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【池上無双】「都民ファ候補は見ていて心配」「次は国政?」 小池知事は苦笑い

テレビ東京の選挙特番で

小池知事を支持する勢力が過半数超えで圧勝、自民党は歴史的大敗。7月2日投開票の東京都議会議員選挙。午後8時過ぎ、マスコミ各社が出口調査の結果をもとに、こう速報した。

各社の「圧勝」報道を受け、テレビ東京の選挙特番でジャーナリスト池上彰さんが、さっそく小池百合子都知事に切り込んだ。

小池チルドレンは大丈夫?

池上さんは小池知事が代表を務める「都民ファーストの会」の候補者について、突っ込んだ。

——都民ファーストの候補者演説を聴いていると、演説がまともにできないんじゃないか。こんな状態でいいのかな、ずいぶんひ弱だなと、見ていて心配になってしまう候補が多い印象を受けたんですが、いかがですか。

小池知事は次のように切り返した。

「街頭演説っていきなりは、なかなか大変なんですよ。私も最初に当選したときは、キャスター時代と違って、カメラに向いて喋るのと、不特定多数の方々に呼びかけるのはまったくシチュエーションが違うんですね。手の振り方も中途半端だったのでタクシーが止まったという伝説があるぐらいでして……。それは初々しさがあると思います」

そして、こう続けた。

「それぞれみなさん、バックグラウンドがございます。お医者さんだったり、公認会計士だったり。それぞれの専門性を持った方々が揃っています。街頭演説は不慣れだったかもしれませんが、政策立案、条例案を出す力量のある方ばかりだと自負しています」

しかし、池上さんは追及の手を緩めない。経験不足の議員が多数生まれたときに、どうなるのか。

——過去には、なんとかチルドレンと呼ばれるような若手議員が大量に当選して、うまくいかなった例があります。小池チルドレンが大量に生まれてしまって、この後、本当に都議会はやっていけるんだろうかと心配している方が大勢いると思うんですが、どうですか?

小池知事は「修行」が必要として、次のように答えた。

「話題になっていますが、しっかりとした議員としての自覚を持つのは、当然のことです。これからもしっかりと修行も積み、都民のみなさんとふれあうことによって、より議員としての責任を果たしてくれると思っています」

ここで、さらに突っ込むのが、池上さんだ。

小池チルドレンは小池都政をチェックできるのか

——これから育てていくということでしょうが、都知事に育てられた議員は、はたして都政をチェックできるのか。都議会議員には都政をチェックする大事な役割があります。「小池さんの言うとおりでございます」という議員ばかりでは、意味がないですよね。

小池知事の返しはこうだ。

「それぞれ、顔が浮かばないかもしれませんが、専門性を持った方々が、ずらりと揃っております。むしろ私に対してさまざまな意見を言ってくれる。私には非常に力強いチェックをしてくれるものと思っています」

「二元代表制がおかしくなるのではないかというご心配をおっしゃるなら、もっと前からメディアもチェックすべきだったと思います。これまでドンによる一元代表制といってもいいような都議会でした。これで二元代表制にしていくレールが敷かれたと思っております」

二元代表制というのは、首長(都知事)と議員が別々の選挙で選ばれる。そして、都議会議員は、都知事が出した議案を議決することなどで、知事の都政運営を監視する仕組みのことだ。

さて、ここで、池上さんは質問の方向性を変えた。

国政への進出はあるのか

——都議会で一定の力を得ました。この後、国政に進出していく、そのご予定はいかがですか?

小池知事はそれまでのやや硬い表情に、ふっとわずかな苦笑を浮かべた。一瞬だけ言葉に詰まったあと、次のように答えた

「ご予定はございません、と申しますのも私は知事でございます。そしてこの面々は都民ファーストの会でございまして、まさしく都政に取り組んでいくからこそ、今回都民のご支持を得たということです。都政に邁進することを期待されています」

「私自身も、都知事として重要なオリンピック・パラリンピックの大会など、さまざまな課題が目白押しです。2年目は、これまで種を蒔いた部分が目を出して行く。実績を積んでいく時期になるかと思います。そういう意味では、議会運営が安定していくことは非常に心強いと思っています」

おなじみの「池上無双」だが、圧勝報道を受けて、それに応じる小池知事の表情と受け答えには、余裕がうかがわれた。

だが、大切なのは、ここで語られた内容がどこまでその通りになるかだ。

小池チルドレンは都政を本当にチェックできるのか。都民ファーストと知事は都政に集中し、国政に進出しないのか。都民によるチェックが始まる。