映画やドラマの銃描写に賛否両論「乱射事件があったばかりなのに…」→ディズニー、ネトフリが注意喚起や声明

    ドラマ『オビ=ワン・ケノービ』や『ストレンジャー・シングス』で、子どもを含む暴力的なシーンがあるとして、一部の視聴者から「不適切ではないか」という声が上がっている。

    アメリカ南部・テキサス州のユバルディの小学校で24日、男が銃を乱射し、児童19人を含む21人が死亡した。

    教育関連メディア「エデュケーション・ウィーク」によると、今年に入って起きた学校での銃撃で、死傷者が出た事件は27件。

    銃暴力に関するデータを収集する「ガン・バイオレンス・アーカイブ」によると、アメリカで祝日があった5月末の3連休で、300件以上の銃犯罪が発生しており、130人以上が死亡しているという。

    相次ぐ銃事件を受けて、アメリカでは銃規制の強化を求める声が高まっている。

    そしてその余波は、映画やドラマ業界にも及び始めている。

    以下、『オビ=ワン・ケノービ』、『ストレンジャー・シングス』のネタバレを含む。

    日本時間5月27日、Disney+でスター・ウォーズのスピンオフ・シリーズ『オビ=ワン・ケノービ』の第1話と第2話が同時配信された。

    ファン待望の配信に世界中が盛り上がる中、あるシーンが視聴者の間で賛否両論を呼んでいる。

    批判があったのは、1話の冒頭シーン。銀河系の正義を守る騎士、ジェダイの学校で、兵士のストームトルーパーが銃を乱射し、子どもたちが叫びながら逃げ回る描写があった。

    子どもたちは逃げ切るが、マスターが彼らの命を守る形で命を落とす。

    同作品の配信日が、テキサス州の小学校銃乱射事件の直後だったこともあり、アメリカ国内のファンからは「乱射事件があったばかりなのに不適切ではないか」「注意喚起を入れた方がいいのでは」といった指摘があった。

    米Disney+は、視聴者からの反発を受け迅速に反応。アプリの作品詳細に下記のような注意喚起の文章を記載した。

    《子どもを含む暴力描写あり:同作品は、何年も前に撮影された映画『スター・ウォーズ』のストーリーの続きを描いたフィクションです》

    《最近の悲惨な事件の影響を受け、一部、視聴者が動揺するようなシーンが含まれています》

    視聴者からの批判があったのは、『オビ=ワン・ケノービ』だけではない。

    日本時間5月27日、Netflixで配信された『ストレンジャー・シングス 未知の世界』のシーズン4でも、冒頭シーンに子どもを巻き込む暴力的な描写がある。

    Netflixは急遽、米国内で放送される第1話の冒頭に声明文を付け足した。

    《シーズン4の撮影が行われたのは1年前ですが、最近のテキサス州の学校で起きた痛ましい銃乱射事件を受け、第1話の冒頭シーンで苦痛を感じる視聴者がいるかもしれません》

    《私たちは、言葉では説明できないほどの痛ましい暴力に心を痛めていると同時に、愛する人を亡くしたすべてのご家族のことを想っています》

    一方で、「フィクションはフィクション」「撮影は、事件が起こる前に終わっているから仕方ないのでは」などといった見方もある。

    サムネイル:Getty Images

    ドラマ『オビ=ワン・ケノービ』や『ストレンジャー・シングス』で、子どもを含む暴力的なシーンがあるとして、一部の視聴者から「不適切ではないか」という声が上がっている。