誰でもわかっているはずですが、人生にはどんなに努力しても自分ではコントロールできないことがあります。不妊もその一つ。

うまく言葉で表すのは難しいけれど、不妊はとにかく、本当につらいもの😔
母親になるという大きな転換期が山あり谷ありの道のりであることは、広く社会で受け入れられているといっていいでしょう。
でも、その前の段階については忘れられがちです。
その前の段階でつまずいてしまったら、どうなるのか。どう感じるものなのか。
不妊治療を受けている人、またはこれから始めようとしている人なら、その道のりがいかに孤独で、精神的に消耗するかを実感しているのではないでしょうか。

でも今、思い描いてきた未来に不安を抱いている人もいるでしょう。私はこの記事を、そんなあなたに向けて書いています。
たとえ身近に同じ状況の仲間が一人もいなくても、同じ経験をしているのはあなた一人ではないからです。
私が個人的に尊敬する女性にも、子どもができない苦悩について公に語ってくれた人は大勢います。
あのミシェル・オバマも、人気セレブのクリッシー・テイゲンもそうです。そして普段はネットで記事を書いている一般人の私も、みなさんと同じ仲間の一人です👋
少しでも参考になればとの思いで、不妊治療の道のりで私が学んだことをいくつかお話ししてみます。
1. 自分に優しくしていい
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うまくいかない自分がみじめだな、かわいそうだなと思うことと、友だちの幸せを喜んであげること。この2つは両立できます。
そう、とても大事なポイントです。これは片方しか成り立たないわけではありません。
SNSのタイムラインでみんながそろって大きなお腹の写真を載せていて、おめでとうと言ってあげる気になれないとしても、あなたは悪い人なわけじゃありません。
生きているといろんなことが起きます。いつも気にさわるなあと思ってたあの子が1回目ですぐ妊娠したり。特にそのつもりで頑張ってたわけですらないのに。
妊娠した友人をお祝いする気になれないときは、そういう場に行かなくてもいいんです。
友人が投稿した妊婦写真に「いいね」を押さなきゃいけない気がするなら、インスタグラムのハートマークをダブルタップだけして、あとは好きなだけアイスを食べるとか、自分にとって必要なことをするだけ。
できるだけ自分に優しくしましょう💗
2. 自分の思いを語れるようにしておく
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語るといっても、自分のことを何でもおおっぴらに話せという意味ではありません。
必要なときにいつでも取り出せる言葉を用意しておいて、誰かの悪意のない質問やひとことに不意を突かれたとき、返せるように準備しておくためです。
思いあたる場面、ありますよね。「いつ子どもを作るの?」「でも、少なくともチャンスはあるでしょう?」など、絶対に何もプラスにならないタイプの会話。
今の社会で妙なのが、子どもをつくる計画について自分から話すべきとはされていないのに、相手の計画について無神経に聞いてくる人が多い点です。
今ならちょうどいい時かなと考えて質問してくるのかもしれないし、礼儀をわきまえていない親戚だけが聞いてくるのかもしれません。いずれにせよ、適切な状況でなければあなたは傷ついてしまうかも。
こういう時、答えを用意しておくと役に立ちます。あらかじめ想定し練習しておいて、どんな気持ちになっても返せるセリフです。頭の中で台本を用意しておいて、それを読むだけでいいんです。
実際に相手の質問は止められなくても、自分の境界線をしっかり守り、他の人にどう伝えるかは自分で決められます。
3. 毎月の楽しみを用意する
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いつも28日周期を気にしながら生きる人生は、何といっても楽しくありません。目の前の小さな楽しみを見つけて、毎日を生きていいんです。
個人的によかったのは、月に一度何かが届くサブスクリプションにいくつか登録したこと。それほどお金をかけずに、毎月のいい区切りになり、気分転換にもなりました。
おすすめは、毎月本が届くサブスクリプション(私が登録したのは月額14.99ドルの Book of the Month)。
次はどんな本がくるか楽しみなのに加えて、読むべき本がある限り、その世界に入っていれば人生のあれこれを考えなくてすみます。
でも、本に限らず、定期的に繰り返せるものなら何でも構いません。月に1日、楽しいデートの日を計画するのもよし。
お金をかけずにやるなら、近くの図書館でもOK。そのほか、ポッドキャストを聞く、月1ボードゲームの集まりを開く、YouTubeの動画シリーズでメディテーション、天気がよければ自然の中をゆっくり散策などなど。
自分を癒してあげることは必要です。
4. 気になっていた本、TV、ポッドキャストなどに思い切りひたる
治療中は、たくさんの決断と考え事の多い日々が続きます。だからこそ、ひと息つける時間ができたときは、できる限りのんびりしてください。
「ドラマや番組をイッキ見したい」と思っていたのなら、今こそやるべき。
私は『ジェシカおばさんの事件簿』を何シーズン分も立て続けに見たのですが、一日の終わりに欠かせない、ほっと癒される時間でした。
5. 治療に通うようになったら、ナースは親友のような存在になる
真面目な話、不妊治療を一緒に進めていくナースは親友と同じくらいの存在であるべきです。
あなたの周期も文字どおり知っているし、パートナーのことだって、それこそいろんな面で知っているのがナースたち😳
ちょっと合わないなと思ったら、別の人に替わってもらいましょう。理解してくれる病院も多いはずです。
不妊治療はチームで進めるプロジェクトで、あなたはMVP。ナースはいつもそばで支えてくれるアシスト役です。
6. よりどころにできる言葉を、心の中に持っておく
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いつでもよりどころにできる、お守りのような言葉を持っておきましょう。
悲しい、落ちこむ、先が見えなくて不安…。そんな気持ちのとき、私が自分に言い聞かせたのは「お母さんになる方法はたくさんある」でした。そう、母親になる方法はいろいろあるのです。
私はかわいい甥っ子の「最高のおば」になろうと励みました。甥っ子にいとこを見せたい、と切実に思いながらも、甥っ子が私に愛情を向けてくれて、満たされた気持ちになりました。
家を訪ねて甥っ子と一緒に遊ぶと充実感でいっぱいでした。それに、楽しいことをやりたいだけやって(ブラウニーをこっそりあげたり、かっこいいけどやかましいおもちゃを買ってあげたり)、あとは関わらなくていい立場ですしね。
子犬も飼いはじめて、それはもう、ものすごくかわいがりました。とにかく飼い主としてできることは全力で何でもしました。
うちの犬は今でも、アマゾンの箱にはオモチャやおやつが入っていると思っています。
母親になるいろんな方法については、医学的にもさまざまな選択肢があります。それについては他に教えてくれる人がいると思いますが、他にもすばらしい可能性がたくさんあると、知ってもらえたら嬉しいです。
7. 経験を分かち合える同志を見つける
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8組に1組のカップルが不妊治療を試みているともいわれる今、あなたは間違いなく一人ではありません。
「もしかしたらちょっとだけ科学の力を借りる必要があるのかもしれない」、私たちがそう思いはじめたとき、私の知る限り周りに経験者はいませんでした。
結局、当時の上司のいとこの女性にメールで連絡することになったのですが、彼女は本当に優しくてすてきな女性でした(上司も同じく!)。
その後、自分の経験について少しずつ周囲に話せるようになると、友人の一人も不妊治療中だったとわかりました。あのとき私たちが結んだ絆は、壊れることはありません。強くて偉大な彼女は私の同志であり「シスター」です。
友人と一緒に不妊治療に臨んでいると、やがてどちらか片方が妊娠できたときが訪れます。私のときもそうでした。
彼女に先に成功してほしかった私は、泣きながら自分の妊娠を報告しました。でもそれから1年ほどあと、私はバーで彼女から電話で妊娠の知らせを聞き、うれしくて人目も気にせず大泣きしたのでした。
この道のりは、競争ではありません。ただずっとお互いを支え合い、励まし合う。これこそ真のシスターフッドですよね。
8. 困ったときに頼れるセラピストを見つけておく
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子どもができなくたって、あなたは「おかしい」わけではありません。それに、本当に何の問題もなく大丈夫、という人もいるでしょう。
それでもセラピストを見つけておいた方がいいのは、周囲の人は提供できないサポートが必要になったとき、受け止めてくれる人がいると安心できるからです。
実際、自分の話を聞いてもらう対価としてお金を払っている人が相手なら、自分のことを話すのに遠慮も罪悪感もいらないですよね。何の心配もなく、堂々と話せます。
保険会社に紹介してもらう、オンラインセラピーをアプリで探すなど、見つけ方はいろいろですが、不妊治療を受けている人の相談実績があるセラピストを選ぶとよいと思います。
知識のない人に治療や施術の内容を説明するため貴重な時間を使ってしまうのは、あまりおすすめできません。
9. 余裕があれば少しのユーモアを
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あなたが向き合わなくてはいけない現実は、楽しいものではありません。全然楽しくはない。
それでも、中にはクスッときちゃう出来事もあるのでは?
人生は時に、思い描いていたものとは少し違う景色を見せてくれます。親になる道のりへの一歩は、予想とは違うかもしれません。
あなたがいて、パートナーがいて、医療チームがいて、培養室が出てくる。さて、どんな物語になるでしょう?
10. ネットの掲示板はできるだけ見ない(役に立つ前向きなコミュニティを見つけるためならOK)
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「私はそういうサイトを見ないようにしました」と言いたいところですが、現実はまったく違いました。
掲示板を見ていたら、何年も前の投稿までさかのぼって37ページ目を読んでいた。気づいたら夜中の3時半になっていた。読む前よりもっと不安と焦りに襲われていた…。
そんな夜が数えきれないほどありました。あなたには、その必要はありませんからね。
そして最後に、覚えておいてほしい。これを越えた先も、人生は続くということ。
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私が「心配しないで気楽に!」なんて言っても、あまりなぐさめにはならないでしょう。人の思考回路はそんなふうにはできていません。
「あきらめないで。きっとうまくいくから!」と励ますのも誠実じゃない。
みなさんもきっと十分わかっているとおり、すべての人が最終的に赤ちゃんと会えるわけではないから。
でもいつか、毎週のように採血したり、快適とは言いがたい施術を受けたりする日々にも終止符が打たれ、日常に戻るときがきます。
私の場合、治療が実を結びました。以降、母になった今の思いを少し書いてみます。今は読む気になれないという方がいれば、どうかその心の声に従って、読み飛ばしていただければと思います。
陳腐に聞こえるかもしれないけれど、母親になって、夢が現実になりました。
私と同じような人なら、心の底からすがるような気持ちで願い、求め、祈った日々。こんなふうに思うかもしれません。
「もし母親になれたら、どんなささいな一瞬も、絶対に当たり前だと思ったりしません」と。これは本当にそう。私もまさにそんな気持ちでいます。
母親業と仕事のバランスを模索していた当初、鏡に映る別人のような自分をじっと見つめたものです。
寝不足でぼんやりした目。両親と遊びたいためだけに寝ようとしない息子に付き合って、疲れ切った自分の姿。そんな自分にこう言って笑いました。
「このために、お金をつぎ込んだんだよね」。つぎ込んだだけの価値がありました。心からそう思います。
子どもがほしくて悩みながら懸命に頑張っているみなさんに、私から愛と、希望の光と、前向きな気持ちを送ります✨ 私の体験を知ってもらうことで、あなたの道のりが少しでも楽になればうれしいです。
この記事は英語から翻訳・編集しました。 翻訳:石垣賀子 / 編集:BuzzFeed Japan