文科省がラップに挑戦
文部科学省が学生の海外留学を後押しするために、ある動画を制作しました。タイトルは『Dear Father』。父と子が互いの想いをラップで語り合う感動作です。
薄暗い工場の中。作業に勤しむ父に「昔から知ってたんだ この工場 継がせたがってんだってこと」と息子が打ち明け、ストーリーが始まります。

「認めて 初めてのわがまま」と、自分の夢を語る息子。

父も息子の方を向き、「俺は曲がりなりにもお前の親父さ 口下手なのもお前と同じさ」と続けます。

「気を使ったつもりか 何も知りもせずに」「それは誰のためか 俺のためか お前のためだろう」。強い言葉がラップに乗ります。

2人の結末はどうなるのかーー。
父親役を務めるのは、ヒップホップグループ・RHYMESTERのMummy-D。息子役は歌手のUAを母に持つ俳優・村上虹郎。ラップ初挑戦とは思えないパフォーマンスが話題を呼んでいます。
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BuzzFeedは文科省に制作の経緯を聞いた。
取材に応じてくれたのは、企画にも携わる、プロジェクトチームの広報担当者。
ーーなぜラップにしようと思ったのですか。
普通にドラマタイズするだけではインパクトが足りないと思い、今回のようなアツい動画が制作されました。
Mummy-Dさんも自身が過ごした10代に重なる部分があり、「若者の背中を押したい」と快く引き受けてくれたようです。
ーー村上虹郎さんはラップ初挑戦でしたが。
この企画を一目見て「素敵な企画だなぁ」と言ってくれたそうです。初めてのラップに不安もあったようですが、Mummy-Dさんから教えてもらいながら、楽しく撮影できたと聞いています。「今も頭から離れない」と言ってくれているようです。
ーー「父と子」のストーリーにした理由はなんですか。
留学には、学生本人の意向だけでなく、周りの人の理解が不可欠です。本人が行きたいと思っても、周囲に反対されてしまうことがあります。
そういった状況を克服してほしいという思いから、今回の動画が制作されました。親子間で交差する想いと葛藤を描いています。
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担当者によれば、海外留学の推進にラップを用いるのは前例のない企画だったものの、大臣も気に入っているらしいです。