えていかなければならない」









バズフィード・ジャパン ニュース記者

Kazuki Watanabeに連絡する メールアドレス:Kazuki.Watanabe@buzzfeed.com.

バズフィード・ジャパン ニュース記者

Satoru Ishidoに連絡する メールアドレス:Satoru.Ishido@buzzfeed.com.

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