4月21日、スリランカ・コロンボのホテルや教会などで爆発が相次ぎ、22日現在では死者は290人に登る。スリランカ政府は、「噂や誤情報が拡散しないよう、ソーシャルメディアを停止する」と発表した。
政府の報道によると、FacebookやInstagramをはじめ、WhatsApp、Snapchat、Viberなども一時的に使用できなくなる。
政府は「嘘のニュースが拡散するのにソーシャルメディアが利用されるから」だと説明している。
現在、治安部隊が連続爆発について包括的な調査を行っており、この調査が終わるまでブロック状態が続く見通しだ。
スリランカでは2009年に内戦が終結した。ヒンドゥー教徒のタミル人と、仏教徒のシンハラ人との間で長年続いていたこの紛争で7万人が死亡したと推定されているが、今回の連続爆発事件は紛争終結後で最悪の被害となった。
爆発が起きた21日の夜までに、すでに13人が逮捕されたが、容疑者の名前は公表されていない。また、犯行声明を出した勢力はなく、事件の背後関係は不明なままだ。
しかし、ネット上では、犯行に携わったとされる人物やグループにまつわる憶測が飛び回っている。
当局への確認を取らないまま「容疑者」の名前を出した報道機関もある。
「爆破事件に関係した」いう触れ込みで特定の人物の名前と写真を出した動画も出回り、TwitterやYouTubeで何十万回も閲覧された。古い写真に扇情的な見出しを付けて未確認情報を広めているサイトもある。
こうして、ソーシャルメディアを通じて未確認情報が拡散している、と政府は主張している。
スリランカの防衛相は、不必要に緊張を高めるのを避けるため、容疑者の名前を公表しないよう報道陣に求めた。
マンガラ・サマラウィーラ財務大臣も声明を出し、襲撃は「再びこの国で人種と宗教の緊張を引き起こし、それによって国を後退させる悪魔的な試み」だと述べ、国民に団結を呼びかけた。
The Centre for Policy Alternatives (CPA)の主任研究員であるSanjana Hattotuwaは、BuzzFeed Newsの取材に対し、ソーシャルメディアのブロックは短期的には有効だが「どれだけの期間続けるか」が重要になると語った。
また「TwitterやFacebookがそれぞれ、自らのプラットフォームを積極的に監視している」と付け足した。
Facebookは過去に、反イスラム的な運動を扇動するために利用されている事に対処しなかったとして活動家や学者から批判を受けた。2018年、Facebookはサイトへのアクセスを停止した。
Facebookの広報担当からBuzzFeed Newsへの返信には、「我々の基準に違反するコンテンツを特定して削除するだけでなく、最初の対応者や法執行機関をサポートするために取り組んでいる」とあった。
「我々のサービスは愛する人とのコミュニケーションに使われている。悲劇的な時期でもサービスを維持し、地域社会と国を支援すると約束する」
Twitterは「ノーコメント」とし、Youtubeからの返答は得られなかった。
この記事は英語から翻訳・編集しました。 翻訳:髙橋李佳子