back to top

生田斗真がトランスジェンダー女性役 映画「彼らが本気で編むときは、」を渋谷区が職員研修に活用

映画で伝える「実際」の暮らし

東京都渋谷区は1月24日、映画「彼らが本気で編むときは、」(2月25日公開予定)を、職員研修や学校での出張授業などに活用すると発表した。映画は、ひとりのトランスジェンダー女性と、一緒に暮らす恋人の男性、そこに預けられた子どもの日々を描いた物語。生田斗真さんがトランスジェンダー女性を演じ、話題を呼んでいる。

映画紹介には、次のようにある。

優しさに満ちたトランスジェンダーの女性リンコと、彼女の心の美しさに惹かれ、すべてを受け入れる恋人のマキオ。そんなカップルの前に現れた、愛を知らない孤独な少女トモ。桜の季節に出会った3人が、それぞれの幸せを見つけるまでの心温まる60日

渋谷区はLGBT関連の施策に力をいれている自治体だ。全国に先駆けて2015年11月から、同性カップルのパートナー関係を証明する公的書類「パートナーシップ証明書」を発行。2016年には、民間企業出身で、ゲイであることを公表している永田龍太郎さんを男女平等・ダイバーシティ推進担当課長に抜てきした。

長谷部健・渋谷区長はこの映画とコラボする理由を、次のように語った。

「最近、LGBTについて、頭では分かっている人が増えてきています。しかし、その実際の姿は見えていません。この映画は、その姿を変に強調せず、隣にいる人のように普通に描いている。映画には、言葉では伝わりにくいことを伝えられるアドバンテージがあります」


渋谷区は同日、この映画を使って職員研修を開いた。参加した職員は、荻上直子監督や映画製作にアドバイスをしたトランスジェンダー女性らと対話し、性的マイノリティが置かれた現状の一端を学んだ。

「かもめ食堂」(2006年)や「めがね」(2007年)で知られる荻上監督は、この映画を撮ったきっかけを次のように語った。

「私は長くアメリカで生活していました。レストランに行ったら、隣がゲイカップルで、肌の色の違う養子を連れて一緒に食事をしている。そんな姿を普通に見て暮らしました。でも、日本に帰ってきたら、そういう光景はなかなか見ることがありません」

この映画では何を描こうとしたのか。

「主役のリンコは、素敵な恋人もいて、親にも受け入れられています。職場の同僚も、当たり前のように過ごしています。そうして暮らすなか、母親になりたいという気持ちが芽生えていきます」

「トランスジェンダーが、トランスジェンダーであることに悩むだけの映画にはしたくない。そこから一歩踏み込んで、先を描きたいと思いました」

「考えを押し付けたり、何かをやめろとかいうつもりはありません。いろんな人たちがいて、みんなで楽しく過ごせればいいという思いでつくりました。広めてくれたらうれしいです」


映画の撮影前、監督や主演の生田斗真さんにアドバイスしたというトランスジェンダー女性は次のように語った。

「生田さんとお会いしたとき、がっしりしていて男らしい方だという印象を受けました。私は歩き方や動き方など、自分自身が言われたことを生田さんに伝えました。トランスジェンダーの役作りにあたり、私の姿や動きを見て、イメージを掴んでいただけたのかなと思っています」

女性は区職員に向けて、次のように要望していた。

「トランスジェンダーがどきどきするのが、病院や区役所に行くときです。もし何か言われたら、変な目で見られたらどうしようと思っています。こんな人間もいるんだなということで、動じずに対処してもらえたら……」

映画「彼らが本気で編むときは、」は2月25日から、全国ロードショー。

バズフィード・ジャパン ニュース記者

Kazuki Watanabeに連絡する メールアドレス:Kazuki.Watanabe@buzzfeed.com.

Got a confidential tip? Submit it here.