伊勢志摩サミット。5月26日、G7の首脳が一堂に会した記念撮影。入り組んだ湾を背景に、安倍首相を中心とする各国の首脳たちが、笑顔で並んでいる。
この立ち位置、どんな風に決まっているのだろうか?
日本政府の公式見解は?
外務省経済局政策課に問い合わせたところ、「写真撮影の立ち位置については、国際的なルールは存在しません。並び順は主催国が決めることです」という回答だった。
ただ、主催国が決めることといっても、そこには一定のルールがあるようだ。
2008年洞爺湖サミットの舞台となった北海道・洞爺湖町のサイトには「記念撮影 立ち位置のルール」として、次のように書いてある。
中央がサミット開催国(議長国)で、左右に在任期間の長い順に並びます。 在任期間のまだそれほど長くない国が端に並ぶことになります。
さらに、サミットについて研究している名古屋外国語大学の高瀬淳一教授は、自らのウェブサイトで次のように説明している。
記念撮影では,まず中央に議長国の首脳が立ち,議長に近い側から大統領(米仏),首相(日英独伊加),EU大統領・EU委員長の順に並ぶのが外交儀礼上のルールです。大統領が首相より格上なのは,国王と同じ国家元首だからです。同じ格では在任期間が長い首脳ほど上位(=中央近く)です。
伊勢志摩サミットで撮られた写真の並び順は左から右に以下の通り。これは、高瀬教授が説明するとおりの順番だった。
EUのトゥスク欧州理事会議長(2014年12月就任)
イタリアのレンツィ首相(2014年2月就任)
ドイツのメルケル首相(2005年11月就任)
米国のオバマ大統領(2009年1月就任)
安倍晋三首相
フランスのオランド大統領(2012年5月就任)
英国のキャメロン首相(2010年5月就任)
カナダのトルドー首相(2015年11月就任)
EUのユンケル欧州委員長(2014年11月就任)