Posted on 2019年11月28日

    「第三の性」を持つ人物がVOGUEの表紙に 120年の歴史で初

    ファッション誌「VOGUE(ヴォーグ)」の表紙を飾ったのはムシェのエストレヤ・バスケス。「ムシェ」とは、メキシコの先住民コミュニティで認識されている「男でも女でもない性」で、しばしば「第三の性」と言われる。

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    ファッション誌「VOGUE(ヴォーグ)」のメキシコ版とイギリス版で、発売中の12月号の表紙にメキシコ先住民のムシェが起用された。「第三の性別」を持つ人物が表紙に載るのは、同誌120年の歴史で初めての出来事だ。

    Jan Sochor / Getty Images

    ムシェ」とは、メキシコの先住民コミュニティで認識されている「男でも女でもない性」のこと。ムシェの人々は自身の性別を「第三の性」と呼ぶこともある。

    Jan Sochor / Getty Images

    ムシェがいるコミュニティでは、生まれた時の肉体的な性別にとらわれない独自の性自認の慣習がある。「男性」として生まれても「女性」として生ることを選ぶ人も多く、その人々がムシェと呼ばれる。

    トランスジェンダーや女装家という区分とは若干異なるが、「女性」用の衣服を身にまとい、「女性」としてコミュニティに奉仕する。

    ムシェが誰と恋愛をするか、誰と家庭を持つかも、性別で限定されず自由に委ねられている。

    表紙を飾った人物は、エストレヤ・バスケス(37)。先住民・サポテコ族のムシェだ。

    「みんな表紙を見てくれて、祝ってくれています」とエストレヤはロイター通信の取材に答えた。

    メキシコ版ヴォーグのインスタグラムアカウントには、感謝のメッセージが届いた。下の人物は「素晴らしい表紙を世界に届けてくれてありがとう!」とコメント。

    メキシコの「真の多様性」を表紙が体現してくれている、と拍手を送る人も。

    ムシェの存在はメキシコ以外ではあまり知られていないが、国内ではオアハカ州南部など都市圏に、ムシェのいるコミュニティがある。

    Jan Sochor / Getty Images

    この地域で使われているザポテク語には性区別が全くない。そのため代名詞やその他の名詞、動詞も、男女の違いによって使い分ける必要がない。

    この記事は英語から翻訳・編集しました。 翻訳:髙橋李佳子