語りべ：「むかしむかし、あるところに、おじいさんとおばあさんが住んでいました」
語りべ：「おじいさんは山へしばかりに、おばあさんは川へせんたくに行きました」
語りべ：「おばあさんが川でせんたくをしていると、ドンブラコ、ドンブラコと、大きな桃が流れてきました」
語りべ：「『おや、これは良いおみやげになるわ』」
語りべ：「おばあさんは大きな桃をひろいあげて、家に持ち帰りました」
ゴリラ：ふぅん。
ゴリラ：そんでそんで？
語りべ：「おじいさんとおばあさんが桃を食べようと桃を切ってみると、なんと中から元気の良い男の赤ちゃんが飛び出してきました」
語りべ：「『これはきっと、神さまがくださったにちがいない』」
語りべ：「子どものいなかったおじいさんとおばあさんは、大喜びです」
語りべ：「桃から生まれた男の子を、おじいさんとおばあさんは桃太郎と名付けました」
ゴリラ：ふぅん、桃太郎ね。
ゴリラ：そんでそんで？
語りべ：「桃太郎はスクスク育って、やがて強い男の子になりました」
語りべ：「そしてある日、桃太郎が言いました」
語りべ：「『ぼく、鬼ヶ島へ行って、わるい鬼を退治します』」
語りべ：「おばあさんにきび団子を作ってもらうと、鬼ヶ島へ出かけました」
ゴリラ：ふぅん、勇敢だねぇ。
ゴリラ：そんでそんで？
語りべ：「旅の途中で、イヌに出会いました」
語りべ：「『桃太郎さん、どこへ行くのですか？』」
語りべ：「『鬼ヶ島へ、鬼退治に行くんだ』」
語りべ：「『それでは、お腰に付けたきび団子を１つ下さいな。おともしますよ』」
語りべ：「イヌはきび団子をもらい、桃太郎のおともになりました」
ゴリラ：ふぅん、おともねぇ。
ゴリラ：そんでそんで？
語りべ：「そして、こんどはサルに出会いました」
ゴリラ：サル？
語りべ：「えぇ、サル」
ゴリラ：野生の？
語りべ：「さぁどうでしょう。おそらく野生の」
ゴリラ：本当に？
語りべ：「昔ばなしですから」
ゴリラ：んっこいしょっと。
ゴリラ：ふーん。サルかぁ。
ゴリラ：サルねぇ。
ゴリラ：サルじゃなきゃダメ？
語りべ：「どうでしょう、むかし話ですから」
ゴリラ：ふーん。
ゴリラ：
ゴリラ：
ゴリラ：
語りべ：「あの、もういいですか？」
ゴリラ：
ゴリラ：もういいや。
ゴリラ：
ゴリラ：勝つっしょ？サル。知ってるんだ。
ゴリラ：
ゴリラ：なんかさ、ずるいよね。
ゴリラ：
ゴリラ：カニと合戦もしてるじゃん？サルって。
ゴリラ：
ゴリラ：考えてみたら干支にもいるじゃん。
ゴリラ：なんかずっちーよね。
ゴリラ：
ゴリラ：別にいいんだけどさ。
ゴリラ：全然、そういうの苦手だし。
ゴリラ：オレ握力すげーし。
サル：あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"
（完）
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