• lgbtjpnews badge
  • lgbtjapan badge

トランプ政権、LGBTQの自殺防止に関わる予算廃止へ。「『命を救う必要がない』とメッセージを送ることになる」著名人から反発の声

2025年4月、米トランプ政権が、LGBTQの自殺防止のためのホットラインへの連邦予算を10月から廃止する可能性があると報道された。これを受け、NPO団体は資金継続を求めて「公開書簡」を発表。多くの著名人の賛同が集まっている。

2025年4月、米トランプ政権が、性的マイノリティ(LGBTQ)の自殺防止のためのホットライン「988 自殺・危機ライフライン」に対する連邦予算を、今年10月分から廃止予定であることがわかった。

この報道を受け、LGBTQの自殺防止に取り組むNPO団体「ザ・トレバー・プロジェクト」は6月2日、資金の継続を求める公開書簡を発表。現在、100人を超える著名人が署名、賛同している。

「壊滅的で、命にかかわる影響を及ぼす」

プライド月間に合わせて発表された書簡には、すでに歌手のアリアナ・グランデや、俳優のダニエル・ラドクリフ、ペドロ・パスカル、日本にルーツを持つスタンダップコメディアンのアツコ・オカツカらが署名。

団体は、Webページでさらに多くの著名人に賛同を呼びかけている。

「連邦政府の資金援助を廃止するという提案に、私たちは深く悲しんでいます。今回の措置は、全米の若者にとって壊滅的で、命にかかわる影響を及ぼすでしょう」

「アーティスト、クリエイター、公的な立場にある者として、私たちの発信には責任が伴います。そして今日、その責任は明確です。『LGBTQの若者のメンタルヘルスと命を守るために、私たちは声を上げなければなりません。黙っていられません』と」

「ライフラインを断つ=『命を救う必要がない』とメッセージを送ることになる」

「これは政治ではなく、人々にかかわる問題です。深刻な分断の時代において、私たち全員が一致しなければいけない点があります。それは、この最も困難な時代に、若者が支援を受けられないまま放置されてはいけないということです」

「このライフラインを奪うというのは、LGBTQの若者に『あなたたちの命は救う価値がない』というメッセージを送り続けることになります。私たちはそんなメッセージを受け入れられません」

「私たちは行政と連邦議会に対し、正しい行動をとるよう求めます。2026年度予算において、『988 自殺・危機ライフライン』のLGBTQユースに特化した支援の資金を回復し、保護することです」

当事者への力強いメッセージも「あなたたちのために闘い続ける」

公開書簡には、LGBTQ当事者へのメッセージも添えられている。

「これを読んでいるLGBTQの若者たちへ。あなたは1人ではありません。私たちはあなたたちのことを見ています。大切に思っています」

「安心を感じ、サポートを受け、ありのままに愛される権利があります。人間の尊厳を尊重する、命を救うためのサービスにアクセスする価値があります」

「あなたはいま、傷ついているかもしれない。恐れているかもしれない。誰もあなたの声に耳を傾けていないと思うかもしれない」

「しかし、私たちはちゃんと聞いています。立ち上がり、声を上げ続けます。あなたたちのために闘い続けることをやめません」

英ガーディアン紙によれば、「ザ・トレジャー・プロジェクト」のジェームス・ブラックCEOは声明を発表。

「エンタメ界における影響力のあるリーダーたちが、自殺予防は政治ではなく、人々にかかわる問題であると声を上げ、公に投げかけていることに、深く感謝します」と敬意を表した。

だが、米保健福祉省が6月6日、「988 自殺・危機ライフライン」の予算案を廃止することを正式に発表。現地のメディア各社が11日に報じ、「ザ・トレジャー・プロジェクト」は、予算廃止の決定をやめ、援助を全額戻すよう求めた

なお、同プロジェクトは4月の報道時、「今回のニュースは残念なものではありますが、まだ最終的な決定ではありません」「予算の配分変更に関係なく、当プログラムはこれまで通り、我々を必要するすべての人々に24時間365日対応し続けます」と支援の継続を発表している。

My Kind of Pride(私なりのプライド): 誰かじゃない、わたしの話。