「アーミッシュの支持でトランプ氏が大統領選で勝利する」イタズラの仕掛け人の話

    実際には、アーミッシュ人口は30万人に満たない

    先週、大勢の人が、アーミッシュのおかげでドナルド・トランプ氏が大統領選勝利を確実にしたと信じ込んだ。

    Mark Wilson / Getty Images

    ネットで出回っているこの記事によると、アーミッシュ派の人々が11月8日の大統領選でトランプ氏に投票すると宣言しており、トランプ氏の勝利が「数学的に保証される」だけの票が集まるというのだ。

    記事によると、アーミッシュ人口は2000万人にのぼる。クリントン氏の大統領選勝利を阻むに足る十分な数のアーミッシュが、主要なスイング・ステート(浮動票が多い州)に居住しているという。

    実際には、米国内のアーミッシュ人口は30万人に満たず、その多くは投票には参加しない。

    このイタズラ記事はabcnews.com.co上で公開され、一見ABCニュースによる本物の記事に見える。

    Paul Horner / Via abcnews.com.co

    同記事を掲載したウェブサイトabcnews.com.coの所有者であるポール・ホーナーさんは、長年にわたりこうしたイタズラを繰り返している。うかつな読者を標的とし、今回のように誤解しやすいURLを用いた同様のウェブサイトを多数所有している。(こちらのcnn.com.deも彼のウェブサイトである)

    ホーナーさんはBuzzFeed Newsに対し、自身は民主党支持者でも共和党支持者でもないが、共和党の候補者はアメリカを何十年も後戻りさせるだろうとし、トランプ氏の支持者でないことは確かだとしている。彼の記事を読んだトランプ氏の支持者の一部が、アーミッシュのおかげで同共和党候補の勝利はすでに決まったのだから、選挙日当日は投票に出かけないことにするかもしれないと思うと、すごくおもしろいのだとホーナーさんは語った。

    「自分の役目は果たしたいですからね」とホーナーさんは話した。

    アーミッシュの投票を取り上げたホーナーさんの記事は、金曜日の午後にはFacebook上のコメント、「いいね!」、シェアの数が8万5000件を超えた。ホーナーさんによると、ページ閲覧数は2日で約75万回にものぼったという。

    「トランプ氏の支持者は、トランプ氏の勝利の可能性を示すポジティブな何かがないかと求め、何でもいいから探しているだけなんです」とホーナーさんは語る。「あの記事があれほど広まったのはそのせいだと思います」

    同記事がGoogle上で、ABCニュースが実際に配信した記事として分類されたことも大きな後押しとなった。

    Google

    ホーナーさんはコンピューター・サイエンスとオンライン・マーケティングの分野で経験がある。サーチエンジン最適化のスキルを活かし、Googleの検索結果で目立つ位置に自身の記事を表示させることができたという。

    少なくとも保守派のブログ2つが、ホーナーさんの記事を実際の記事として取り上げたという。(後になって訂正されている)

    Facebook

    ホーナーさんが保守派の挑発に成功したのはこれが初めてではない。他にも大きく取り上げられた彼の記事2つに、「バラク・オバマ氏が「忠誠の誓い」を禁止した」という内容や、「トランプ氏の決起集会に抗議するよう頼まれた人たちに対し3,500ドルもの金が支払われていた」という内容のものがある。2つ目の記事は、アン・コールター氏や、トランプ氏の当時のいわゆるマネージャーであったコーリー・ルワンドウスキ氏など、主要な政治家によって共有されている

    「極右派は内容が事実かどうかをきちんと確認しないので、からかうのが面白いんです」とホーナーさんは言う。「彼らは、使える内容ならどんな記事も取り上げてしまうんですから」