“変われるメイク法”を発信する美容系Youtuberが注目を集めています。

高クオリティなメイク法を分かりやすく発信する『ちゅるちゃんねる』の「ちゅる」(@churumisama)さん。自身の経験をもとにたどり着いた独自のメイク法に、「素晴らしすぎです」「絶対真似します!」などの声が寄せられています。
また、彼女は約3年前に大きな手術を受け、その様子も動画を投稿しています。「私自身が絶対に幸せでいることが重要」と語るちゅるさんに、YouTube活動について聞きました。
自分が、みんなが、なりたい自分になれるように。そして、幸せでいられるようにーー。ちゅるさんが投稿する動画は、視聴者の背中を優しく押してくれる存在なのです。

大手術で、悩みつつ動画を投稿。
「ちゅるちゃんねる」の初投稿動画は、2018年3月公開の「【初投稿!!】自まつ毛でぱっちりメイク☆」でした。
以前は、ツイキャスで配信を行っていたちゅるさん。そこで寄せられた「メイク動画を見たい!」という要望をきっかけに、YouTubeを始めました。
「初投稿の動画出した時に、もし全然伸びなかったら、もうその時点でやめていました。この時に色んな声をもらうことができ、運が良かったなと思います」

ちゅるさんは幼いころから、割り当てられた性別と性自認の違いを感じていました。
ある動画では、自分の生い立ちをこう語っています。
「まわりの男の子は仮面ライダー好きとか言うけど、私はセーラームーン好き、リカちゃん人形ほしい、という感じだった」
「ずっと内心は変わらなかったんだけど、地方にいたということもあって表に出せず、いじめられたこともあった。自分自身のことを受け入れられなくて、自分に嘘をついていた」
しかし、東京に引っ越して新しくいろんな人と出会うことで、自分らしく生きる道を歩み始めました。
そして3年前、タイで性別適合手術を受けることを決めます。その一連の様子を映した動画は、この再生リストにまとめられています。
ちゅるさんが生い立ちを語ったのは、手術前日に撮影した「皆さんにお知らせがあります」という動画でした。

ちゅるさんは、手術が終わった数日後に1度は動画の投稿をやめようとして大泣きしたことを明かします。
「これから女性として生活したいと思っているのに、動画を投稿することで自分が『元男性』と世界中に示しているように感じ、『自分は何がやりたいんだろう』と思ってしまいました」
そのような中でも動画投稿を続けることが出来たのは、タイでカメラを回してくれたアテンダントさんや、投稿した動画に反応してくれるファンがいたからだといいます。
「動画を投稿するにつれて、コメント欄やSNSで、『おめでとう』『頑張れ』といった言葉をもらうようになり、今は辛くても『これはおめでたいことなんだな』と思えるようになりました。それで、なんとか投稿をやりきることができたと、今では思います」
“変われるメイク法”を発信するわけ
メイク動画を撮影する際には、動画の「わかりやすさ」を最優先することを心がけているというちゅるさん。
YouTubeでこの動画を見る
「15分で盛れる清潔なナチュラルメイク」を紹介する動画。コメント欄には「めっちゃめちゃ参考になりましたーーーー!」「ちゅるちゃんのメイク動画は本当に分かりやすいから好き♥」などの声が寄せられています。
「動画の時間が短ければ短いほど、多くの人が見てくれることは分かっています。ただ、メイクの動画のときは、長くてもいいから、コンプレックスを持っている人などに対して、丁寧に説明することを意識しています」
「『メイクを真似したら、変わることができた』というようなことを言ってもらえるのが、特に嬉しいです。自分が発信したことをちょっと信じてもらって、やってみてくれた、っていうことが嬉しいです」
「それで、真似してみたことによって、周りから褒められたとか、可愛くなったねとか、言ってもらうことができたよと伝えてくれるのが、活動の一番励みになってます」

これからは。
「ちゅるちゃんねる」では、メイクや雑談など330以上の動画が投稿されています。
ちゅるさんは、これからも自分が幸せでいる様子を、YouTubeでも発信していきたいと教えてくれました。
「感情的な話になってしまうのですが、私は自分が絶対幸せでいることが重要だと思っています。それは、言ってしまえば『男性から女性になった人』の自殺率が、すごく高いからなんです」
それを裏付ける調査もあります。国立社会保障・人口問題研究所などが大阪市で2019年に行った調査によると、トランスジェンダーで自殺しようとした人の割合は、シスジェンダー・異性愛者の人の約10倍でした。
ちゅるさんは話します。

「手術をした自分が幸せでいて、『ちゃんと幸せに生きてるよ』『元気だよ』っていう様子を投稿し続けたいです」
「たまに、SNSとかで落ち込んだようなことを語ってしまうこともあるんですけど、それでも、ちゃんと生きてるよという感じの発信することで、誰かの希望になれればいいなと思っています」
「自分の場合は、幸せは、形ではなく感情だと思っています。幸せを感じるポイントを増やす努力をしています」
最後に、どうすればその「ポイント」を増やせるのか聞いてみました。
「1日1回、自分のことを褒められるようなことをすることです」
「掃除でもいいし、普段自分がやらないようなことでもいい。『仕事を頑張った』でもいいんです。なにか1個でも自分を褒められるようなことを、毎日続けていたら、少しずつ自己肯定感が上がってきて、幸福感が増すようになりました」
「塵も積もれば山となるじゃないけど、みんななりたい自分に向かって、少しずつでも一歩一歩階段上っていくと、いいんじゃないかな」

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