iPhoneを毎年買ってるから言える。XSは史上最高だ。さて、この記事を読んで欲しい

    その高い価格を考えても、よい機種だ。

    Warner Bros./ BuzzFeed News

    筆者によるA12 Bionicチップを搭載したiPhone XS Maxのイメージ

    筆者は初代モデルからXに至るまで、iPhoneの全機種を買い、使いこんでいる。iPhone XはAppleが作った中で最高のiPhoneであり、いま売っているスマホのなかでも最高だ(個人的には)。iPhone XSとなるとさらに上を行っている(個人的には)。

    だからといって、大騒ぎするほどのものでもない(個人的には)

    作家のマイケル・ポランはかつて、人間が実践すべき健康的な食生活をシンプルな3つのフレーズからなる格言にまとめ上げた:「食事はとること。食べ過ぎないこと。主に野菜類をとること」。スマホを買うのも一緒だ。

    • 好みのエコシステムを選ぶこと
    • 予算の範囲内にすること
    • 最新機種を買うこと

    最近ではまともなものを選べば、画面はきれい、バッテリーは長持ち、カメラ画質は上がり、メディア再生も素早くなり、アプリ機能は大幅向上する。

    これ以上のものを一体誰が求めるのだろうか。自分が求めるかと聞かれれば、今となっては自信がない。

    2015年のこと。iPhone 6sを気に入っていた。今回の最新型iPhoneをじっくりと使ってみて思ったのは、iPhone 6sを使った感想の実に多くの部分が、下手するとそっくりそのまま同じなのはないかということだ。

    iPhone 6sのカメラ機能について私はこう書いている

    iPhone 6sの新登場12メガピクセルのリアカメラを使って撮影した写真の出来栄えは、iPhone 6の8メガピクセルのカメラで撮影した写真に比べ若干向上しているようだ。カメラマン的なセンスがない私が見てもだ。

    Appleに言わせれば「ローカルトーンマッピング性能の向上」とFocus Pixelsという「先端ピクセルテクノロジー」のおかげらしい。恐らくそうなのだろう。私は気にもしないが。

    肝心なのは、娘を撮った写真が以前より温かみが出て、輪郭がくっきりとし、きめ細かくなったことだ。理由はどうでもよいのだ。しかも拡大表示してみても、写真のクオリティーは変わらないようだ。

    肝心なのは、愛犬と一緒にiPhone 6sで撮った自撮り写真の出来栄えが、iPhone 6で撮ったものより良いという点だ。これはiPhone 6sの「True Tone Flash」が周囲の光とマッチした結果、より「本物に近い色」を作り出したからだろうか?

    分かったよ、そうなんだね。なんにせよ、ここで重要なのはiPhone 6sで撮った犬との自撮り写真が、iPhone 6よりきれいに撮れたってことだ。

    要するに何が言いたいのか。iPhone XSで犬と自撮り写真を撮ると、iPhone Xよりきれいな写真が撮れる。だが、違いはほとんど分からない程度だ。

    だからといって、XSやそのカメラの性能をdisるわけではない。テクノロジー面では素晴らしく圧倒的な進化を遂げている。強力な人工知能を採用した「Neural Engine」を搭載して風景と被写体を区別できる。しかもシャッターボタンを押した瞬間に。(人の顔を判別できる!深度が測定できる!)

    風景の深度を調整できるので、写真を撮った後からでもピントを合わせ直すことが可能なのだ。写真の出来栄えについては最もいい加減な部類の筆者にとっては、こんな技術は本当にどうでもよい。数えきれないほどのパターンで写真を撮影できるスマホのカメラ機能なんぞ。

    (注:Samsung製品に搭載のLive Focus機能を使えば アンドロイド採用スマホでも同じことが可能。だから、お好きなエコシステムをお選びくださいね)

    Appleのカメラ機能開発を担当するエンジニアの1人は、Neural Engineが「複雑な計算式」を使って傑作写真を合成する技術だと説明した。適切な表現だろう。新しいスマホに1200ドル(プラス消費税)をつぎ込む予定があるなら、飛びついてしまう機能だ。

    実際に使ってみると、相当すごい技術だ。床下に落ちた汚いシーツの山かと思っていたものが、あっという間に完璧に、毛がフワフワの白い犬に変化してしまう。「まったく ... こいつは神業だ」。


    犬とiPhone XS Max

    iPhone XSのカメラ機能が素晴らしい理由は、パワフルな半導体が内蔵されているからだ。その名はA12 Bionicチップという。Appleのフィル・シラー上級副社長はA12を紹介した際に「スマートフォンの中で、最も賢く、最もパワフルなチップ」と述べた。

    さて、シラー上級副社長は、筆者が覚えている限り同じセリフ(またはそれに近いこと)をAppleが開発した全ての半導体を紹介する時に使っている。それでも正直に言うと、A12が 間違いなく技術面で素晴らしく、iPhone XSが前機種より性能を上げたのはA12のおかげだとは思う。

    しかし、A12チップが載ったことで、昨年モデルのそもそも意味不明だった毎秒6000億回の演算処理能力が、今年になってさらに意味不明な毎秒5兆億回に進化したからといって、筆者には何の意味があるのか全く分からない。ひょっとして、ベンチマークやバッテリーの持ちに興味がある人たちには、何らかの意味があるのかもしれない。

    しかし筆者個人のベンチマークに限っていうと、iPhone XS本体のことにしか興味がわかない。しかし、それをいうなら、iPhone XやiPhone 6sも同じだった。故スティーブ・ジョブズが言っていたように、iPhoneは全機種が「革命的製品」だった。どの機種を触っても、満足した。

    XSとXS Maxで、iPhoneの性能が上がっているのは間違いない。Appleの主張を裏付ける参照文献やセールスポイントは山ほどある。しかし大事なのは、iPhone XSを使って、筆者個人のユーザー・エクスペリエンスが進化した訳ではないという点だ。仮に進化しているとしても、実感がわかない。

    XS Maxの方がXよりバッテリーが持つというのは知っているが、自分にはあまり関係ない。今使っているXがバッテリー切れになったためしがないからだ。もちろん、iPhone Xはヘビーに酷使している。XSになって新たに採用された「ワイド・ステレオ」スピーカーは素晴らしいものだが、ラジオ・ラヒームがラジカセを持ち歩いたように、自分がiPhoneを持ち歩くとは考えにくい。

    XS Maxの処理速度が速いのは分かるが、Xの時点ですでに速すぎて、処理速度が向上したという実感が持てないでいる。ディスプレイ画面は美しいけど、Xに比べてTrue Blackの度合いが向上して、黒がさらにクッキリ見えているのだろうか。考えるだけで気が滅入る謎だ。またしても、自分にはどうでもよい。もう一匹の飼い犬の写真は、子犬の頃から黒のクッキリしたTrue Blackな感じで撮れている。

    トゥルー・ブラックと休みを取るトゥルー・ブラック

    XSシリーズで自分が本当にいいなという唯一の点は、Maxの画面サイズだ。主な理由は自分が年を取って、今やスマホが電卓のサイズだったらいいなと思うからだ。今年スマホを買い換えようと決意するなら、Maxの画面サイズが大きいというのが唯一の合理的な理由になるだろう。

    画面はデカい。素晴らしい。自分のノートパソコンと同じ、512GBのストレージメモリを搭載した機種も選べる。大型スマホにしては、持ちやすく、疲れにくい。理由は全く分からないが。バッテリーが長持ちするので、寝ている間に充電するのを忘れたとしても大騒ぎしなくて済む。XSがとてつもないスマホだというのはすでに分かってはいる。前の機種もあり得ないくらい凄かったが。

    しかし妻に買い換えたいかもと言うと、「いくらするの?」と聞いてくる。それからこう言うのだ。

    「スマホを買うんなら、休暇のレジャーをしばらく我慢できるの?」

    娘のスマホはiPhone 7だ。先日、XS Maxを触らせてみた。キョトンとして「なんで私がこんなものを触る必要があるの?」という表情をした。そして、「これがiPhoneの新機種ね...大きくなってるね」というと、私にXS Maxを突き返し、自分のiPhone 7をまた、いじりだした。

    がっかりして、私は言った。「お前はiPhoneの新機種なんて興味ないのかい?」

    「あんまり」と娘は答えた。「別に今のiPhoneで困ることないから」

    それから娘は「お父さんがiPhoneの新機種に興味があるのは、ガラケーと大して差がなかった時代から、スマホを使う必要があったからじゃない?」と言った。

    たしかに、と思った。そして私は口を閉ざした。

    娘が生まれてきた時点で世界はすでに、スマホは使い勝手が良いのが当たり前だった。あるのかどうかすらわからない、プリンタドライバーやサービスパックを探し回った時代ではないのだ。

    娘はiPhone以前のスマホのUIが、ひどいものだったことを知らない。娘にとって、Appleは革命を起こした製品など、何ひとつ世に出したことがない会社なのだ。世の中とは常にこういうものだ。

    若くなくても、娘のような感覚になることはある。

    いまや多くの人にとって、iPhoneが初めて使うスマホになった。iPhoneが毎年進化を重ねていくのは当たり前のことで、iPhoneがあるおかげで、Uberやインスタグラムといった企業が誕生する。だがもはやそれは、現代社会における生活の一側面に過ぎない。

    多くの人たちにとって、AppleはiPhoneという生活必需品を作る会社なのだ。有名ではあっても、平凡な現実のひとつに過ぎない。

    そこであなたは、XSを買った方が良いのだろうか?

    新しいスマホは必要なのだろうか。

    好みのエコシステムを選べばよい。予算の範囲内で。最新機種を買おう。これにiPhone XSが当てはまるなら、あなたが触れた中で最も革命的なスマホということになる。iPhone Xがそうだったのと同じように。

    AppleがiPhone発売日に備える様子

    YouTubeでこの動画を見る

    youtube.com

    この記事は英語から翻訳・編集しました。

    John Paczkowski is a technology and business editor for BuzzFeed News and is based in San Francisco.

    Contact John Paczkowski at john.paczkowski@buzzfeed.com.

    Got a confidential tip? Submit it here