「どうしたら正しい顔になれるの」無料公開された漫画に感情を揺さぶられる人続出

    「色に溢れたこの世界で息が詰まりそうになりながら、私は今日も正解の色を探している」

    漫画『顔に泥を塗る』が話題です。

    作者のヨシカズさん(@ArochamoCOM)がTwitterに漫画『顔に泥を塗る』第1話を投稿したところ、2.3万回以上リツイートされ、11.5万を超える「いいね」が集まりました。

    「まさかの展開にゾッとした」「思ってたのと全然展開違くてたまげちまった」「怖いけど美しい、ぞくぞくする」と漫画に惹かれた多くの声が寄せられています。

    BuzzFeedは作者のヨシカズさんに話を聞きました。

    「真っ赤な口紅塗ったら彼氏にクレンジングオイルぶっかけられた話」と第1話を投稿したのは、コミックス1巻発売の宣伝のためだったと振り返ります。

    「よくあるハッピーエンドかと思ったら裏切られた」「読み終わったら眉間にしわ寄ってた」という声も寄せられた物語はどのようなものなのでしょうか…?

    「真っ赤な口紅塗ったら彼氏にクレンジングオイルぶっかけられた話」

    「俺がお客さんだったら、変にケバい人よりナチュラルで可愛い子に接客された方が嬉しいし」

    主人公の美紅は赤い口紅をつけた日、同棲している彼氏のはるくんから「厚化粧」「ケバい」と言われてしまいます。

    「どうしたら正しい顔になれるんだろう」

    「男の子なのに、こんなに鮮やかな赤リップ似合うんだ…」

    赤い口紅をつけたイヴくんとの出会い。美紅の心境が変化します。

    「イヴくんがどうして女の子の格好をしているのかって聞いてもいい…?」

    自分が好きな赤色の口紅をつけ、それに合うメイクをイヴくんにしてもらった美紅。

    「すっごく綺麗…!」

    このページで、第1話の「真っ赤な口紅塗ったら彼氏にクレンジングオイルぶっかけられた話」は終了です!

    「好きだぁ…続きがきになるでありますわ」「衝撃受けた展開だった~続きも読みたいこれ」と作品にひきこまれた人も多い様子…。筆者自身もその一人です✋

    主人公の美紅は、作者ヨシカズさんの友人をモデルにしているそう。イヴくんは特定のモデルはいないものの「常に自分にとって”ヒーロー”と呼べる人たち」を思い浮かべて描いたと振り返ります。

    ヨシカズさんは、漫画に「『女性だから』『マイノリティだから』『こういう職業だから』などの差別的な理由で投げつけられる理不尽と戦いたかった」という思いを込めたと教えてくれました。

    「作品は、自分が今まで社会で生きてきて感じたことが自然と反映されていくものだと思います。なので、そういう意味では特別意識せずに描いています」と言います。

    ただ、現代日本を舞台とする作品を創作する立場としては心掛けていることがあると話します。

    「自分の考えが偏り過ぎていないか、現代社会の問題を正しく理解できているかなどは常に自問自答し、毎日のニュース記事や話題になった本はなるべく読むようにしています」

    大きな反響の中で、はるくんに対する怒りの声とイヴくんへの共感の声が特に嬉しかったそうです。

    「理不尽に抗うことと自由を求めることをテーマに描いているので、ちゃんと届けられたのかなと、とても嬉しかったです」

    コメントは他にも「感情移入とかそんな生易しいもんじゃなくて、自分を見てる気がする」「私もこの主人公と同じような気持ちになったことあるので、すごく刺さりました」という美紅と自身の経験を重ねる声も寄せられています。

    また、「メイク好きは見るのワクワクするやつ」「メイクが私自身大好きなのでこのようなストーリー楽しく読まさせていただいてます」との声が寄せられるほど、漫画『顔に泥を塗る』には印象的で素敵なコスメが登場します。

    「作中に登場するコスメはどれもデザインの美しさに一目惚れしたものなので、全部好きです」

    「作中でモデルにさせていただく時は、『白黒でも映えるデザイン』をチョイスさせてもらってるので、日ごろからお店に行ったりHPを見たりして素敵なデザインのコスメをチェックしています」

    ヨシカズさんのお気に入りのコスメブランドは、強いて挙げるとしたら「ZEESEA」だと教えてくれました…✨

    「デザインが個性的でツボなのと、明るい色の発色がとても綺麗なので…」

    最後に、ヨシカズさんにメイクとはどのようなものかを尋ねると、「性別問わず誰もが楽しめる趣味であってほしい」と答えました。

    「メイクは本来楽しくて素敵なものだと思いますが、女性だけが『メイクは社会人としてのマナー』と強いられたり、逆に男性がメイクすると『男らしくない』などの言葉で否定されたりすると、何も楽しめなくなってしまいます」

    「ただ純粋に、メイクをした人の心を豊かにするものであってほしいと思います」