「何もしない」という贅沢。人生ひと休み旅

「はじまりの地」を巡ります――。

最近ずっと疲れてるわ…って人、聞いてください。

減らない仕事、終わらない家事。

物憂い気分は日に日に増して、

休みの朝さえ目はうつろ。

わかる、わかるよ、その状況。

シカの世界もおんなじだから。

私はしんどいとき、

いつもある場所を訪れます。

はじまりの地・奈良に建つ、

静けさと晴れ晴れしさに充ちた4つのお寺。

それが、奈良大和四寺（ならやまとよじ）。

それでは順番にご案内します。

総本山長谷寺には、399段の「登廊（のぼりろう）」があります。平安時代の文学にも登場するこの石段を、歴史を感じながらゆっくり上がっていきましょう。

登廊を上がりきると、そこが長谷寺の本堂。お参りをしたら外舞台へ。奈良大和の雄大な風景が視界いっぱいに広がります。

こちらは名物の「草もち」。門前の参道で買うことができます。どこか懐かしいヨモギの味と香り、そして長谷寺の穏やかな雰囲気を感じながら、癒やしのひと時を過ごしてみてください。

【周辺情報】門前の参道には、このマップ以上にたくさんのお店が立ち並んでいます。「草もち」は複数のお店で売られているので、すぐに見つけられるはず。

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「女人高野（にょにんこうや）」とも呼ばれる室生寺（むろうじ）。その昔、女人禁制だった高野山に対して女性の参詣が許されていたことが由来です。入口となる「太鼓橋」を渡り、いざお参りへ。

参道を進んでいくと、赤と青の仁王像が並び立つ、朱塗りの仁王門が見えてきます。門をくぐれば、日常を忘れさせる厳粛な雰囲気が、より一層広がります。（＊2019年4月現在、仁王門は改修中です。）

室生寺の境内には、「五重塔」などの国宝や重要文化財がいくつも建っています。足を止めて、境内を彩る美しい花々や木々と一緒にゆっくり眺めてみましょう。

【周辺情報】太鼓橋の手前に食事処が集まっています。お参り前後に寄ってみて。

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PIXTA

厄除けで有名な「岡寺」。ゴールデンウィークには、彩り鮮やかなダリアが浮かぶ「華の池」が境内にあらわれます。詳しくは岡寺のFacebookページでご確認を。（見に行かなきゃ…！）

岡寺のご本尊、如意輪観音菩薩座像（にょいりんかんのんぼさつざぞう）にお参り。本堂内の美しい装飾・照明と相まって、ここだけ時が止まっているような、不思議な気持ちにさせられます。

境内の奥には、一面に緑が広がる場所も。岡寺は、総本山長谷寺や室生寺ほど広くはありませんが、参拝者に様々な顔を見せてくれます。入口の仁王門から奥の院まで、のんびりと参りましょう。

【周辺情報】カフェやレストランは岡寺から少し離れた場所にあります。グルメも満喫したいなら、レンタカーで巡るのがおすすめです。

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池に浮かぶ金閣浮御堂（きんかくうきみどう）が美しい、安倍文殊院（あべもんじゅいん）。池を覗き込んでみましょう。優雅に泳ぐコイと、懸命に水を掻くカメ。その姿を、何も考えずただじっと目で追ってみるのも、休日の素敵な過ごし方です。

参拝コースに申し込むといただけるお抹茶と、吉野葛入りの手づくり落雁（らくがん）。茶室から見える風景をのんびり眺めながら、ひと口ずつ、贅沢に味わいましょう。

安倍文殊院のご本尊は、「三人寄れば文殊の知恵」の格言で有名な文殊菩薩の一尊、渡海文殊（とかいもんじゅ）。すべてを見透かされているような、その神秘的な視線を感じてみてください。

【周辺情報】安倍文殊院は最寄り「桜井駅」からバスで約7分、徒歩で約20分。周辺には和食やフレンチ、カフェなどのお店があります。

疲れが溜まってるな、と思ったら…

2泊3日で時間を気にせず、奈良大和四寺をゆったり巡ってみませんか？　何もしなくても心が満たされる、贅沢な時間を過ごしてみてください。

〈巡礼モデルコース〉

★総本山長谷寺・室生寺コース

★岡寺・安倍文殊院コース

＊効率よく巡りたい方向けのバスプランも

ちなみに、5月はちょうどお花が見頃です。

PIXTA

これは行くシカない。