家でフツーにやりがちな「ビール保管の落とし穴」
ビールを冷やす。たったそれだけのことなのに、ビールを不味くしているかもしれません。無意識にやりがちなNG保管方法を紹介します。
先日キリンビールの講習会で、ビール保管の落とし穴を教わりました。
年末年始は自宅でお酒を嗜む機会が増えるので、自戒も込めて紹介します。
【落とし穴1】ドアポケットでの保管

さっそくやっちゃってました。
実はビールはデリケートな飲み物。開閉による細かい振動や、温度変化によって味や風味が落ちてしまうそうです。

じゃあどこに置けばいいのよって話ですが、振動が伝わりにくく、温度変化が少ない奥の方が保管に適しているそうです。
【落とし穴2】冷凍庫での保管、高温での放置

早く冷やしたいから冷凍庫に……なんてことはやめたほうがよさそうです。
急激な温度変化によって味や香りを損なう可能性があります。
万が一凍ってしまうと、容器が破損する恐れがあるので危険です。

逆に高温で長時間放置するのもNG。味のバランスをくずし、濁ったり変色してしまいます。
直射日光の当たる窓際や、車内での放置は避けましょう。
【落とし穴3】瓶ビールをひなたに放置

ビール瓶が茶褐色や濃緑色なのは日光を遮るため。
ビールは日光に弱く、直射日光にさらされると味が劣化するそうです。
また強い陽射しのもとでは、中身の温度があがり内圧が上昇して容器が割れることもあるので注意が必要です。
【落とし穴4】長期保管

ビールは未開封でも、時間の経過とともに徐々に風味が落ちていきます。
保存状態によりますが、暗くて涼しい場所で保存すれば約9ヶ月は風味が変わりません。
貴重なビールだからもったいなくて…とは言わず、おいしさを味わうために早めに飲みましょう。
じゃあ美味しく飲むコツは?
ちょっとしたことでビールが劣化することはわかりました。
では美味しく飲むにはどうしたらよいのでしょうか。
【美味しく飲むコツ1】グラスに移す

冷えた缶のままグイッと飲むのもいいですが、ビールのポテンシャルはグラスに移してこそ発揮されるものです。
グラスに移すと何がいいか。そのひとつが泡です。
泡が蓋の役割をはたし、炭酸ガスが抜けるのを防いでくれます。
さらにビールの苦味が泡にくっついて、刺激をやわらげてくれるのです。
泡についた苦味は少しずつ液体に浸透するので、微妙な味の変化も楽しめます。

グラスの形状によっても味や香りが変わります。
例えば左の高さのあるグラスは泡立ちがよく、飲み口が爽快です。
右の持ち手のあるグラスは、香りが集まる形状になっているので、ホップの香りがより楽しめます。
持ち手があることで体温が伝わらないというメリットもあります。
【美味しく飲むコツ2】グラスの種類をかえてみる

ビールグラスというとガラス製が一般的ですが、木や陶器などさまざまな素材の器があり、泡立ちや飲み口が変わります。
例えばこのような特徴があるそうです。
陶器:表面の凸凹によって空気を含み、クリーミーな泡に仕上がる
磁器:ツルッとした素材で口当たりがよく、スッキリとした味わいに
木:ぬくもりがあり、口当たりが優しい
金属:冷たさをしっかり感じられる
【美味しく飲むコツ3】温度の違いをたのしむ
ビールは温度によって味や香り感じ方が変化します。冷やしたビールと常温に近いビールを飲み比べてみるのもおすすめです。
こんな特徴を感じられるでしょう。
常温に近いビール
・ビール本来の香りを豊かに感じる
・炭酸の刺激を感じにくい
冷えたビール
・炭酸の刺激が感じやすい
・のどごしが良く爽快感を味わえる