「ニッチ商品なのに…」開発者もびっくり。「美術館で足音が響きにくい靴」が“意外な用途“で大人気

    その“秘密”は、歩けば分かる…👍

    アート好きのために企画された、美術館で足音が響きにくく、長時間履いていても疲れない「ミュージアム靴」。

    そんなニッチ需要に振り切ったアイテムが、開発者も想定していなかったある用途にぴったり!と口コミで広がっています。

    2023年1月、新日本フィルハーモニー交響楽団の打楽器奏者・腰野真那さん(@ManaKoshino)が「打楽器奏者のために作られたかのようにめちゃくちゃ良い」「今までの本番靴の中で一番かも」と大絶賛し、大きな話題を呼びました。

    フェリシモの"美術館に履いて行くための靴"が、打楽器奏者のために作られたかのようにめちゃくちゃ良い 高さがある楽器に最高の3.5cmヒールだけど、幅が広いから安定するし、何よりも靴音が響かない! 全然響かない! 疲れないしストラップ付で脱げにくい。6.270円。 今までの本番靴の中で一番かも

    Twitter: @ManaKoshino

    足音が響きにくく、歩いても疲れにくいという「ミュージアム靴」は、静寂が求められる演奏会の舞台に、そして長時間立ちっぱなしのことも多い打楽器奏者のみなさんにぴったりです。

    この投稿を機に、図書館や結婚式場、試験会場などでも便利!とじわじわファンを増やしています。

    一時は3ヶ月待ちにもなったこの商品はどう生まれたのでしょうか? フェリシモの企画メンバーに話を聞きました。

    足音が響きにくい秘密

    ヒール靴を履いていると気になるのが、カツカツとした靴音です。

    特に美術館などの静かな場所ではよく響いてしまい、自分の鑑賞に集中できない、周りに迷惑をかけないようにそ〜っと歩くのに気を遣う――という人も多いそう。

    「ミュージアム靴」は、3.5センチのヒール部分が発泡ラバー素材になっており、音の反響を吸収します。

    ラバー底と比較して軽いのもポイント。長時間立ちっぱなしのアート鑑賞を前提に、疲れないことを重視しました。

    T字ストラップと黒いエナメルカラーでデザイン性もばっちり。「スニーカーだと合わない!」というきれいめコーデの時にもしっかり合わせられます。

    開発者も「ニッチな商品なのに…可能性に驚いた」

    「ミュージアム靴」は、通信販売会社フェリシモの公式部活コミュニティ「ミュージアム部」から生まれました。

    仏像を愛する部長を筆頭に、美術館や博物館が好きな部員が集まり、オリジナルグッズやコラボグッズを企画制作しています。

    ――約1年をかけて制作されたとのことですが、どのように企画をすすめられたのでしょうか?

    まずは、SNSでアンケートを実施し、「美術館・博物館などのミュージアムで履く靴について、気を付けていること/大切にしていること」のヒアリングをしました。

    「足が楽であること」「音がしないこと」をあげる人が多く、そこから疲れにくく、靴音が気になりにくく、そしてデザイン性も備えた靴を作りたい!と企画が動き出しました。

    最も大事なポイントである「靴音が響きにくいこと」に加えて、“靴”というアイテムの特質上、ファッション性・機能性・安全性が求められます。

    それぞれの要素で検討と検証を重ね、開発に時間を要しました。

    ――発売当初は、どのような反応が寄せられたのでしょうか?

    嬉しいことに、2021年秋の商品発売当初からご好評をいただいておりました。

    「美術館にはいていきたい理想の靴」をミュージアムグッズのプランナーが作りました! カツカツ足音が響きにくい。ふんわりクッションで立ちっぱなしでも疲れにくい。スクエアトゥのきれいめデザイン。生活防水&滑り止めで雨の日の美術館も楽しめます♪ 詳しくは⇒https://t.co/5GgqNwYeZS

    Twitter: @f_museumbu

    「展覧会に行く時に履いていきました」など、全国のお客さまからのお声やSNSでの反応をいただくたびに、同志がいるような嬉しい心持ちでおりました。

    「ミュージアム靴」は、ニッチなニーズにこたえるものではありますが、ミュージアム部そのものがそもそも偏愛に基づいた活動で、企画制作する私たち自身もミュージアムを愛する当事者でもあります。

    ミュージアム部の他の商品にも通じますが、対象やニーズが狭いからこそ、深い共感をいただけたのかなと考えています。

    ――打楽器奏者の腰野さんに「めちゃくちゃ良い」「今までの本番用の靴の中で一番かも」と絶賛された時、どう感じましたか?

    腰野さんにご紹介いただいてから、たくさんの方に知っていただく機会が増え、大変嬉しく光栄に思っています。

    そして、もともとはピンポイントなニーズに振り切って企画した靴だったため、当初想定していなかったシーンでもご活用いただける可能性に驚きました。

    さらにその後、腰野さんから「私にとってフェリシモのこの靴は、制限を制限と感じず、自分が心地良くいられて、その上おしゃれを楽しむことも出来る、そんな1つの答えとなりました」というコメントをいただき、感無量で胸がいっぱいになりました。

    ――他に、当初想定していなかったシーンでの活用事例があれば、教えてください。

    ご購入いただいた方の職業までは正確に把握できていませんが、美術館の監視員や職員、チャペル勤務など冠婚葬祭の仕事に携わる方など様々な職業の方から、「職場でよさそう」「履いてみたい」というコメントをいただきました。

    「ミュージアム靴」の広がる可能性は無限大…?「観劇にも…」「図書館にもいいですね」などさまざまなアイデアが寄せられています。

    歩き回るけど足音は厳禁の試験官バイトしてたときにこの靴があれば…!

    美術館でバイトしてた時、カツカツならない綺麗めな靴が手持ちに無かったから靴裏にフェルト貼ったの思い出した。

    ピアノの発表会の先生にももってこい!!

    「ミュージアム靴」はフェリシモのオンラインショップで購入できます。3月現在でも注文が集中しており、配送は2023年4月下旬から2023年5月下旬になるということです。