池袋に"ベトベターのゴミ箱"が出現

11月14日、15日の2日間、池袋サンシャインシティ内に、飲み終わった飲料容器をAIで分別するリサイクルボックス「はらぺこベトベター」が設置されます。
はらぺこベトベターはビン、缶、ペットボトルが大好物という設定。これらを食べさせると大きな声を上げてリアクションするのです。

実際にペットボトルを食べさせると「ベターーーー」と大きな鳴き声を発しました。
鳴き声は数種類用意されていて、食べたものによって変わるといいます。
実は高度な技術が詰め込まれている
このプロダクトは株式会社ポケモン、日本アイ・ビー・エム株式会社、日本コカ・コーラ株式会社の有志社員らが共同で構想・制作したもの。
はらぺこベトベターを通して捨ててよいもの、ダメなものを楽しく学び、いつの間にか街が綺麗になっていく。プラスチックゴミ問題を、クリエイティブな方法で解決することを目指してスタートしたといいます。

ゴミを入れると鳴く。一見すると単純な仕組みに思えますが、はらぺこベトベターの中にはRaspberry Pi(ラズベリーパイ)という小型コンピューターが仕込まれています。
物が入ってくるとまず画像を撮影し、IBM Cloudにアップロードする。それをIBM WatsonというAIが判定し、鳴き声が変わる仕組みです。
クラウド上にはいつ、どういったものが捨てられたかのデータが蓄積されます。
今後Webサイトでは、街ゆく人が食べさせてくれたゴミでどれだけの再生容器ができたか可視化していくといいます。

課題が残る日本のリサイクル意識
清涼飲料水のペットボトルは、適切に回収されればプラスチック資源として再利用が可能です。
日本国内のペットボトル回収率は91.5%、リサイクル率は84.6%と、諸外国と比較すると高水準。(PETボトルリサイクル推進協議会より)
いっぽう、リサイクルを推進するうえで課題となっているのが、リサイクルボックスへの異物(ゴミや吸い殻)の混入です。
一般社団法人全国清涼飲料連合会(全清飲)が2020年10月に公表した調査によると、「街中でペットボトルや缶以外のゴミが出た場合、どこで捨てることが多いか」の問いに対し、「自販機の横にあるボックス」と答えた消費者が52.9%いました。
また市中の自動販売機に併設されているボックスが(ゴミ箱ではなく)「飲料容器専用のリサイクルボックスであることを知らなかった」と回答した消費者が 42.4%に上るなど、リサイクルボックスの役割と分別回収の重要性がまだ十分に認知されていない現状が浮き彫りになっています。