多様な容姿を受け入れ、ありのままの姿を愛そうというムーブメント「ボディポジティブ」。
日本でもようやく広がりがみられるようになったものの、一般社会ではまだ自分の体型や容姿に自身が持てず、苦しむ人が多いのが事実です。

そんな中、ボディポジティブに関するメッセージを積極的に発信する女性がいます。プラスサイズモデルの北原弥佳さんです。
彼女が活動にいたるまでの経緯と、本当に伝えたい思いを聞きました。
ネガティブな部分は全て個性

――ボディポジティブに出会って、外見に対する気持ちはどのように変化しましたか?
以前は、「太っている自分は悪」と考え、自分のことが大嫌いでした。
しかし、この言葉に出会い、意外に自分は自分の事が嫌いではないことに気づきました。
「私もそのままで大丈夫」と心から思った時、涙が溢れてきました。それほど、厳しく自分自身の首を絞めていたのだと思います。
それから、今まで感じていたネガティブな部分は全て個性という認識に変わり、自分の身体が好きになりました。
ダメな自分を受け入れる

――ありのままの自分を愛するために大切にしていることは何でしょうか。
ダメな自分を受け入れる。
そして、全てが駄目なわけではなく、いい部分もある、と心でちゃんと認識することです。
自信がない時には口に出して「今日は目は小さいけど全然悪くないよ、むしろ最高なんじゃない?あなた♡」と言ったりしています。
赤ちゃんの時の自分に接する気持ちで、優しく(笑)
きっかけは友達の後押し

――北原さんは、ピーチジョンが2019年に行なった“リアルサイズモデルキャンペーン”に選ばれた事で注目を集めました。現在の活動に至るまでの経緯を教えてください。
ちょうどボディポジティブについての発信をし始めた時、友達がピーチジョンのオーディションのURLを送ってきてくれた事がきっかけ知りました。
もっと沢山の人にボディポジティブを届けたいという願いと、どんな女性でも輝けるという事を肉付きが良い私が表現できればと思い、オーディションを受けることにしたんです。
自分の輝くステージは自分で作れる

――SNS上での発信で大切にしていることはありますか?
共感してもらえるような投稿を心がけています。キラキラな世界が全てではないし、感情にも波があるので、ネガティブな事も思っている事を素直に伝えるようにしています!
自信がない人や悩んでる人に対して優しくありたいし、その想いを包み込めるような人間になりたいです。
あと、私のInstagramには、自分ひとりで撮影したものが多数あります。
モデルをやりたいけど、カメラマンさんに声をかけるのが怖かったし、撮影してくれる人がいない事にも悩んでいました。
でも、「もう自分でやってやる!」と思い、三脚を置いて一人で撮影し始めたんです。
自分の輝くステージは自分で作れることも伝えたいです。
私の姿が誰かの勇気に繋がったら

――これからやっていきたい活動はありますか?
スタイルを変える事なく、このまま堂々とモデルとしての活動をしていきたいのと、ボディポジティブの発信です。
私の姿が、誰かの勇気に繋がったら嬉しい。笑われる事も指を刺される事もあるけれど、私は負けない!
あとこれは本当に夢のお話なのですが、日本人のプラスサイズモデルとして海外のランウェイをウォーキングしたいです。
この夢が叶う時には、もっと多様な美しさが認められる世界になっていると思います。
あなたにも素敵な部分がある


それから、自信を持とうとしなくていいんです。
いきなり「自信を持とう!自分を好きになろう!」と思うと、逆に自分の嫌いな部分が浮かび上がってしまいます。なので、まずは自分の好きな部分を見つけ、認識して褒めてあげてください。
気付いたら自分という「最悪な存在」が「大切な存在」に変わっていると思います。
私もまだまだ”自分嫌い”は心の端っこに残っています。でもそれが人間で、悪い事じゃありません。
まだまだ人間としてもモデルとしても未熟な私ですが、他人に醜いと簡単に言える世界を変えていきたいと思って奮闘しています。他人より自分のlikeを大切に。あなたは美しい!
