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ファッション業界を取り巻くボディポジティブの動き でも、まだ道半ば

写真の修正をやめるのは80点。私たちが目指しているのは、100点。

ここのところ、H&Mが称賛されている。というのも、H&Mのサイトにはストレッチマーク(肉割れ)や体毛、傷跡やニキビ跡などがあるモデルがこれまでよりも多く掲載されるようになったから。だって今は2018年。正直言って、なんで女性の写真を修正するのか意味わからないじゃん。

I love these photos, stretch marks, scars & hair on their arms shows that these women have lived a life as normal people & they still look stunning. https://t.co/RhSH2FZAs6

「この写真、好き。ストレッチマーク、傷跡、腕の体毛って、この女性たちも普通の人間として生きてきたってことを表してるし、そういうのがあってもとても魅力的」

普通の人が自分の体についてポジティブに感じられるような方向に向けて、これまでよりも多くのブランドが力を入れるようになった。そのため、誰もが安心してサイトを見られるし、勇気づけられるし、自分は無視されていないんだって感じられる、とみんな喜んでいる。これまで長い間、多くの人がたった一つの「美」だけを見せられてきた。それは、本来「美」という言葉が持つ個性や多様性をはねつける類の美だ。

Thank you @hm for reinforcing more positive body images and saying no to airbrushing! 👏 #positiverolemodels #womensupportingwomen H&M becomes the first leading retailer not to airbrush stretch marks https://t.co/90SdAxetog via @MailOnline

「自分の体をもっとポジティブに捉えられるよう、写真の修正にノーと言ってくれる@hm、ありがとう!」

とは言っても、正直に言っていいかな? H&Mが修正なしの写真掲載を増やしてくれるのは嬉しい。でも、このモデルたちがどれだけ「包括的」かという点においては、まだ現実とのギャップがあるように思うのは私だけ? 全体的に、こうしたモデルはまだまだ従来どおりのスリム体型。それって、私のように ウェストのはみ肉があったりお尻が大きかったりする人にとっては、何の意味もなさない。

You don't get a prize for putting women's stretch marks in a photo. You should be doing that anyway! They're still all thin and beautiful with perfect skin though, of course. https://t.co/XMO75xTQnV

「女性のストレッチマークを写真に収めたところで何の賞ももらえないけど、それでもやるべきだと思う! でもやっぱりモデルはみんな細くて美人で、完璧なお肌。当たり前だけど」

モデルがスリムなのは、私にしてみれば異質でおかしなこと。アメリカの女性はほとんどがサイズ16〜18(訳注:日本の19〜21号に相当)ということを考えるとなおさらだ。私たちは一体どこ?

H&Mのサイトに掲載されているモデルの多くはやはり、目立たない程度のストレッチマークでほぼ完璧な肌。傷跡やストレッチマークがたくさんあって完璧な肌じゃない 私たちみたいな人間に対して訴求力はあまりない。

「体型の多様性」によって、より多くの人が、自分も見てもらっているとか、含まれていると感じられるはず。私は、H&Mのサイトを見て自分が着たらどうなるか想像することすらできない。そこに自分はいないから。

So impressed with @Asos for not airbrushing the models stretchmarks👏🏼👏🏼 She looks amazing!

「@Asos(訳注:英国のファッション・サイト)がモデルのストレッチマークを修正していなくて感動。このモデルさん、きれい!」

H&Mに限った話でもない。昨年の今ごろ、ASOSはモデルの写真を修正しなかったことで称賛された。

大手ブランドは、消費者へのマーケティング方法の間違いを正すための最初の階段を登り始めたところだが、まだまだ先は長い。

現実の女性を映し出すことはもちろん可能だし、消費者にとって必要不可欠なこと。「aerie」(エアリー)のようなブランドや小規模の独立系企業は、その道を切り開き始めている。その結果、これまでの顧客と新しい顧客による拍手と感謝の声が大きく響き渡っているでしょ?

#RepresentationMatters! The latest @Aerie campaign has us gushing over the #diversity of the brand and the #strength of these ladies https://t.co/GHYW8WRqXq #Youarebeautiful ✨👏 https://t.co/LxtZh22MEt

「エアリーの新しいキャンペーンで、このブランドの多様性やモデルが持つ強さが話題に!」(女の子の正直さを推進する活動ジャスト・ガール・プロジェクトのTwitterアカウント)

エアリーは最近、障害や慢性的な病気、傷、ストレッチマークがある女性や、がんを克服した女性を、写真の修正なしで登場させた。これに対する反応は圧倒的にポジティブ。モデルに多様性をもたらそうというエアリーの姿勢を実際に示したものだった。

「aerieでもっと買い物するようにしなきゃ。モデルの多様性への素晴らしい取り組みを示してくれた。会社全体でこのテーマを取り入れているんだったらいいな。あ〜、本当にきれい」というコメントもTwitterにある。

クロマットは夏の水着キャンペーンで、体を厳しくチェックする「ボディ・ポリス」に反対という立場を取った。あらゆるサイズ、肌色、髪質、能力のモデルを使ってメッセージを発信!

化粧品メーカー「フルイド・ビューティ」の顔でもあるノンバイナリー(性別を男女に特定しない人)のジェイコブ・トビアは、美容業界における性別の流動性を象徴している。

この業界には、まだまだなされるべきことがたくさんある。でもこうしたパワフルな事例は、現実の人を反映することにどれほどの影響力があるのかを私たちに見せてくれる。将来、もっとこうしたものが出てきたらいいのにと、心から願います。本当の美とは私たち全員のことを言うはずだから。

この記事は英語から翻訳されました。
翻訳:松丸さとみ / 編集:BuzzFeed Japan