1. グレタ・トゥーンベリさん(16)。スウェーデン出身の環境活動家。世界中の多くの学生が触発され、気候変動に対して何もしないことに反対してストライキをするきっかけになった。
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2018年8月、トゥーンベリさんは、気候変動に対する国の措置を求めて、毎週金曜日に学校を休んで、スウェーデン議会の前で座り込みを始めた。
「それ以来、ずっと続けています。スウェーデンがパリ協定に従うまで続けます」とトゥーンベリさんはBuzzFeed Newsに答えている。
アスペルガー症候群を持つトゥーンベリさんは、それ以来、地球環境保護を呼びかけており、2018年12月には国連気候変動枠組条約第24回締約国会議(COP24)、2019年1月にはダボスで開催された世界経済フォーラムに参加し、TEDトークでも話している。
2019年9月23日に開催された国連気候行動サミットにも登壇し、力強いスピーチが話題になった。
英ガーディアン紙によると、オーストラリア、ベルギー、イギリスなどを含む少なくとも270を超える世界中の都市で、2万人以上の学生が、トゥーンベリさんの呼びかけに応じ、自分たちの地域で温暖化対策を訴えるストライキを組織した。
「すごいことだと思います」とトゥーンベリさんは話している。
2. Parisa Pourtaherianさん。イランでサッカーの試合を撮影している写真家。同国では通常、女性はサッカー場に入れない。
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「スポーツの写真を見るたびに、『これは、私がやらないといけないこと。これが私の仕事。生涯をかけてやりたい職業』と思っていました」とPourtaherianさんはBuzzFeed Newsに話している。
2018年8月、入場を拒否された試合を撮影するため、スタジアム近くの建物の屋上から超望遠レンズで狙う姿の写真が、ネット上で話題になった。
イランにいる女性のスポーツ写真家にとって最大の課題は、プロとしての成長を犠牲にして、スタジアムに入る許可を取るのにとても苦労することだ、とPourtaherianさんは話す。
「スタジアムの中に入れても、誰かに仕事を止められるのではないかというストレスに常にさらされ、とても気が散ります」とPourtaherianさんは言う。
それでもなお、行き続けると言う。「正しいと心で分かっているもののためには、戦わないといけないから」とPourtaherianさんは話す。
「夢を持ち続けなければなりません。たとえ障害物がたくさんあり、普通ではないことをしなくてはならなくても」
3. テルマ・ファルディンさん。アルゼンチンの役者。2018年12月、同国におけるセクハラ、性的虐待について、公の場で話し始めた。
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2009年、16歳のときに共演者(当時45)にレイプされた、とファルディンさんは2018年12月に告白した。共演者のJuan Darthesは、申し立てを否認している。
ファルディンさんはこの話をInstagramに動画として投稿し、彼女を支持するコメントが多く寄せられた。みんな自分自身の経験をシェアし始め、性暴力サバイバーの団結を口にし始めた。
この動きは、世界的な #MeToo 運動に対する同国の答えと見られている、とニューヨークタイムズ紙は報じている。
ファルディンさんは、自国における女性の権利について発言を続け、アルゼンチンにおける中絶を合法とする運動に対する支援や、最近では、強姦者の子どもを産まされた11歳の少女への支持を表明している。
4. ラハマリア・アウファ・ヤジッドさん。イスラムと日本のファッションを組み合わせる日本在住のフリーランスクリエーター。
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ヤジッドさんの両親は、インドネシア人のイスラム教徒で、ヤジッドさん自身は東京で生まれ育った。
ヤジッドさんの作品は、自身でスタイリング、撮影、デザインも手がけているのだが、東京の街中で、日本のファッションとイスラムのファッションを組み合わせている。
「イスラムのファッション、ヒジャブのファッションは、宗教の境界線を越え、誰でも共感して、楽しめるものだということを、示したいのです」とヤジッドさん(24)はBuzzFeed Newsに答えている。
「アートを通じて、強く、美しく生きていることを、自分自身に、ひとりのイスラム教徒として示したいのです」
5. ラムラ・アリさん。ソマリア人のボクサー。イスラムの女性がイギリスのボクシング選手権で優勝したのは初めて。
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ソマリアで内戦が勃発したあと、家族とともにモガディシュからロンドンへ逃れたアリさんは、太っていると学校でからかわれたためジムに行き、ボクシングに夢中になった。
2018年、アリさんは、NIKEのグローバルアスリートに選ばれた。
「ときどき、自分が苦難の買い物リストみたいに感じることがあります」とアリさん(27)はBuzzFeed Newsに話している。
「でも、これらすべての困難を経験しなかったら、今の自分にはなれなかったし、ボクシングを通して手に入れたものに感謝したり、振り返って、記録や報酬に感謝したりすることもできなかったでしょう」
女性は(男性よりも)ボクシングにおいて、脆く、弱く、耐え抜けないという誤解に、女性のボクサーは直面している、とアリさんは話す。
「実際には、女性のボクサーの方が、技術面で恵まれていたり、我を前に出さずに学ぼうとしたりすることは多いです」
世界中のメディア大手が、スポーツ業界の女性を意識的に推して、宣伝してくれることを願っている、とアリさんは付け加えた。
6. Johanna Torunoさん。別名は、Unapologetically Brown Series。ニューヨークを拠点とするストリートアーティスト。公共の場を使って、有色人種の人の話を伝えている。
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エルサルバドルで育ったTorunoさんは、有色人種の人に焦点を当て、力を与えたかった、とUnapologetically Brown Seriesを始めた理由をBuzzFeed Newsに説明している。
Torunoさんのアートは、有色人種の女性に焦点を当てている。有色人種の女性は、影響力のあるカルチャー・メーカーで、その長所の成果を見る権利がある、とTorunoさんは話す。
「有色人種の女性は、輝かしいストーリーの持ち主ではありますが、意図的に、私たちのストーリーは黙殺され、押しのけられてきました。除け者にされてきましたが、崇められてもきました」とTorunoさん。
「自分たちのことは自分たちが一番知っているので、私たちのストーリーを語りたいのです」
「ひとの目を気にして萎縮せず、自分たちの自律、空間が欲しいのです」
「女性には力があります。私たちは、この世界を創っています。そして、相応に認められるに値します」
7. Kheris Rogersさん(12)。ロサンゼルス在住。肌の色が黒いために虐められ、自分自身のファッションブランドを立ち上げた。
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「ファッションはいつも大好きでした。でも、その中に、前向きなメッセージを込めたかったのです」とRogersさんはBuzzFeed Newsに話している。
2017年4月、姉と親友のTaylorさんの助けを得て、RogersさんはファッションブランドFlexin' in My Complexionを立ち上げた。自分自身と他の人たちに自信を吹き込みたかったからだ。
「みんなに自分の肌の色を好きになってもらうことが、ブランドを立ち上げた一番の目的です」と話す。
「肌の色が黒かったり、白かったり、薄かったり、そばかすがあったり、アルビノだったり、緑だったりしても! 関係ないのです。全部ひっくるめて、自分自身を愛すべきです」
8. マカレナ・サンチェスさん。アルゼンチンのサッカー選手。Sanchezさんは、アルゼンチンで女性のサッカー選手がプロとして認められるよう戦っている。
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2019年2月、サンチェスさんは、所属クラブのUAI Urquizaとアルゼンチンサッカー協会に対して、訴訟を起こした。シーズン途中で解雇され、同協会を訴える初めての女性となった。
サッカーは、アルゼンチンで一番人気のあるスポーツではあるが、女性の選手は、プロとして扱われていない、とサンチェスさんはBuzzFeed Newsに話している。
男性の選手とは違い、女性の選手は契約書で守られておらず、フルタイムでサッカーをするほど、女性選手の給与は多くない。
自分のためだけではなく、女性選手すべてのために、プロとして完全に認められるように何かしたかったから、訴訟を起こすことにした、とサンチェスさんは語る。
「フェミニズム(男女同権主義)は、私の人生におけるすべてを完全に考え直させました。自分の考え、子どものころから押しつけられてきた概念を考え直しました」
「私はフェミニストです。歴史を振り返って、私たち女性に認められてこなかった権利を、手に入れたいからです。私は、フェミニズムの考え方を実践します。私たち女性を虐げて、私たちが精一杯生きることを許さない制度と戦う唯一の道だと信じるからです」
9. Yagazie Emeziさん。ナイジェリアの写真家。女性とそのストーリーに焦点をあて、アフリカにおける生活を撮っている。

「子どものころからずっと、ストーリー・テリングに惹かれていました。説明できない『フィット感』を探し求めてきました」とEmeziさんはBuzzFeed Newsに話している。
「絵を描いたり、文章を書いたり、動画を撮ったりしました。写真に焦点を当てるようになって、『やっと見つけた。ずっと待っていたのよ』というソウルメイトを見つけたような瞬間がありました」
彼女の作品は、アフリカの女性、健康、セクシュアリティー、教育、美などアフリカの女性を取り巻くストーリーに主に焦点を当てている。
「人、多くの場合は女性なのだが、その人のストーリー、経験をシェアすることを任された」女性として、自分がやっていることは意味がある、ということを確認したいからだ。
「個人的には、他の人の人生で私が役目を果たせる部分、私の写真で何か少しでも役に立つことができれば、という部分についてです」と付け加えた。
自分の作品には決してひとつの決まったメッセージはない、と言うものの、女性たちの写真を撮る中で、粘り強さから多くのことを学んだ、とEmeziさんは話す。
「優しさと辛抱強さは、いつも心に浮かびます」と話している。
10. ダニ・バートさん。世界障がい者サーフィン選手権チャンピオン。アメリカ出身。
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2004年にバイクの事故で、脚を切断。45日間、昏睡状態だった。
以来、世界障がい者サーフィン選手権で優勝しただけでなく、理学療法の博士でもあり、自身のソーシャル・メディア・チャンネルで切断手術を受けた人向けのアドバイスを定期的に発信している。
脚を失った人の生活がどんな風か、誰かがリアルである必要があると思ったので、自分ができることをやっている、とバートさんはBuzzFeed Newsに話している。
「(YouTube)でアドバイスをするプラットホーム、医師としての特権、責任が、私にはあります」
「激しく打ちのめされる気持ちは分かります。自分が通ってきた道を、他の人にとって少しでも楽なものにできれば、と思います」
11. マリア・カマルさん。別名は、Hatecopy。南アジアの女性を題材にしたポップアートを描くカナダのアーティスト。
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失敗の悲しみや苛立ちをユーモアで対処しようと、描きはじめた、とカマルさんはBuzzFeed Newsに話している。
「英語や西洋の文化がよく分からないティーンで、友だちをすべて故郷に残し、クラスメイトからテロリストと呼ばれる氷のように冷たいツンドラにくることは、ことのほか困難でした」とカマルさん。
「手描き漫画で私の復讐を永遠のものにし、毎日直面する虐めを記録する習慣により、自然と、自分の感情や問題に対処できるようになりました。これは20代に入ってからも同じです」
女性に焦点を当てることは、目の前にいる女性たち、世界を前進させる女性たちと繋がり続けるひとつの方法だと彼女は考えている。
「女家長制が強い環境で育ちました」
「私の周りにいた女性たちが、世界に対する私の見方を形づくりました。女性同士の連帯感の美しさに気づかせてくれました。そして、伝統に見せかけて、私たちに家父長制度を差し出す真の脅威にも気づかせてくれました」
12. 西本喜美子さん(90)。びっくりするようなセルフポートレートを撮る日本のおばあちゃん。
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九州在住の西本さんが撮影を始めたのは、72歳のときに友だちにアマチュアの写真教室に誘われたことがきっかけだった。
写真の先生から出された宿題の課題として始めたものが、現在90歳の西本さんの趣味となった。西本さんの愉快なセルフポートレートは、Photoshopを使って自身で編集しており、Instagramのフォロワーは現在では20万人を超える。
「シャッターのカシャッという音が好きなんです」と西本さんはthe Japan Timesの取材に答えている。
「カメラは、私に別の世界への窓を開いてくれました。1日中、家にいるだけでは退屈でしょう」
13. マデリン・スチュアートさん。ダウン症の世界初のプロフェッショナル・モデル。オーストラリア出身。
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2018年、スチュアートさんは、New York Fashion Weekでランウェイを8回歩き、自身のファッションブランドから3度目のコレクションを発表した。
世間が変化に対応する準備ができたときに、自分が出てきたのだと感じる、とスチュアートさんはBuzzFeed Newsに話している。
「ソーシャルメディアのおかげで、私たちの世界は一変しました。ソーシャルメディアは声を与えてくれました。おかげで私は自分のメッセージを外の世界へと発信することができました」
スチュアートさんは、人々が新しいものを目の当たりにして興奮している様子を感じているそうだ。彼女の姿は人々に、乗り越えなければならなかったそれぞれの障害を思い出させる。
「障害者に対する社会の認識を変えたいのです。固定観念を壊し、この分野で働きたいと思っている人たちのために扉を開き続けたいです」とスチュアートさんは話す。
「結局のところ、人口の90%は、従来のファッションモデルのような外見はしていないのですから」
14. Charlotte Allinghamさん。オーストラリア先住民のイラストレーター。先住民の女性を主に描いている。
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Allinghamさんはウィラジュリ族で、メルボルンに拠点を置いている。父親と一緒に先住民の伝統的な絵はいつも描いていたけれども、肌の色が白いため嫌がられるのではないかと心配して、絵を表に出す勇気が今までなかった、とBroadsheetの取材に答えている。
「『白すぎる』と言われると思い、自分のアイデンティティを証明させられたくありませんでした」
2018年、セルフ・ヒーリングの一環で、自分の先祖伝来のものにもっと携わるようになってから、ひとつのコミュニティができてくるのを感じ、「Always Was, Always Will Be Aboriginal Land(アボリジニーの土地で、これからもアボリジニーの土地)」と書かれたイラストが、2018年1月26日、オーストラリア・デーにインターネット上で広まった。
「今は自分がやっていることに対して、2倍気をつける必要があります。人を助ける手段を持っているからです」とAllinghamさんは話している。
「アボリジニーの女性は強く、力があることを広める責務があると感じています」
執筆協力:伊吹早織 BuzzFeed News Reporter, Japan
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この記事は英語から翻訳・編集しました。 翻訳:五十川勇気 / 編集:BuzzFeed Japan