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比民間調査で日本の信頼度向上 ドゥテルテ大統領は中国寄りなのになぜ?

その理由は

フィリピンのドゥテルテ大統領が中国を訪問する。長らく同盟国のアメリカのオバマ大統領に「サノバビッチ」と暴言を吐き、中国やロシアに接近する姿勢を隠さない。一体、国民は、どう思うのか。

フィリピン国民がどのくらい外国政府を信頼しているのかを示す、民間の調査結果が10月18日、公表された。中国とアメリカへの信頼度が下落する中、日本は前回調査時(2016年6月)から数値を上げた。

日本を「とても信頼している」と答えたのは、前回比9%増の56%。「ほとんど信頼していない」との回答は6%減の21%だった。

日本の信頼度が上がったのは、なぜだろうか。

名古屋大学大学院の日下渉准教授は、違法薬物対策における人権侵害を表立って批判しない日本の姿勢を指摘。「日本は、フィリピンの主権を尊重しつつ、大型巡視艦を供与するなどサポートを続けている」と原因を分析している。

今年6月の就任以降、ドゥテルテ大統領は、従来の米追従政策を見直す考えを再三表明し、中国に融和的な発言を繰り返している。

しかし、政府の親中姿勢とは異なり、国民は中国を心底信頼しているわけではなさそうだ。

アメリカは「とても信頼している」が76%。一番高い信頼度を得たが、前回から5%減少した。

中国を「とても信頼している」と答えたのはわずか22%。前回値から比べると5%悪化した。

地元英字紙ビジネスワールドに対して、フィリピン大学のヘルマン・ジョセフ・クラフト准教授は「南シナ海における中国の領有権主張を否定した仲裁裁判の裁定を無視している中国政府の態度が、信頼度を損ねた」との見方を示した。

調査を実施したのは、フィリピンの民間調査機関「ソーシャル・ウエザー・ステーション」。9月24〜27日の期間に、18歳以上のフィリピン人1200人に対して、外国政府に対する信頼度を対面で聞いている。

ドゥテルテ大統領は18日から、フィリピン・ビジネス界の重鎮たちとともに、中国を公式訪問する。訪中団には財閥の大物も含まれ、中国との経済的な連携強化を図りたい、フィリピンの思惑が透けて見える。

今回の訪中では、ドゥテルテ大統領と中国政府が、南シナ海の領有権問題と経済協力の間で、どう折り合いをつけるかが注目されている。

仮に、ドゥテルテ大統領が領有権問題を棚上げし、親中国に振れれば、米国と同盟を結ぶ日本の安全保障問題にも影響を及ぼす。

日下准教授は「ドゥテルテ政権は親中姿勢を示すことによって、日本から引き出す利益を最大化しようとしている。日本は、この駆け引きにどこまで付き合うのか、という難しい選択肢を迫られている」と話した。

ドゥテルテ大統領は10月25日から27日の日程で訪日する。訪日中は、天皇陛下との会見、安倍晋三首相との首脳会談が予定されている。

バズフィード・ジャパン ニュース記者

Kantaro Suzukiに連絡する メールアドレス:kantaro.suzuki@buzzfeed.com.

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