「デミセクシュアル」という性的指向、あなたはどれくらい理解していますか?
主に精神的に強い結びつきを感じられる相手にだけ、性的魅力を感じるデミセクシュアル。セクシュアリティや恋愛関係に詳しい心理学者に話を聞きました👀
「デミセクシュアル」というセクシュアリティを知っていますか?

「性的欲求を抱かない」と説明される「アセクシュアル」なら聞いたことがある人がいるかもしれません。
アセクシュアル同様デミセクシュアルも、誤解されることの多いセクシュアリティのひとつです。
そこで、セクシュアリティや恋愛関係に詳しい心理学者のアントニア・ホールさんに、デミセクシュアルとは何か、質問してみました👀
デミセクシュアルの人たちは、他者に対して強い愛情を感じたり、誰かと強い絆を築いた後、はじめて他者に性的魅力を感じます。

「デミセクシュアルは、『精神的に強い結びつきを感じられる相手にだけ、性的魅力を感じることがある』という流動性があるため、パートナーと性行為を行うこともあります」
「しかしそれは性的欲求というよりも、相手とより親密になりたい欲求から性行為に及ぶ場合が多いです」とホールさんは説明します。
ここまで読んで「私も絆を築いた相手と性的関係を持ちたいと思う。それなら私もデミセクシュアル?」と思った人がいるかもしれません。

最終的に自分がどのようなセクシュアル・アイデンティティを持っているかは本人にしかわかりません。
意識すべきところは、デミセクシュアルの人たちは強い信頼関係が築かれていなければ、相手に性的魅力を感じないという点です。
「デミセクシュアルは、基本的に性的欲求を抱かないとされています。異性愛社会でよく見られるような性的魅力に刺激されないことが多いのです。デミセクシュアルを自認するほとんどの人は、性的興奮が起こる前に感情的な結びつきが必要です」とホールさんは話します。
デミセクシュアルの人たちは、パートナーとの関係において、必ずしも性行為が必要な要素ではないため、批判や偏見に悩まされることがあるといいます。
「そんなセクシュアリティはない」「良いセックスをしたことがないだけ」などの不正確な決めつけや、単なる「成長過程」として片付けられてしまうこともあります。
そのような偏見は、デミセクシュアルを自認する人たちが「性行為なしでは誰も自分とデートして知り合う時間をとってくれない」と感じてしまう原因に繋がってしまいます。
デミセクシュアルは、「禁欲主義」や「独身主義」と一緒にされることもありますが、それは間違いだとホールさんは指摘します。

禁欲主義や独身主義がその人の意志による「選択」であるのに対し、デミセクシュアリティはその人に備わっている性質です、とホールさんは説明しています。
恋愛関係の中で何を望んでいるかをいちばん理解しているのは自分自身。それは、相手も同じです。

「他者の性的指向やセクシュアルアイデンティティを尊重する上であなたができることは、『相手が恋愛関係で何を望んでいるかは、相手がよく知っている』ということを受け止め、信頼することです」とホールさんは話します。
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この記事は英語から翻訳・編集しました。翻訳:オリファント・ジャズミン