デマや真偽不明の情報がSNSなどで拡散する中、その情報が真実かどうかを検証することの大事さが再認識されている。6月21日、ジャーナリストや学者、弁護士らが団体「ファクトチェック・イニシアティブ」(FIJ)を立ち上げ、都内で記者会見した。
FIJ事務局長の楊井人文氏は「メディア関係者は、ファクトチェックに真剣に取り組むべきだ」と強調し、設立目的を次のように語った。

「事実と異なる言説・情報に惑わされ、分断や拒絶が深まるような社会を望んでいません。そうならないためにも、ファクトチェックをジャーナリズムの重要な役割の一つと位置づけて推進し、社会に誤った情報が拡がるのを防ぐ仕組みを作っていく必要があると考えました」
会見発表のポイントをお伝えする。
なぜ、いま?
昨年から「偽ニュース」問題が深刻化し、GoogleやFacebookなどの企業も、対策やファクトチェックの取り組みを始めた。現在、世界で116のファクトチェック・サイトがある。
団体(FIJ)設立の目的は…
- 誤報・虚報の拡散防止
- ジャーナリズムの信頼性向上
- 言論の自由の基盤強化
そもそも、ファクトチェックって何?
- 事実に関わる言明の
- 真偽・正確性を調査・検証し、
- 証拠等の判断材料を提供すること
ファクトチェックの対象は?
- 政治家の発言、当局の発表
- 有識者の言説
- 広告・企業発表
- 一般人の発信情報
- メディアの報道
FIJは何をするの?
- ファクトチェックの推進・普及
- ファクトチェックとは何か、ファクトチェックをどうやるか、理解と手法の共有
- ガイドライン・評価方法の検討
- ファクトチェックをする人を支援する(方法は検討中、近く法人化予定)
より具体的には…
- メディアなどが実施した「ファクトチェック」について、第三者的にレビュー・評価する。
- 端緒情報(ファクトチェックのきっかけとなる情報や、レビュー対象候補など)の収集の効率化、共有化
- ファクトチェック(レビュー)のデータベース化
そのほか、国際交流やセミナー・シンポジウム開催などを考えているという。
「データベース化」とは

FIJの発起人で、スマートフォン向けニュースアプリ「SmartNews」社執行役員の藤村厚夫氏は「偽情報は足がはやく広範囲に届くが、検証情報はそれに比べてなかなか広がらない」と指摘し、「テクノロジーを用いたファクトチェック支援体制」の必要性を訴えた。

当面の具体的な取り組みとしては、SmartNews社、東北大学「乾・岡崎研」とFIJが連携しながら情報を集約し、「レビュー・データベース」を整備すると発表した。
誰でも参照できるオープンなデータベースへと整備し、将来的にはGoogleなど大手プラットフォームとも連携を進めたいとしている。今後、賛同団体を増やしていくという。