思わず「本当にこれでいいの?」と声をかけたくなる“お弁当”の中身が話題です🍙
フィンランドで暮らす取田新さん(@niintotta)が、夫が仕事に持って行くランチの写真とその時の会話をTwitterに投稿したところ、8000回以上リツイートされ、4.1万を超える「いいね」が集まりました。
中身の少なさに困惑する取田さんと、「これはランチであってベントーではない」と話す夫さんのギャップに、「文化の違いってあるんだね」「なるほど…🤔」などの反響が寄せられています。
話題になった投稿とは…?
取田さんが「本当にこれでいいの?」と声をかけたのは、夫が仕事に持って行く“お弁当”。マッシュポテトとミートソースを半分ずつ入れただけ、という中身のシンプルさに思わず確かめてしまったそう。
ですが、夫はこれで充分。その理由について「これはランチであってベントーではない」と話します。
「日本の細々おかずのお弁当はファンシーなおもてなし料理であり、オフィスに持っていくものではない。あれを毎日当たり前に作って食べる文化の方が、私にはクレイジーなレベルに感じる」
フィンランド人の夫にとって、品数が多い“お弁当”はおもてなし料理であり、仕事に持って行く“ランチ”とは別物だと言うのです。
それでもちょっと気になる取田さんはこんな風に声をかけたそうですが…。
「一応捕捉すると、私が『卵焼きならすぐできるよ?ブロッコリー茹でようか?せめてプチトマトでも入れようか?』とあれこれ言った後の発言です。文化の押し付けよくないね」
「日々CRAZY☆BENTO作ってる皆様、世界的に見たら本当にすごいんだと思う」
BuzzFeedは、投稿した取田新さんとその夫に話を聞きました。
取田さん夫婦は、フィンランドのタンペレという街で1歳の息子さんと暮らしています。当時の状況などについて、2人から話を聞きました。
――夫さんは、普段からご自身で“お弁当”を作られているのですか?
(夫)お弁当は毎日持って行っている訳ではなく、週3程度の頻度です。たいていは自分で用意しますが、妻が作ってくれることもあります。
――日本の“お弁当”を初めて目にした時、夫さんはどのように思いましたか?
(夫)初めて日本のお弁当を見たのは、3才くらいの時に観た映画『となりのトトロ』でした。その時は小さかったので、それが何だったかは分かりませんでしたが、とにかく見た目が美しいと思った記憶があります。
その後、ティーンエイジャーの頃にインターネットで見た「キャラ弁」にびっくりしました。食への執念がすさまじいというか、味はもちろん、見た目も傑作を目指すことに対して、日本のすごい意気込みを感じます。
――フィンランドにはどんなランチ文化がありますか?持参するのは一般的なのでしょうか。
(夫)私がフィンランドで経験したのは、会社付近にある地元のレストランでランチを食べ、会社が一部~全部その金額を負担するというパターンです。
例えば、メニューとして1日目はレモンとタイムの鶏肉グリルとお米、2日目は白身魚のフライとジャガイモ…などです。他には、いわゆる「グリル系」、例えばフライドポテトとポークカツやハンバーグにサラダといった感じでしょうか。
オフィスに持って行く時は、お店で買ったもの、もしくは前日の残り物かサンドイッチが主流だと思います。
――夫さんの“お弁当”への考えを聞き、取田さんはどのように思いましたか?
(取田さん)シンプルに「そうなんだ」と思いました。
実は、以前も私が「品数が多いとテンション上がるよね~」みたいなことを言ったときに「そう?」と返されて衝撃を受けたことがありました。他にも、夫がとても凝ったおいしい料理を作りつつも、盛り付けの見た目に全くこだわらなかったという経験もしていました。
たしかに、日本は見た目と品数に対して情熱を注ぐ文化があるよな、と慣れ親しんだ自分の価値観を客観視し、ふむふむと納得したりしていました。
今回の会話もそういった経験の中の1つでした。日本を出て5年近く経っても自分は、日本食的価値観を内包しているんだな、と感じました。
――お二人は、今回の投稿に対する大きな反響をどのように受け止められましたか?
(夫)まさかここまで大きな反響があるとは思いませんでした。自国の文化が他国の人からどう見えているかは、どの国の人にとっても興味深いトピックなんだなと思いました。
(取田さん)何の気なしにツイートしてしまい、良くも悪くも受け取れるワードチョイスだったのでヒヤッとはしました。
ただ、仕事などに持って行く“ランチ”がいわゆる典型的な“お弁当”である必要はないよね、という反応が多かったです。
お弁当作りを日々がんばっている方の気持ちが少しでも楽になったり、すごいことをしているという気持ちになったりすれば、嬉しく思います。