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ゲイの息子を持つ元保守派の父親。自宅前に「アライ・フラッグ」を設置し、ネットで称賛の声

ゲイの息子を持つある父親が、性的マイノリティのコミュニティをサポートする、「アライ」を象徴する旗を自宅前に掲げました。

アメリカ・オクラホマ州に住むケイデン・ワイアットさん(15)は、2020年6月6日に、自分がゲイだとカミングアウトしました。

カミングアウト後、父親のジョンさん(45)をはじめ、家族はケイデンさんをサポートしています。

毎年6月は世界各地で「プライド月間」とされ、LGBTQ文化を祝うプライドパレードやイベントなどを通して、LGBTQの尊厳や平等性の向上を推進することを目的としています。

ワイアット家では初めて、そしておそらく近所でも初めて、プライド月間に家の外に「アライ・フラッグ」を掲げました。

「アライ」とは、性的マイノリティの当事者ではないものの、そのコミュニティをサポートする人のことを指します。

「アライ・フラッグ」には、白と黒のストライプの背景に虹色で「A」と描かれています。

レディー・ガガの「Born This Way」を流しながら、旗を掲げる様子をTikTokに投稿したジョンさんは、近所の人たちや100万人以上のTikTokユーザーに向けて、「オクラホマに衝撃を与える」と宣言しました。

投稿したTikTokは大反響を呼び、ワイアット家を称賛する多くのコメントが寄せられました。

ケイデンさんはBuzzFeed Newsの取材に応じ、「こんなふうに支えてくれる両親がいて、私は本当にラッキーだと思います」と話しています。

ワイアット家が住むタルサ郊外のオワッソは、保守的な住民の多い地域です。

トランプ前大統領の支持者には保守派が多く、一部は人種・性的マイノリティの運動を支持しない人もいます。

「近所にはQアノン(ネット掲示板から発祥した陰謀論)の旗がたくさんあって、トランプを支持する旗や、ブルー・ライブズ・マター(警官の命も大切)の旗もたくさんあります。レインボーフラッグは、まったく見られません」とジョンさんは言います。

もともとLGBTQコミュニティをあまりサポートしておらず、保守的で信心深かったというジョンさん。

しかし、彼と妻のジャネルさんは、当時まだ幼かったケイデンさんがゲイかもしれないと思ったとき、考え方が変わったといいます。

「息子がゲイであることをカミングアウトするのは、時間の問題であると知っていたので、その頃に性的マイノリティを受け入れ始めました」とジョンさんは言います。

「息子には、私たちが彼を支え、味方でいることを示す必要がありました」

ジョンさんたちが掲げた「アライ・フラッグ」は、昨年の春に開催された街で初めてのプライド・フェスティバルで、ケイデンさんとジャネルさんが購入したものだそうです。

ケイデンさんの部屋には、レインボーフラッグが掛けられています。

一家がその旗とは別の「アライ・フラッグ」を家の外に掲げたのは、「家族全員が性的マイノリティに賛同していることを示すシンボルになってほしいと願っているから」だと、ケイデンさんは語ります。

「僕の両親が性的マイノリティをサポートしていること、そして僕もそのコミュニティの一人だということを知ってもらいたいんです」とケイデンさんは語っています。

TikTokに投稿した動画には、この「アライ・フラッグ」について、多くのコメントが寄せられました。

なかには、「ストレートや、シスジェンダーの人々を中心にしている」というコメントがあり、議論を呼びました。

ジョンさんはその後、「アライ・フラッグ」について説明した追加の動画を投稿しました。

@wyattearptulsa

Reply to @hunterytho Black and White Bars: Represents heterosexual and/or cisgender people. We are our sons biggest allies.

♬ original sound - John K Wyatt

「黒と白の線は、異性愛者とシスジェンダーのコミュニティで、性的マイノリティをサポートする人を意味する『アライ』を表しています。そしてもちろん、『A』のレインボーカラーは、性的マイノリティを表しています」と動画でジョンさんは語っています。

ジョンさんは、誤ったメッセージを伝えてしまっていないかどうか確認するために、旗について調べたといいます。

「ケイデンの意志で、この旗を買うことにしました。しかし、旗について詳しく調べてみることにしました」 とジョンさんは動画で語っています。

追加の動画には、家族が選んだ旗を「気に入った」というコメントが寄せられました。

ネットでは多くの支持が寄せられている一方、一家は近所の人に旗を盗まれたり、折られたりすることを心配しています。

幸いにも、今のところ目立った反応はありません。

「この近所が安全な場所であることを、近所の人にもわかってほしいです」とジョンさんは言います。

「近所で論争を引き起こすつもりはないけど、もしかしたらこの旗を見て、笑顔になったり、安心したりする人がいるかもしれない」

レズビアンとゲイ、そしてその家族や友人を支援する団体、PFLAGの元会長で、タルサ支部の創設者であるナンシー・マクドナルド氏は、BuzzFeed Newsの取材に応じました。

マクドナルド氏は、性的マイノリティを象徴する旗を掲げることは、親が当事者である子どもたちへのサポートを示す方法であり、それがアライ・フラッグであれ、レインボーフラッグであれ、どちらでも構わないと語っています。

「私は、私たちが性的マイノリティの子どもをサポートする家族だと人々に伝えるため、レインボーフラッグを掲げています」

ワイアット家の動画には、「自分の親も、自分のセクシュアリティ(性的指向)やジェンダー(性自認)を受け入れてくれたらいいのに」と多くのコメントが寄せられました。

ジョンさんは、家族にサポートされていない人に、自分の家の旗を見て「自分は一人じゃない」と思ってもらえたら、と語っています。

「そのようなコメントをもらうたびに、私はあなたたちをサポートしていると伝えています」

「もし話し相手が必要なら、私が聞き手になります。もし『お父さんからのハグ』が必要なら、私がいます。近くに住んでいて、一緒に夕食を食べてくれる人を探しているなど、どんな理由でも、私たちの家族は受け入れます」

ケイデンさんにとって、自分を大胆に表現するの簡単ではありませんでした。しかしそれを成し遂げ、彼は満足しているそうです。

「最初はみんながどう思うかわからなくて不安でした。でも今では、みんながどう思うかなんて気にしていません」

「私は、ありのままの自分でいたいと思っています」