「心のどん底から怒ってるので抗議のシャウトをします」若手弁護士らが共謀罪法案に反対声明

    「法律家たちが、理屈をこねて唸っている姿ではなく、全身で怒り狂ってる姿を想像してもらえたらうれしいです」

    犯罪を計画段階で処罰する「共謀罪」法案が5月19日、衆議院の法務委員会で可決された。野党が抗議する中、与党側が審議を打ち切り、自民、公明、維新が賛成した。政府・与党側は来週にも衆議院を通過させ、参議院での審議入りを図る。

    これに対し、法律家8団体が「衆議院法務委員会における共謀罪法案の採決強行に抗議する声明」を出した。そのうち、若手弁護士の団体「明日の自由を守る若手弁護士の会(あすわか)」は、この声明をやわらかい言葉で言い換えた「超訳バージョン」も公開した。

    超訳バージョンの声明冒頭は、「私たちは、心のどん底から怒ってるので抗議のシャウトをします」という言葉で始まる。もともとは「私たちは,この暴挙に対し,満腔の怒りをもって強く抗議する」という表現だった。

    現在の法案で、幅広い犯罪が共謀罪の対象(=計画段階で処罰可能)になっている点について、超訳バージョンの声明は次のように批判している。

    「首相は、イッパンジンは処罰されないと言っています。でも、『組織的威力業務妨害罪』は、原発反対や米軍基地反対の活動に使われかねません。楽譜のコピーは著作権法違反になりますし、節税も所得税法違反と疑われかねません。こういった行為は、市民が普通にやっていることなのに、話し合っただけで犯罪になりえるのです。だいたい、『イッパンジンは処罰されない』なんて、法案のどこにも書いてありません。『計画』して『準備行為』があったとされれば、誰でも処罰される可能性があるのです。全然納得できません」

    「怒りを想像して」

    どうして、このような言い換えをしたのだろうか? 「あすわか」共同代表の黒澤いつきさんはBuzzFeed Newsの取材にこう答えた。

    「特に法律家団体の声明は、いつも内容はすばらしいのに言葉がかたく、小難しいなぁと読み飛ばされたりしてしまうので、あまりにももったいなく感じています。今回は、声明原文の趣旨に沿いながら、スッと胸に入ってくる言葉を選びました」

    「法律家たちが、理屈をこねて唸っている姿ではなく、全身で怒り狂ってる姿を想像してもらえたらうれしいです」

    法律家8団体の抗議声明の全文はこちら超訳バージョンはこちら。