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担当者「電話中」で遅れ… セコムの犯人撃退システム 窃盗犯が去った40秒後に作動

画像確認が遅すぎた、と東京地裁判決

2012年の暮れ、都内の中古ブランド品を扱う店舗に2人組の窃盗犯が入った。その店舗には、煙と音で犯人を撃退するセコム社のセキュリティシステムがあった。ところが、そのシステムが作動したのは、窃盗犯が逃げ去った後だった。

この点について、店舗側がセコム社と保険会社に損害賠償を求めた裁判で、東京地裁(吉村真幸裁判長)は6月14日、セコムについて「対応が遅かった」「債務不履行があった」と問題を指摘する判決を下した。

その一方で、盗難品などの損害賠償については、セコムの警備請負契約についていた高額商品特約でセコム社が免責されるため、保険会社が支払うべきだと判断。セコム損害保険に約1100万円、東京海上日動火災に約700万円の支払いを命じた。

そもそも、どんな事件だったのか。

犯行の様子は、店舗内の防犯カメラに残されていた。BuzzFeed Newsはその映像を入手した。

2012年12月16日午前5時38分ごろ、覆面をした2人組の犯人が、ビルのドアをバールを使って1分30秒ほどでこじ開けた。

犯人のうち1人はバールでショーケースを壊してまわった。もうひとりがその後から、高級時計などを盗って回った。

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犯人たちが店内を物色していたのは約1分間。2人組は、高級ブランドバッグを複数抱えて、ドアから逃走した。犯人たちはまだ捕まっていない。

防犯システムは?

セコム社の説明によると、煙で犯人を撃退するシステム「フォギーユニット」は、万が一泥棒が侵入した際、大きな音と白煙で撃退するものだ。

監視カメラの映像などで異常を確認したセコムの社員が、遠隔操作でスイッチを押すと、現場が白煙で満たされるという仕組みとなっている。

セコム社のPR動画

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ところが今回、この「フォギーユニット」が作動したのは、犯人が店舗から出ていった約40秒も後だった。

なぜ、時間がかかったのか。

判決によると、セコムのコントロールセンターは犯人が店に侵入してすぐの午前5時40分頃、異常信号を受信した。

ところがそのとき、コントロールセンターの担当者は、この直前に異常信号を受信した物件に、電話をかけていた。この担当者は直前1分間に4件の異常信号を受信していたという。

担当者はこの電話を切った後、はじめて犯行現場の画像を確認した。そして5時41分ごろ、フォギーユニットを作動させた。煙が噴出したのは、犯人が去ってから40秒後だった。

判決はこの点について、「異常信号を受信し、違法行為を認識した場合に一定の対応をとることが被告セコムの義務となっている以上、少なくとも異常信号を受信した場合には、遅滞なく契約物件から受信する画像、音声等を確認すべき義務があるといえる」と指摘。「(画像送信から)約1分後に確認するのは、被告セコムの対応が遅滞していたと評価せざるを得」ないとした。

記者会見

店舗側の代理人・加茂隆康弁護士は判決後、東京・霞が関の司法クラブで記者会見し「日本トップの警備会社なのに、セコムの対応はずさんだった。異常が相次ぐことはあるだろうが、すぐに対応できる人員配置をすべきだった」と主張した。

一方セコムは、BuzzFeed Newsの取材に対し「判決文を確認していないので、コメントは控えさせていただきます」とコメントした。

バズフィード・ジャパン ニュース記者

Kazuki Watanabeに連絡する メールアドレス:Kazuki.Watanabe@buzzfeed.com.

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